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2章

83話

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 同調したことで、私は邪神ロウデスの行動と目的を理解していた。
 ロウデスの計画通りなら、本来ラギルはこのタイミングで自責により自害していたようで、私達の心を折ろうとしていたけど……私の説得で早まらないでくれた。
 今は邪神の力が完全に戻っているから、邪神側が優勢だ。
 この状況を打破する為にも、私は魔法披露会の会場へ向かう必要がある。

 ルートに意識を失ったダドリックとラギルを任せて、私は飛行魔法でレックス殿下、ロイ、カレンと空を飛ぶ。
 ダドリックとラギルは、ルートに任せて問題ない。
 ロウデス教団員は復活の為に依代の女性とシーマ以外、全員意識を失っていることを把握している。

 これは全て邪神ロウデスの記憶を得たから知り得たことで、会場にはネーゼ達がいる。
 あの場にいた魔法士の人達は優秀だけど、邪神が相手だと一瞬で倒されてしまう。
 ネーゼを筆頭にまた戦うことができている人達は復活して肉体を得たロウデスと戦い、足止めはできているはず。
 ネーゼ達でも時間稼ぎにしかならず……邪神ロウデスと戦えそうなのは私、レックス殿下、ロイ、カレンだけだ。

「リリアン様。到着するまでの時間に、何が起きたか説明することはできますか?」

「この速度だと数分もかからない。カレンさんと同じで気になるけど、無理なんじゃないかな」

 カレンが尋ねて、ロイが否定する。
 確かに……普通に話して説明するのなら、時間がない。

「とにかく俺達は復活した邪神ロウデスを倒せばいい。そうだろう?」

 現状からレックス殿下は推測したようで、何をすればいいのかを尋ねていた。
 間違いなくて、少しでも私の負担を減らそうとしてくれている。
 それが嬉しくなるけど……今の私は、皆に説明する力があった。

 同調したからロウデスの力を知ることができ――復活した邪心の元に向かう際中、私は記憶を皆に送る。
 これはラギル、いいえラギルの体内に侵入していたロウデスの魔法を応用したものだ。

「今、皆に何が起きたのかを伝えました……これから私達は、邪神ロウデスを討ちます」

「今のリリアンさんは、こんなこともできるようになったのか」

「ラギルの体内に邪神が存在して復活した……俺達は、その邪神を倒すしかないようだ」

「そう……ですね」

 ロイは驚き、レックス殿下は到着した時の行動を話す。
 カレンが困惑しているのは、ゲームの知識を駆使してどうするべきか考えてくれているからに違いない。 
 
 私は邪神が何をしたのか、そしてこれからの行動を一瞬で伝えていた。
 全力の飛行魔法で数分もかからずコロシアムに到着するけど、今のうちに話しておきたいこともあった。
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