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100話

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 あれから私は、ガシムと契約をする。

「アカネ。しばらくの間、よろしく頼む」

「こちらこそ……契約したといっても、一時的なものだけどね」

 レーリアやウォルと違って、料理スキルを誰にも教えない。攻撃をしないだけの契約だけど……これは契約をして連動している私、レーリア、ウォルがエルフの森とやらに行くためのものだからだ。

 それにしても……ガシムは族長の命令だからと、条件は絶対に破れない契約までしていた。

 族長という人は、そこまで凄い人なのだろうか?

「レーリアとガシムが言っている族長って、どんな人なの?」

「俺も気になってた……とんでもなく凄い人だってのは、よくわかる」

 ウォルの発言にガシムが何度も頷き、レーリアが私達を見て。

「族長とは……エルフが住まう森の長です。森と一体化することで不老と化し、世界最高峰の賢者と呼ばれているほどのお方です」

 賢者と聞くとマミカを思い出して嫌になるけど……きっとその族長って人こそが、本物の賢者なのでしょう。

「普段の族長は長い眠りにつき、寝ながら従者に指示を出す……再来週目覚める予定で、今回はその時にレーリアと直接話がしたいと命令を出していたから、僕は従うまでだ」


 ガシムの族長に対する忠誠心は凄いけど、森を守る結界を張っていたりしているみたいだから、とてつもなく凄い人なのでしょう。

「族長は2日ぐらい目覚めて、それから半年から1年もの間眠りにつきます……直接話がしたいということは、何かしら重要なことを話すに違いありません」

 それって……ここ最近感じている妙な胸騒ぎと、何か関係があるのかもしれない。

 再来週なら時間は結構あると思うけど……目覚めるまではエルフの森で暮らして構わないらしく、私達は精霊界、エルフの森に向かうことにしていた。
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