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2話

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 あれからエルフの人からスキルについて説明を聞くけど、あの眼鏡はスキルを鑑定する魔道具と呼ばれる代物らしい。

 エルフの人はレーリア、宰相の青年はドグと呼ばれているみたいだけど、宰相ドグは私に対して失望しているようだ。

 転移した力か異世界でも普通に言葉が解るし相手も解っていることに驚いていると、レーリアが私達を眺めて。

「まず、マミカ様のスキル「賢者」は、全魔法の適性があります。どんな魔法でも高水準で扱え、魔法を扱うスキルとして最高峰の才能です」

「様々な魔法が使いたいと願いながら儀式をして賢者のスキル……計画通りね!」

 マミカが喜んでいるけれど、私は不安で一杯になってしまう。

「続きましてミユキ様のスキル「聖女」ですが、回復や退魔の力を持つ聖魔力の適性が極めて高いです。聖魔力のみしか扱えませんが、その欠点によるものか、聖魔力のみなら賢者を大きく上回るでしょう」

「そ、そうですか……」

 ミユキは顔を赤くしながらも嬉しそうにして、私をは目を合わせないようにしている。

 この2人の凄いスキル説明の後で、私のスキルを説明するのか。

 レーリアも言い辛そうな表情を浮かべながらも、私を見て。

「そ、それで……アカネさんのスキル「料理」ですが、その、料理ができるようです」

「……それだけか?」

 宰相ドグが呆れたようにレーリアに尋ねると、レーリアは困惑しながら。

「そもそも、この眼鏡で記されるスキル説明は一行だけです。賢者と聖女のスキルは前例がありますから解りますが、料理スキルはその説明文を読むしかありません」

 その話が本当だとすると……私の料理スキルについて知ることができるのは、本当に「料理ができる」という一文だけなのでしょう。

 かなり曖昧で、どれほどできるのだろうと考えていると、ドグが頷いて。

「そうだったな。その文から推測するに料理が上手くなる程度だろう……まあ、明日一応試してみるか」

 それから宰相が部屋から出て行って、レーリアが色々と説明してくれた。

 この異世界はかなり年月が必要になるも一定周期で異世界との干渉が可能になって、稀に異世界から人が来ると言われていた。

 ここ数百年は発生していないから、もう起こらないと思っていたみたいだけど、マミカとミユキが引き起こしたらしい。

 マミカの家は魔法とか魔力を扱う家系だったようで、友人のミユキは一緒に行きたいと頼んだみたいね。

 そして儀式の準備をしていて、今日の夕方が最も成功する可能性が高かったようで、試してみると成功したらしい。

 賢者スキルが手に入って満足しているのか、マミカがレーリアに自慢げに語ることで私も理解できたけど……巻き込んだ私に何か言うことはないのだろうか?

 それよりも、今この場所がお城だということに驚いてしまい、それから今日と明日の予定を聞く。

「本日は部屋でお休みください……明日、スキルをこの城に住む偉い人に紹介してもらいます」

「紹介って、あたし達は何をすればいいの?」

 マミカが尋ねると、レーリアが頷いて。

「魔力の扱い方を説明しますので、魔力を扱ってください……それでは、部屋に案内します」

 そう言って兵士達が膝をついて私達……いいえ、マミカとミユキだけに頭を下げているわね。

「あ、あの……私はどうすればよろしいでしょうか?」

 思わず尋ねると、レーリアが眼鏡が渦巻いててあまり解らないけど、困惑した表情を浮かべながら。

「そ、そうですね……今ドグ様が準備をしていると思いますよ。食材とか、調理器具とか……」

「ねぇねぇ。そんな人は放っておいてさ。あたし達にこの城を案内してよ!」

 そうマミカが言い放つけど、完全に私の存在を見たくないようね。

 ミユキは申し訳なさそうにしているけれど、マミカに私のことを言えば機嫌が悪くなるとでも思っているのか、彼女は何も言えないでいる。

 マミカがずっと待機していた男の兵士2人に尋ねて、レーリアを相手にしていないのは渦巻いている眼鏡のせいかもしれないけど、顔立ちは明らかにレーリアの方がいい。

 兵士達とマミカ、ミユキは部屋から出て……この転移の時から居る豪華な小部屋には、私とレーリアの2人きりになっていた。

「……異世界に転移された人は、優れた力と優れたスキルを持つとされています」

「はい?」

「そんな中、異世界に自らの意思で来たと告げたマミカ様とミユキ様は賢者と聖女のスキルで、何も知らないアカネさんは料理のスキル……ドグ様の反応を見ても、これからが大変ですよ」

 そうレーリアが申し訳なさそうに告げるけど、きっと私のスキルを知って伝えたことに罪悪感があるのかもしれない。

 マミカとミユキだけは様付けで、私だけがさん付けな辺り……この時点であの2人と私は立場が違うのでしょう。

「ドグ様が泊めるよう指示した部屋に案内しますが、アカネさんの部屋はまず掃除が必要な部屋のようです……私も手伝いますから、我慢してください」

 そう言ってレーリアが、私に頭を下げながら私に告げる。

 渦巻きのスキルを鑑定する魔道具らしい眼鏡をまだつけているけれど、レーリアは端麗な顔立ちで声も綺麗と、この人が私と一緒に居ていいのだろうかと思ってしまうほどだった。

 もう初日の時点でこんな目にあっているから、真っ先に食事がどうなるのか心配になってしまう。

 食材は鞄の中にあるし……明日いきなり試すよりも、今日の夜――この料理スキルを試した方がいいかもしれない。
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