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15話

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 私は明日には城を追い出されるみたいだから、レーリアに一緒に行かないか提案していた。

「わ、私を仲間に……ですか?」

「ええ。話を聞く限り、私が冒険者パーティのリーダーで、レーリアが部下なら何も問題はないんでしょう?」

「そうなりますが……私の発言を、契約もせず信じてくださるのですか?」

 そう不安げに呟くレーリアだけど、契約ってなんだろう?

「信じるわよ。レーリアはこの城で唯一私に優しくしてくれたもの!」

 内緒で食事を持ってきてくれたり、境遇が似てると言っていたけど、そこまでしてくれたレーリアがこの城での生活を嫌だと感じているのなら、一緒に行った方がいいでしょう。

 それに、私1人だけ城から放り出されたくない……この世界の知識がある人が1人でも仲間になってくれるのなら、それ以上のことはないはずだ。

 ちょっと私欲が入ったけど、レーリアが城から出たくないというのなら、諦めよう。

 そう決意していると、レーリアは何かを思案したように真剣な表情になって」

「……私を仲間にしたい理由は、アカネさんの持つ料理スキルにあるのではないのですか?」

「えっ?」

 全然違うけど、料理スキルがあるとどうしてレーリアを仲間に引き入れたくなるのだろう?

「どうやら図星のようですね……ドラゴラを料理して後で急激な魔力増加を感じ取ることができました。料理スキルを食べた効果だと推測するべきでしょう」

 全然違うのに当たったと思い込んで自慢げだから、もうそういうことにしておこう。

 レーリアは少し悩んでいたように見えたけど、私の前で微笑んで。

「決めました……この立場が最も低い城での生活を捨て、アカネさんのパーティで再始動致します!

「レーリア。ありがとう」

「気にしないでください……仲間になった今、アカネさんの料理スキルについて教えてもらいたいところですが……その前に、アカネさんは私と契約をするべきですね」

 いきなりよく解らない発言をしてくるけど、レーリアは今までになく真剣な表情を向けながらそんなことを言い出す。

「契約?」

 いきなり出てきた発言だけど、レーリアが頷く辺り冗談で言っているようではなさそうだ。

 この世界で契約というのは、それほどまでに重要なことなのかもしれない。
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