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53話

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 あれからバトルドラゴンの襲撃を対処する日々を送っていると、白龍が再び現れたと報告を受けている。

 来るように言われた私そしてゼスタ、ロギオン、エグニースの4人で……白龍が現れた草原地帯に向かっている。

 ロギオンは今、エグニースから今回の行動について話したようで、俯きながら。

「確かに私でも敵わなかった相手となれば、総力をあげるとロウーラ国は終わってしまう……それでも、シーファ様とゼスタ殿下を失う可能性があるのは……」

 私とゼスタがどう動くのか知って困惑しているロギオンを見て、ゼスタは告げる。

「ロギオン。これは俺が決めたことだ……神龍側に余裕があることから、このまま行けば滅ぶのは間違いない。それなら抗った方がマシだ」

「その考えは立派だと思いますが、陛下に報告しておくべきでは?」

「この後、エグニースが報告してくれることとなっている……白龍の交渉が、本当に総力をあげて潰すかどうかだな」

 そうゼスタが告げてロギオンが頷くけど……白龍の発言を聞いた兵士は「最後の交渉」だと言ったらしい。

 その発言から――エグニースの言ったとおりになるのは間違いないと、私は思うようになっていた。

 × × ×

 私達は白龍の元に行くと……そこには白龍と、白龍を黒くした龍も隣に居た。

 二頭の巨大なバトルドラゴンにロギオンが茫然としながらも、怯んだら終わりだと考えている私、ゼスタ、エグニースはドラゴン達と対面する。

 その姿を見て、白龍は感心した表情を私達に向けてから。

「お久しぶりです……まず、彼の紹介をしておきましょうか」

「俺は黒龍だ。頭は白龍より悪いが、強さは白龍より上……こいつが不甲斐ないから同行した」

「一言、いえ二言多いんですよ……とにかく、最後の交渉に来ました」

 白龍が黒龍に溜息を吐きながら、私達を見下ろして口を開き。

「シーファ様、モルドーラ国に来てください。もし来ないと言うのなら、その時は……」

「この場で捕える。逃げた場合は俺様達が暴れていいと許可をもらっているからな。その方が楽しめそうだ」

 黒龍が楽し気に笑って、白龍は再び溜息を吐きながら。

「まったく……まあそういうことです。どういたしますか?」

 私達に問いかけてくるけど、ここで拒めばロウーラ国が終わるのは間違いない。

 それだけは避けたいから……私とゼスタは、神龍の元へ向かおうとしていた。
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