料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

54話

　私とレーリアは歩きながら、お米が売っていそうなお店を探そうとしていた。

「リドラの街にお米が売っているってレーリアが言っていたけど、売っているお店は知らないの？」

　知っていたら楽だから尋ねてみると、レーリアは頭を下げて。

「申しわけありません。米は一部の獣人の好物で、この街の食堂で見たことがあります……もし見つからなければ、私が交渉して食堂から購入致します」

「謝らなくていいけど、見つからなかった時はお願いね」

　それは見つからなかった時でよさそうだけど……今日中に見つからなかったら、ちょっと高くなっても交渉してもらおう。

　それほどまでに、今日の夜はお米で食べたくなっている……料理スキルを使えば問題ないし、魔力が宿っているのならとてつもなく美味しいはず。

「今日中に、なんとしてでも手に入れるわよ！」

「はい！　アカネ様の為にも、私は全身全霊をもって米を入手します」

　なんだか周囲の視線を集めてしまうけど、つい興奮してしまった。

　会話の内容が米ということもあるのでしょう……気を取り直して、レーリアが店に案内してくれる。

　その店は果物や野菜が売られている店で、お米は無いけど……レーリアが、店主と会話をして。

「米が売られている店が解りました。行きましょう」

「ええ。その前に……ここで野菜と果物を買っておくわ」

　情報を貰ったのだから、ここで買っておこう。

　野菜はキャベツと玉ねぎ……それからミカン、桃、そしてバナナらしき果物を購入して、私とレーリアは店に向かう。

　到着した店は農具や作物の種が売られている店で――さっきの店主が言っていた通り、お米も売られている。

「本当に、売っていたわね……」

　私は感激しながらお米を見ると――これ、前の世界でずっと食べてきたお米とは、少し違う。

　細長い――これは確か、味付けして食べるお米のはずだけど、料理スキルなら大丈夫のはず。

「アカネ様？」

　呆然とお米を眺めている私を、レーリアが心配してくれる。

　今までのことから、私の料理スキルなら問題はないはず。

「大丈夫。私は料理スキルを信じてるから……レーリア。お米が売られているのなら、ここを拠点にしたいけど大丈夫かしら？」

「大丈夫です。それなら……今日はこれから、冒険者ギルドに向かい冒険者として登録しておきましょう」

　そう言ってレーリアはお米を購入して、これから冒険者ギルドに向かうらしい。

　目的は達成したし、ここを拠点にすると決めたのだから登録は早い方がいいでしょう。

　私とレーリアは冒険者登録をするため、冒険者ギルドに向かっていた。