26 / 58
26話 サリナ視点
しおりを挟む
サリナは魔道具の首輪によって、逃げることができない状況に陥っていた。
「ど、どうして……このあたしが、こんな目に合わなきゃいけないのよ……」
バトルドラゴンの襲撃を全て対処でき、サリナは自分の部屋で嘆くしかない。
あれからバトルドラゴンの襲撃は多発して、その旅にサリナは回復魔法を酷使していく。
魔力が切れたらすぐに魔力回復ポーションを飲まされて、自分の命を削っているのが理解できてしまう。
婚約者のグレイは多少の無茶と言っているも、精神的にはもう限界がきている。
それでも動けるのは首輪の効力によるもので……サリナはただ回復魔法を使い続ける日々を送っていた。
「こんなの、奴隷以下よ……シーファは、シーファはまだ見つからないの!?」
シーファさえ居れば、こんな目に合わなくて済むかもしれない。
今までの発言全てに後悔しながらも、もしシーファが目の前に現れたら間違いなく激高する。
自分を抑えられないと確信がありながらも、サリナはそれでもシーファが戻ってくることを期待していると。
「サリナ様!」
兵士の発言と同時に扉を力強く叩く音が響き、サリナは全身を強張らせる。
この兵士は陰でサリナを馬鹿にしていた兵士……いいえ、この城の兵士達や冒険者は、全員が陰でサリナを見下している。
「な、なによ……」
「緊急事態です! すぐに王の間へ!!」
首輪の効力もあって逆らえず、サリナは急いで王の間へと向かうしかない。
「こ、今度はなによ……」
兵士の焦り方から、間違いなくシーファが見つかったという吉報ではない。
王の間にはモルドーラ王と、婚約者グレイだけしか居なくて……サリナは嫌な予感がしていると。
「人語を話すバトルドラゴンが現れたと連絡があった……話があるらしく、聖女を呼べとのことだ」
「恐らく神龍の部下でも上位だろう……喰われることを覚悟して行け!」
「そ、そんな……」
陛下がとんでもない命令を出してくるも、サリナは逆らうことができない。
嫌だと叫ぼうにも首輪の効力か意見できず、無力さに歯がみするしかない。
抵抗することもできないサリナは、ドラゴンの元へと向かうしかなかった。
「ど、どうして……このあたしが、こんな目に合わなきゃいけないのよ……」
バトルドラゴンの襲撃を全て対処でき、サリナは自分の部屋で嘆くしかない。
あれからバトルドラゴンの襲撃は多発して、その旅にサリナは回復魔法を酷使していく。
魔力が切れたらすぐに魔力回復ポーションを飲まされて、自分の命を削っているのが理解できてしまう。
婚約者のグレイは多少の無茶と言っているも、精神的にはもう限界がきている。
それでも動けるのは首輪の効力によるもので……サリナはただ回復魔法を使い続ける日々を送っていた。
「こんなの、奴隷以下よ……シーファは、シーファはまだ見つからないの!?」
シーファさえ居れば、こんな目に合わなくて済むかもしれない。
今までの発言全てに後悔しながらも、もしシーファが目の前に現れたら間違いなく激高する。
自分を抑えられないと確信がありながらも、サリナはそれでもシーファが戻ってくることを期待していると。
「サリナ様!」
兵士の発言と同時に扉を力強く叩く音が響き、サリナは全身を強張らせる。
この兵士は陰でサリナを馬鹿にしていた兵士……いいえ、この城の兵士達や冒険者は、全員が陰でサリナを見下している。
「な、なによ……」
「緊急事態です! すぐに王の間へ!!」
首輪の効力もあって逆らえず、サリナは急いで王の間へと向かうしかない。
「こ、今度はなによ……」
兵士の焦り方から、間違いなくシーファが見つかったという吉報ではない。
王の間にはモルドーラ王と、婚約者グレイだけしか居なくて……サリナは嫌な予感がしていると。
「人語を話すバトルドラゴンが現れたと連絡があった……話があるらしく、聖女を呼べとのことだ」
「恐らく神龍の部下でも上位だろう……喰われることを覚悟して行け!」
「そ、そんな……」
陛下がとんでもない命令を出してくるも、サリナは逆らうことができない。
嫌だと叫ぼうにも首輪の効力か意見できず、無力さに歯がみするしかない。
抵抗することもできないサリナは、ドラゴンの元へと向かうしかなかった。
45
お気に入りに追加
6,609
あなたにおすすめの小説
陰謀は、婚約破棄のその後で
秋津冴
恋愛
王国における辺境の盾として国境を守る、グレイスター辺境伯アレクセイ。
いつも眠たそうにしている彼のことを、人は昼行灯とか怠け者とか田舎者と呼ぶ。
しかし、この王国は彼のおかげで平穏を保てるのだと中央の貴族たちは知らなかった。
いつものように、王都への定例報告に赴いたアレクセイ。
彼は、王宮の端でとんでもないことを耳にしてしまう。
それは、王太子ラスティオルによる、婚約破棄宣言。
相手は、この国が崇めている女神の聖女マルゴットだった。
一連の騒動を見届けたアレクセイは、このままでは聖女が謀殺されてしまうと予測する。
いつもの彼ならば関わりたくないとさっさと辺境に戻るのだが、今回は話しが違った。
聖女マルゴットは彼にとって一目惚れした相手だったのだ。
無能と蔑まれていた辺境伯が、聖女を助けるために陰謀を企てる――。
他の投稿サイトにも別名義で掲載しております。
この話は「本日は、絶好の婚約破棄日和です。」と「王太子妃教育を受けた私が、婚約破棄相手に復讐を果たすまで。」の二話の合間を描いた作品になります。
宜しくお願い致します。
婚約したがっていると両親に聞かされ大事にされること間違いなしのはずが、彼はずっととある令嬢を見続けていて話が違いませんか?
珠宮さくら
恋愛
レイチェルは、婚約したがっていると両親に聞かされて大事にされること間違いなしだと婚約した。
だが、その子息はレイチェルのことより、別の令嬢をずっと見続けていて……。
※全4話。
熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアルネアには、婚約者がいた。
しかし、ある日その彼から婚約破棄を告げられてしまう。なんでも、アルネアの妹と婚約したいらしいのだ。
「熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください」
身勝手な恋愛をする二人に対して、アルネアは呆れていた。
堅実に生きたい彼女にとって、二人の行いは信じられないものだったのである。
数日後、アルネアの元にある知らせが届いた。
妹と元婚約者の間で、何か事件が起こったらしいのだ。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
始まりはよくある婚約破棄のように
メカ喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」
学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。
ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。
第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
婚約者を奪われた私は、他国で新しい生活を送ります
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルクルは、エドガー王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。
聖女を好きにったようで、婚約破棄の理由を全て私のせいにしてきた。
聖女と王子が考えた嘘の言い分を家族は信じ、私に勘当を言い渡す。
平民になった私だけど、問題なく他国で新しい生活を送ることができていた。
婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる