18 / 58
18話
しおりを挟む
私は魔馬レーマに乗って、ゼスタと共に王都に向かっている。
これから私はゼスタの紹介でロウーラ国の聖女になるけれど、昔のことを思い出してしまう。
ゼスタと一緒に居たいから聖女になると決めているけど……大丈夫だろうか?
そう考えていると、魔馬に乗って併走しているゼスタが私を見て。
「シーファ、大丈夫か?」
「はい……あの、城に行く前に、頼みたいことがあるのですが」
ゼスタが心配してくれて、そんなゼスタと一緒に居たい。
傍を離れたくないから……モルドーラ国での反省は生かしておきたい。
「どうした?」
「王都に行く前に色々と準備がしたいので、城下町の宿で一泊してもいいですか?」
私が尋ねると、ゼスタは頷きながら。
「わかった……到着は今日か明日になると伝えているし、城下町の門番に伝えておこう」
どうやら事前に報告していたようで、今日と断言しなかったのはアクシデントの可能性を考えてのことでしょう。
私にとっては好都合で……城下町で色々と準備をしてから、私は城に向かいたかった。
× × ×
私達は王都に到着するけど、レーマをどこに預けるのか気になっていると。
「俺が頼んでおく……レーマはラギバのように城に住むこととなっているからな」
そう言ってゼスタが乗っていた黒い魔馬ラギバを撫でると、ラギバはレーマと会話をしていた。
レーマとラギマの仲はよくて、ラギバが行くのならと、レーマも先に城に向かうみたいね。
今日は色々と城下町で買物をしなければならず、私達が門に到着すると――
「――お帰りなさいませ、ゼスタ様!」
門番らしき武装した人がやけに多いと思っていると、皆がゼスタの前で頭を下げて。
「ああ。相変わらず迎えが多いが、今日は城に行かない。明日行くと伝えておいてくれ」
「そうですか? ゼスタ様のお父様、陛下も報告を楽しみにしていますよ」
「待たせておけ……彼女は、シーファは大切な客人だ。この魔馬、サーラをラギバと同じように宿まで連れて行ってくれ」
「はっ!!」
ゼスタの説明は、事前に教えられていたからわかっていた。
それよりも――ゼスタの父上が陛下って、ゼスタは王子なのかもしれない。
これから私はゼスタの紹介でロウーラ国の聖女になるけれど、昔のことを思い出してしまう。
ゼスタと一緒に居たいから聖女になると決めているけど……大丈夫だろうか?
そう考えていると、魔馬に乗って併走しているゼスタが私を見て。
「シーファ、大丈夫か?」
「はい……あの、城に行く前に、頼みたいことがあるのですが」
ゼスタが心配してくれて、そんなゼスタと一緒に居たい。
傍を離れたくないから……モルドーラ国での反省は生かしておきたい。
「どうした?」
「王都に行く前に色々と準備がしたいので、城下町の宿で一泊してもいいですか?」
私が尋ねると、ゼスタは頷きながら。
「わかった……到着は今日か明日になると伝えているし、城下町の門番に伝えておこう」
どうやら事前に報告していたようで、今日と断言しなかったのはアクシデントの可能性を考えてのことでしょう。
私にとっては好都合で……城下町で色々と準備をしてから、私は城に向かいたかった。
× × ×
私達は王都に到着するけど、レーマをどこに預けるのか気になっていると。
「俺が頼んでおく……レーマはラギバのように城に住むこととなっているからな」
そう言ってゼスタが乗っていた黒い魔馬ラギバを撫でると、ラギバはレーマと会話をしていた。
レーマとラギマの仲はよくて、ラギバが行くのならと、レーマも先に城に向かうみたいね。
今日は色々と城下町で買物をしなければならず、私達が門に到着すると――
「――お帰りなさいませ、ゼスタ様!」
門番らしき武装した人がやけに多いと思っていると、皆がゼスタの前で頭を下げて。
「ああ。相変わらず迎えが多いが、今日は城に行かない。明日行くと伝えておいてくれ」
「そうですか? ゼスタ様のお父様、陛下も報告を楽しみにしていますよ」
「待たせておけ……彼女は、シーファは大切な客人だ。この魔馬、サーラをラギバと同じように宿まで連れて行ってくれ」
「はっ!!」
ゼスタの説明は、事前に教えられていたからわかっていた。
それよりも――ゼスタの父上が陛下って、ゼスタは王子なのかもしれない。
49
お気に入りに追加
6,609
あなたにおすすめの小説
陰謀は、婚約破棄のその後で
秋津冴
恋愛
王国における辺境の盾として国境を守る、グレイスター辺境伯アレクセイ。
いつも眠たそうにしている彼のことを、人は昼行灯とか怠け者とか田舎者と呼ぶ。
しかし、この王国は彼のおかげで平穏を保てるのだと中央の貴族たちは知らなかった。
いつものように、王都への定例報告に赴いたアレクセイ。
彼は、王宮の端でとんでもないことを耳にしてしまう。
それは、王太子ラスティオルによる、婚約破棄宣言。
相手は、この国が崇めている女神の聖女マルゴットだった。
一連の騒動を見届けたアレクセイは、このままでは聖女が謀殺されてしまうと予測する。
いつもの彼ならば関わりたくないとさっさと辺境に戻るのだが、今回は話しが違った。
聖女マルゴットは彼にとって一目惚れした相手だったのだ。
無能と蔑まれていた辺境伯が、聖女を助けるために陰謀を企てる――。
他の投稿サイトにも別名義で掲載しております。
この話は「本日は、絶好の婚約破棄日和です。」と「王太子妃教育を受けた私が、婚約破棄相手に復讐を果たすまで。」の二話の合間を描いた作品になります。
宜しくお願い致します。
熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアルネアには、婚約者がいた。
しかし、ある日その彼から婚約破棄を告げられてしまう。なんでも、アルネアの妹と婚約したいらしいのだ。
「熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください」
身勝手な恋愛をする二人に対して、アルネアは呆れていた。
堅実に生きたい彼女にとって、二人の行いは信じられないものだったのである。
数日後、アルネアの元にある知らせが届いた。
妹と元婚約者の間で、何か事件が起こったらしいのだ。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
始まりはよくある婚約破棄のように
メカ喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」
学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。
ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。
第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
彼が愛した王女はもういない
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
シュリは子供の頃からずっと、年上のカイゼルに片想いをしてきた。彼はいつも優しく、まるで宝物のように大切にしてくれた。ただ、シュリの想いには応えてくれず、「もう少し大きくなったらな」と、はぐらかした。月日は流れ、シュリは大人になった。ようやく彼と結ばれる身体になれたと喜んだのも束の間、騎士になっていた彼は護衛を務めていた王女に恋をしていた。シュリは胸を痛めたが、彼の幸せを優先しようと、何も言わずに去る事に決めた。
どちらも叶わない恋をした――はずだった。
※関連作がありますが、これのみで読めます。
※全11話です。
婚約者を奪われた私は、他国で新しい生活を送ります
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルクルは、エドガー王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。
聖女を好きにったようで、婚約破棄の理由を全て私のせいにしてきた。
聖女と王子が考えた嘘の言い分を家族は信じ、私に勘当を言い渡す。
平民になった私だけど、問題なく他国で新しい生活を送ることができていた。
婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)
完結 振り向いてくれない彼を諦め距離を置いたら、それは困ると言う。
音爽(ネソウ)
恋愛
好きな人ができた、だけど相手は振り向いてくれそうもない。
どうやら彼は他人に無関心らしく、どんなに彼女が尽くしても良い反応は返らない。
仕方なく諦めて離れたら怒りだし泣いて縋ってきた。
「キミがいないと色々困る」自己中が過ぎる男に彼女は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる