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53話

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 ローウォン領にモンスターが現れたと報告を聞いて、私とジャック様は冒険者の人達と一緒にその場所へ向かっていた。

 モンスターが領地に現れるのは多々あるけど、今回はモンスターの強さが今までとは比べ物にならないらしい。

 報告を聞いた強さから間違いなく禁魔法の影響を受けたモンスターで、調べるためにも、私達は総力をあげてそのモンスターを倒す必要があった。

 皆が魔力を宿した馬に乗って駆ける中……私も魔力馬のリテナに乗りながら、並走しているジャック様に尋ねる。

「禁魔法で強化されたモンスターとは、どれほどの強さなのでしょうか?」

「領地を侵攻するモンスターよりも遥かに強いらしい。私達ローウォン家は調査をしつつ、冒険者を招集させていたからな……禁魔法で強化されたモンスターといえど、問題はないはずだ」

 領地の調査をしていたのが主に私とジャック様で、それを禁魔法を伝えている元凶が知らないのもありそうだ。

 普通はもっと大人数で調査するはずだけど、ジャック様は私と2人で大丈夫だと言ってくれた。

 その期待に応えたこともあり、私達は冒険者を招集させることができて、襲撃に備えてきている。

「禁魔法で強化をしたモンスターを使って攻め込んできたということは、元凶を追い詰めつつあるようですね」

 私達が勝利してモンスターを捕らえれば、そこから禁魔法の調査ができる。

 そして調査をすれば、その禁魔法を使った人が発覚して……元凶の可能性が高い。

 私が尋ねると、ジャック様は頷いて。

「パトリシアのお陰で、禁魔法について知ることができそうだ……これからも協力して欲しい」

「わかりました」

 ジャック様に返答をしながら、私達は戦うことにしていた。

 そして――冒険者達の協力もあって、私達は強化されていたモンスターを問題なく対処することができていた。
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