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58話
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あれから数週間が経って――神龍は龍脈の力を使い、龍の世界を構築していた。
どうやら神龍達は人の心を読めるみたいで、私の聖魔力も使い、不完全ながらもリュの世界ができていたらしい。
そして神龍達は別世界へと向かい、ロウーラ国は平和になっている。
あれからサリナは心が折れて何もできなくなったようだけど、神龍達を利用しようと目論んでいたから、逆に利用したまでだと神龍は言っていた。
神龍、白龍、黒龍は心が読めるようで……そうなると、あの時のゼスタが私を愛しているという発言も、心を読んだからこそ口に出していたのでしょう。
私はゼスタの傍に居たいと考えているも……未だに、ゼスタに対して告白することができないままだった。
× × ×
そして――平和になったことで、私の聖女としての活動は減ってきていた。
ここ最近、ゼスタは最初に会った時のように国を巡っていて、私は魔馬レーマに乗って同行している。
湖を発見して休憩している最中、ゼスタは私と目を合わせて。
「どう考えても聖女として城で暮らしていた方が快適だが……俺のワガママを聞いてくれてありがとう」
「気にしないでください。私もレーマとこうしてロウーラ国を巡った方が、楽しいですから」
これは本心で……あれから私は、ゼスタに聞いておきたいことがあった。
「こうして国を巡っていますけど……ゼスタは昔から、こうしていたのですか?」
「そうだな。城の中に居るより動きたかった……シーファ?」
ゼスタが私を愛してくれているのは、神龍達の発言から理解できている。
それもあるけど……今までのことを思い出し、私は決意することができて。
「ゼスタの昔の話を聞きたいです……それに、聖女になった2年間以前の話を、ゼスタに聞いて欲しい」
聖女になる前のことを知ってもらってから、私はゼスタに告白しよう。
私とゼスタは今までの過去を話して、これから何をしたいのか、未来のことを話していく。
誰かに聖女となる前の暗い過去を話すだなんて……今までの私なら考えられないことだった。
お互いについて、最初から全てが知りたい。
そう想える相手ができて――私は幸せだった。
どうやら神龍達は人の心を読めるみたいで、私の聖魔力も使い、不完全ながらもリュの世界ができていたらしい。
そして神龍達は別世界へと向かい、ロウーラ国は平和になっている。
あれからサリナは心が折れて何もできなくなったようだけど、神龍達を利用しようと目論んでいたから、逆に利用したまでだと神龍は言っていた。
神龍、白龍、黒龍は心が読めるようで……そうなると、あの時のゼスタが私を愛しているという発言も、心を読んだからこそ口に出していたのでしょう。
私はゼスタの傍に居たいと考えているも……未だに、ゼスタに対して告白することができないままだった。
× × ×
そして――平和になったことで、私の聖女としての活動は減ってきていた。
ここ最近、ゼスタは最初に会った時のように国を巡っていて、私は魔馬レーマに乗って同行している。
湖を発見して休憩している最中、ゼスタは私と目を合わせて。
「どう考えても聖女として城で暮らしていた方が快適だが……俺のワガママを聞いてくれてありがとう」
「気にしないでください。私もレーマとこうしてロウーラ国を巡った方が、楽しいですから」
これは本心で……あれから私は、ゼスタに聞いておきたいことがあった。
「こうして国を巡っていますけど……ゼスタは昔から、こうしていたのですか?」
「そうだな。城の中に居るより動きたかった……シーファ?」
ゼスタが私を愛してくれているのは、神龍達の発言から理解できている。
それもあるけど……今までのことを思い出し、私は決意することができて。
「ゼスタの昔の話を聞きたいです……それに、聖女になった2年間以前の話を、ゼスタに聞いて欲しい」
聖女になる前のことを知ってもらってから、私はゼスタに告白しよう。
私とゼスタは今までの過去を話して、これから何をしたいのか、未来のことを話していく。
誰かに聖女となる前の暗い過去を話すだなんて……今までの私なら考えられないことだった。
お互いについて、最初から全てが知りたい。
そう想える相手ができて――私は幸せだった。
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