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34話

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 兵士による呼び出しを受けて、私とゼスタは部屋を出て陛下の元へと向かう。

 駆け足になりながらも、私はゼスタに尋ねていた。

「人語を話すモンスターは、神獣と呼ばれるほどに希少だったはずです」

「ああ……それを部下に持つ辺り、神龍とやらは神獣の中でも間違いなく最高位だろう」

 神獣は、その名の通り神と呼ばれてもおかしくないほどの強さを持つ獣だ。

 そして神龍の部下の白龍と名乗ったバトルドラゴンが、この国にやって来たらしい。

 モルドール国は支配したから、今度はこの国を狙っているのだろうか?

 この国というよりも、名指しで呼んでいる辺り……私が目当て?

 私が悩んでいると、併走しているゼスタが呟く。

「恐らく、バトルドラゴンを問題なく対処したことから、神龍側に危険視されたのだろう……それぐらいしか考えられない……」

 ゼスタはそう言ってくれるけど……言い淀んでいる辺り、私と同じ考えなのかもしれない。

 今までバトルドラゴンの襲撃を受けていなかったモルドーラ国が、一気に神龍によって支配されている。

 そしてこの国に幹部の白龍がやって来て、私を呼ぶように言っているのなら、こうなった原因は私だと思うしかない。

「シーファのせいではない。むしろシーファが居なければ……神龍とやらは、モルドーラ国よりも崩しやすい俺達の国を狙っていたに違いない」

「ゼスタ……」

 私が不安になっているとすぐに理解してくれて、ゼスタは励ましてくれる。

 ゼスタと一緒に居られるだけで、この国に来ることができてよかった。

 聖女になったことに間違いなない……それなら、聖女として白龍を対処するだけ。

 そう決意して――私達は王の間に到着し、陛下とこれからのことを話し合おうとしていた。
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