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7話
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今までの私は、父やギオウの命令で魔石を毎日数個しか作れなかった。
無から魔石を作れるのは私だけで、魔力の消費が多く毎日2、3個作るのが精一杯だ。
そのせいで蔑まれていたから、評判を上げるためには作れる魔石の数を増やすのが一番わかりやすい。
魔石は壊れるとただの石となるけど、無から作るよりその石を魔力にした方が楽そうと思いつく。
婚約破棄のショックで魔石が作れないことにして魔力を回復させてから魔道具店で試したけど、成功してなによりだ。
それよりも……私としては、驚愕しているヤガダとカインが気になってしまう。
「もしかして、魔石に戻っていないのでしょうか?」
色を失ったただの石だった物を、再び魔力を宿らせて光り輝くようにしている。
見る角度で色が変わるのが魔力を宿した石のようだけど、私が直せたと思ったのは見た目だけなのかもしれない。
魔道具職人の反応で不安になって尋ねると、ヤガダが再生させた魔石を持って確認してくれる。
「凄まじいですね。これが岩神の加護……消費魔力は少ないと、仰っていましたね」
「は、はい」
「それなら幾つか試して欲しい石があります! 報酬は相談して決めましょう!」
「報酬ですか? いえ、試したいだけでしたから別にいりませんよ」
「受け取ってください! もし他の魔道具店に知られたら問題になってしまう。それほどのことをフィリア様はしています!」
「わ、わかりました……」
急にヤガダのテンションが高くなったから押されてしまうけど、検証したかったからありがたいことでもある。
それよりも思案している様子のカイン王子が無言で怖く、何か言って欲しかった。
◇◆◇
あれから数時間が経ち、私の魔力はまだ半分以上残っている。
数十個の石を魔石に戻すことができたから、成果は以前の10倍以上。
魔力が半分以上も残っているのだから、20倍以上とみるべきでしょう。
まだ誰にも知られるべきではないと、魔道具店の応接室でずっと私は岩神の加護を試している。
大量の復活した魔石を並べて、魔道具店の長ヤガダは検証結果を話してくれた。
「岩神の加護は素晴らしいです……まずは形状ですね。元となる魔石がどれほど見た目が悪くても、最高の状態となっています」
魔石の性能は同じと聞いていたけど、実際は使用できる回数に差がでるから状態がいい方が優れているようだ。
変色した元魔石とかを直した時のことを思い出し、私は体感したことを伝える。
「どんな元魔石を直しても消費する魔力の量は変わらなかったので、今までは石を作ることに膨大な魔力がかかっていたようです」
「直してもらった魔石のサイズは差があったのに、魔力の消費が変わらないのですか?」
「そこは流石に使用する魔力量に変化がありましたけど、無から作るよりは遥かに楽ですね」
「貴重な大型魔石を壊したショックで何もできなかった職人も、これで立ち直ってくれそうです」
役立ちそうだけど、試している間にカインが応接室から出て行ったことが気になる。
私の力についてはヤガダに任せて、魔道具作りに行ったのだろうか?
私としてはカイン王子に成果を知ってもらい証人になって欲しかったけど、学園を不登校だから無理かもしれない。
それでもギオウとは頻繁に会っている友人関係みたいだから、動揺させることできそうだと思っていた。
王子に頼めないし仕方ないと考えていると、カインが部屋に戻って来る。
「フィリアの力を借りたい……僕の推測が正しければ、フィリアは他の加護持ちと同等、いやそれ以上の成果を出すことができそうだ」
魔石を入れていたカバンを持ち、私の力に期待している様子だ。
期待に応えれらるかわからないけど、私はカイン王子の頼みを聞くことにしていた。
無から魔石を作れるのは私だけで、魔力の消費が多く毎日2、3個作るのが精一杯だ。
そのせいで蔑まれていたから、評判を上げるためには作れる魔石の数を増やすのが一番わかりやすい。
魔石は壊れるとただの石となるけど、無から作るよりその石を魔力にした方が楽そうと思いつく。
婚約破棄のショックで魔石が作れないことにして魔力を回復させてから魔道具店で試したけど、成功してなによりだ。
それよりも……私としては、驚愕しているヤガダとカインが気になってしまう。
「もしかして、魔石に戻っていないのでしょうか?」
色を失ったただの石だった物を、再び魔力を宿らせて光り輝くようにしている。
見る角度で色が変わるのが魔力を宿した石のようだけど、私が直せたと思ったのは見た目だけなのかもしれない。
魔道具職人の反応で不安になって尋ねると、ヤガダが再生させた魔石を持って確認してくれる。
「凄まじいですね。これが岩神の加護……消費魔力は少ないと、仰っていましたね」
「は、はい」
「それなら幾つか試して欲しい石があります! 報酬は相談して決めましょう!」
「報酬ですか? いえ、試したいだけでしたから別にいりませんよ」
「受け取ってください! もし他の魔道具店に知られたら問題になってしまう。それほどのことをフィリア様はしています!」
「わ、わかりました……」
急にヤガダのテンションが高くなったから押されてしまうけど、検証したかったからありがたいことでもある。
それよりも思案している様子のカイン王子が無言で怖く、何か言って欲しかった。
◇◆◇
あれから数時間が経ち、私の魔力はまだ半分以上残っている。
数十個の石を魔石に戻すことができたから、成果は以前の10倍以上。
魔力が半分以上も残っているのだから、20倍以上とみるべきでしょう。
まだ誰にも知られるべきではないと、魔道具店の応接室でずっと私は岩神の加護を試している。
大量の復活した魔石を並べて、魔道具店の長ヤガダは検証結果を話してくれた。
「岩神の加護は素晴らしいです……まずは形状ですね。元となる魔石がどれほど見た目が悪くても、最高の状態となっています」
魔石の性能は同じと聞いていたけど、実際は使用できる回数に差がでるから状態がいい方が優れているようだ。
変色した元魔石とかを直した時のことを思い出し、私は体感したことを伝える。
「どんな元魔石を直しても消費する魔力の量は変わらなかったので、今までは石を作ることに膨大な魔力がかかっていたようです」
「直してもらった魔石のサイズは差があったのに、魔力の消費が変わらないのですか?」
「そこは流石に使用する魔力量に変化がありましたけど、無から作るよりは遥かに楽ですね」
「貴重な大型魔石を壊したショックで何もできなかった職人も、これで立ち直ってくれそうです」
役立ちそうだけど、試している間にカインが応接室から出て行ったことが気になる。
私の力についてはヤガダに任せて、魔道具作りに行ったのだろうか?
私としてはカイン王子に成果を知ってもらい証人になって欲しかったけど、学園を不登校だから無理かもしれない。
それでもギオウとは頻繁に会っている友人関係みたいだから、動揺させることできそうだと思っていた。
王子に頼めないし仕方ないと考えていると、カインが部屋に戻って来る。
「フィリアの力を借りたい……僕の推測が正しければ、フィリアは他の加護持ちと同等、いやそれ以上の成果を出すことができそうだ」
魔石を入れていたカバンを持ち、私の力に期待している様子だ。
期待に応えれらるかわからないけど、私はカイン王子の頼みを聞くことにしていた。
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