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14話 サリナ視点
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戦いを終えて、サリナの魔力は残っていなかった。
それでも冒険者達や兵士達が助けを求めてくるのは、今まで全員に回復魔法がかかっていたことにある。
それは全てシーファのお陰で……自分の手柄にしていたサリナに、負傷者が詰め寄り。
「聖女サリナ様! 回復魔法を使ってください!!」
「つ、使えるわけないじゃない! あたしだってもう魔力がないのよ!?」
戦いの時は「加護で守れ」と言われ魔力と精神を消費し、戦いが終われば「回復してくれ」と言われて魔力を使い続ける。
いつもの取り繕いがなくなって素になるほどで、冒険者、兵士達の不満が溜まっているのがわかる。
「なんだ。あの態度……」
「今だから言うけど、地味聖女が使う回復魔法の方がよかったよな。文句も一切言わないしよ」
「ああ。そもそもシーファ様が7割ぐらいやってて、サリナ様は明らかにサボってたよな。なんでこの人が残ってるんだ……」
一部の事情を知っている兵士達の発言を聞き、皆が不満を言い始める。
それに苛立つしかないサリナは、思わず叫ぶ。
「なっ……あんた達もシーファは地味だから不要って言ったじゃない!?」
魔力を使い果たしたのは事実だから黙っていたサリナは、我慢の限界がきている。
思わず叫ぶと――サリナの限界以上に、兵士達は我慢の限界が来ていたようで。
「言ったか?」
「言ってないな。むしろサリナ様がそんな噂を広めてたんじゃなかったっけ? 無能が優秀な聖女を追い出すとか、やってられねぇぜ」
自分のことを無能だと言い、追い出したシーファを優秀だと言う。
今すぐに兵士達に対して無礼だと罰を与えたいも、サリナはあまり成果を出していないから、何も言うことができない。
他にも数カ所助けに行かなければならない場所があり、聖女が1人しか居ないからサリナは休みながら魔力を回復させて、再びバトルドラゴンの元に行くしかない。
数カ所か巡っている中でも――サリナはシーファと比べられて馬鹿にされ、後悔は強まっていった。
それでも冒険者達や兵士達が助けを求めてくるのは、今まで全員に回復魔法がかかっていたことにある。
それは全てシーファのお陰で……自分の手柄にしていたサリナに、負傷者が詰め寄り。
「聖女サリナ様! 回復魔法を使ってください!!」
「つ、使えるわけないじゃない! あたしだってもう魔力がないのよ!?」
戦いの時は「加護で守れ」と言われ魔力と精神を消費し、戦いが終われば「回復してくれ」と言われて魔力を使い続ける。
いつもの取り繕いがなくなって素になるほどで、冒険者、兵士達の不満が溜まっているのがわかる。
「なんだ。あの態度……」
「今だから言うけど、地味聖女が使う回復魔法の方がよかったよな。文句も一切言わないしよ」
「ああ。そもそもシーファ様が7割ぐらいやってて、サリナ様は明らかにサボってたよな。なんでこの人が残ってるんだ……」
一部の事情を知っている兵士達の発言を聞き、皆が不満を言い始める。
それに苛立つしかないサリナは、思わず叫ぶ。
「なっ……あんた達もシーファは地味だから不要って言ったじゃない!?」
魔力を使い果たしたのは事実だから黙っていたサリナは、我慢の限界がきている。
思わず叫ぶと――サリナの限界以上に、兵士達は我慢の限界が来ていたようで。
「言ったか?」
「言ってないな。むしろサリナ様がそんな噂を広めてたんじゃなかったっけ? 無能が優秀な聖女を追い出すとか、やってられねぇぜ」
自分のことを無能だと言い、追い出したシーファを優秀だと言う。
今すぐに兵士達に対して無礼だと罰を与えたいも、サリナはあまり成果を出していないから、何も言うことができない。
他にも数カ所助けに行かなければならない場所があり、聖女が1人しか居ないからサリナは休みながら魔力を回復させて、再びバトルドラゴンの元に行くしかない。
数カ所か巡っている中でも――サリナはシーファと比べられて馬鹿にされ、後悔は強まっていった。
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