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55話
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私とゼスタは白龍の背中に乗って……数十分もかからずに、モルドーラ国の王都に到着していた。
これほどまでの力を持つドラゴンに攻め込まれると、ロウーラ国は対処できずに終わってしまうのは間違いない。
王都の中は人の気配があるも、どこか恐怖しているように見える。
こうしてバトルドラゴンが普通に歩いていても逃げ出さない辺り、王都は完全に支配することができていそうだった。
× × ×
歩いて城に入り、私とゼスタは王の間に到着していた。
玉座に座る青年は銀色の長い髪をなびかせた金目の美青年で、周囲には大量のバトルドラゴンが私とゼスタを眺めている。
完全に囲まれていて、こうなると逃げることはできないと不安になっていると、美青年が玉座から立ち上がり、とてつもない威圧感を放ちながら。
「初めまして。我は神龍……龍の姿になると城が壊れてしまうから、人の姿で失礼するよ」
「……シーファです」
「ゼスタだ。俺がこの城に来た理由は……俺の力を認めて、今の、未完成の状態で龍の世界を構築、そしてこの世界から消えて欲しい」
単刀直入に告げるけど、その発言は危険だと思うしかない。
いいえ……私が不安になっているからこそ、ゼスタはこうして堂々としているのでしょう。
その発言を聞いて、神龍は口元を緩ませながら。
「聖女シーファが生贄になるのは嫌か……そこまで1人の異性を愛することができるとはな」
即座に激昂するかと思ったけど、神龍は話を聞いてくれそうだ。
そのことに驚いていると……ゼスタが神龍に尋ねる。
「俺はシーファの騎士だからな。それで、どうなんだ?」
「この国の王は保身しか考えなかったから喰らったが……貴様の意志は強い。ならば――」
「――ちょっと! サリナが来たのなら話し合う必要はないわよ!」
ゼスタと神龍の会話に、女性の声が割り込んでくる。
王の間に慌ててやって来たのは、荒んだ顔をしている元先輩聖女、サリナだった。
これほどまでの力を持つドラゴンに攻め込まれると、ロウーラ国は対処できずに終わってしまうのは間違いない。
王都の中は人の気配があるも、どこか恐怖しているように見える。
こうしてバトルドラゴンが普通に歩いていても逃げ出さない辺り、王都は完全に支配することができていそうだった。
× × ×
歩いて城に入り、私とゼスタは王の間に到着していた。
玉座に座る青年は銀色の長い髪をなびかせた金目の美青年で、周囲には大量のバトルドラゴンが私とゼスタを眺めている。
完全に囲まれていて、こうなると逃げることはできないと不安になっていると、美青年が玉座から立ち上がり、とてつもない威圧感を放ちながら。
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「……シーファです」
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単刀直入に告げるけど、その発言は危険だと思うしかない。
いいえ……私が不安になっているからこそ、ゼスタはこうして堂々としているのでしょう。
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「聖女シーファが生贄になるのは嫌か……そこまで1人の異性を愛することができるとはな」
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そのことに驚いていると……ゼスタが神龍に尋ねる。
「俺はシーファの騎士だからな。それで、どうなんだ?」
「この国の王は保身しか考えなかったから喰らったが……貴様の意志は強い。ならば――」
「――ちょっと! サリナが来たのなら話し合う必要はないわよ!」
ゼスタと神龍の会話に、女性の声が割り込んでくる。
王の間に慌ててやって来たのは、荒んだ顔をしている元先輩聖女、サリナだった。
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