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38話
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私は魔馬のレーマに乗りながら、ゼスタの乗っている魔馬と並走していた。
前には魔馬に乗っているロギオンとエグニースがいて……ロギオンは場所を知っていて、エグニースは連携について話し合っている様子だ。
会話は私達の耳にも入り、ゼスタが呟く。
「エグニースの奴、ロギオンに俺を前に出すべきではないと言っているな」
王子という立場上当然のことだと思うし、騎士長のロギオンも賛同するに決まっている。
エグニースが聖女の騎士に相応しいか確認すると言いながら提案する辺り……私はゼスタに尋ねる。
「もしかしてエグニースは、本気で私の騎士になろうとしているのでしょうか?」
「間違いないだろう。聖女の騎士になるということはその国に所属すること……冒険者も辞めるつもりだ」
エグニースがもし私の騎士になるのなら、冒険者を辞める必要がある。
冒険者を辞めるとは思えなかったから、さっきの発言はゼスタに発破をかけたいと思っていた。
それでも……エグニースのロギオンとの会話を聞いていると、自分がここで活躍して、騎士になろうとしていそうな気がしてくる。
「エグニースの強さは有名で、悪い評判も一切ない……これは俺が、シーファの騎士の座から降りたくないというだけだ」
もし陛下にエグニースが騎士になると進言すれば、ロウーラ国にとって有益だから認める気がする。
それでも王子のゼスタが反対すると推測したのか、エグニースは白龍との戦いで見定めると告げたのでしょう。
「これに関しては、俺がシーファを守り切ればいいだけだ……それより、シーファが不安になっていることの方が気になる」
「えっ?」
どうやらゼスタとしては、私が不安になっていることの方が優先らしい。
そこに驚いていると、ゼスタは私を眺めて。
「最初はエグニースの発言のせいかと思ったが、どうやら違うようだな……サリナのことか?」
ゼスタは私に関することは鋭くて、だからこそ――騎士はゼスタでなければ嫌だ。
ゼスタなら私を守ってくれていると確信しているけど、エグニースが納得するかは別になりそう。
もしエグニースが白龍との戦いでゼスタを認めてくれなくても、私は反対しよう。
そう決意しながら……私は頷いて。
「そうなるわね……まさかまだ、サリナのせいで迷惑をかけられるだなんて思わないもの……」
こうなったお陰で、今ゼスタと一緒に居られるから構わないけど……不満もある。
私は気付くと、ゼスタに前に話したこともあるも……モルドーラ国で聖女になった時のことを、話そうとしていた。
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会話は私達の耳にも入り、ゼスタが呟く。
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王子という立場上当然のことだと思うし、騎士長のロギオンも賛同するに決まっている。
エグニースが聖女の騎士に相応しいか確認すると言いながら提案する辺り……私はゼスタに尋ねる。
「もしかしてエグニースは、本気で私の騎士になろうとしているのでしょうか?」
「間違いないだろう。聖女の騎士になるということはその国に所属すること……冒険者も辞めるつもりだ」
エグニースがもし私の騎士になるのなら、冒険者を辞める必要がある。
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それでも……エグニースのロギオンとの会話を聞いていると、自分がここで活躍して、騎士になろうとしていそうな気がしてくる。
「エグニースの強さは有名で、悪い評判も一切ない……これは俺が、シーファの騎士の座から降りたくないというだけだ」
もし陛下にエグニースが騎士になると進言すれば、ロウーラ国にとって有益だから認める気がする。
それでも王子のゼスタが反対すると推測したのか、エグニースは白龍との戦いで見定めると告げたのでしょう。
「これに関しては、俺がシーファを守り切ればいいだけだ……それより、シーファが不安になっていることの方が気になる」
「えっ?」
どうやらゼスタとしては、私が不安になっていることの方が優先らしい。
そこに驚いていると、ゼスタは私を眺めて。
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ゼスタは私に関することは鋭くて、だからこそ――騎士はゼスタでなければ嫌だ。
ゼスタなら私を守ってくれていると確信しているけど、エグニースが納得するかは別になりそう。
もしエグニースが白龍との戦いでゼスタを認めてくれなくても、私は反対しよう。
そう決意しながら……私は頷いて。
「そうなるわね……まさかまだ、サリナのせいで迷惑をかけられるだなんて思わないもの……」
こうなったお陰で、今ゼスタと一緒に居られるから構わないけど……不満もある。
私は気付くと、ゼスタに前に話したこともあるも……モルドーラ国で聖女になった時のことを、話そうとしていた。
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