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しおりを挟む「俺はついにやった。
完全犯罪を…」
あれは忘れもしない寒い冬の出来事…
まだ俺が4歳の頃だった
親父が多額の借金をこの家に残して逃亡した
母さんと一人残された俺はどうすることもできなかった、学校なんか行けやしない…
そんな時俺がそこら辺をウロウロしていると俺より少し身長が高い男の子が目の前に立っていた
「誰だ?見たことないな…
俺は桜井魁斗」
口数が少ない俺は無視をしてまっすぐ帰ろうとした
「冷たいなぁー仲良くしようぜ?」
「俺は…友達なんかいらない…」
手を振り払い帰った。
豆電球を付け家に入った俺は自分の部屋にいった。誰も居ない…
『ドンドンドンドン!!』
「神崎さぁーんお金返して貰わないと困るん
ですけどぉ~聞こえてますよね?神崎
さぁ~ん」
こいつらは親父が連れてきた借金取だ
毎日毎日家の扉を叩いては怒って帰る
そのために外に出てた…今日は来るのが遅かったのか?それとも俺が帰るのが早かったか…?
そんな事はどうでもいいんだ
早く帰ってくれ…
「こんにちはぁー!誰ですか?貴方達」
この声…さっきの奴だ!なにしに来たんだ!帰れ!
「誰だ?おまえ…神崎の知り合いか?」
やめろぉー!!
「ちょっ!こいつ!桜井の子供ですっせ」
子分?の奴が慌てて言った
「ママはどこだ?お金を返して貰いたいんだ
が…」
ダッ!!
階段を駆け下りる音がした
「追いかけろ!神崎は明日だその子供を捕ま
えて人質にして金を巻き上げろ!」
扉を叩く音が消え足音も消えていった
あいつは大丈夫なのだろうか…
『ガチャッ』
「帰ったの?」
奥の部屋から母さんが出てきた
「帰ったよ出てきたら?」
ゴソゴソッ
「ありがと悟」
母さんは彼奴らが来るのを怖がってすぐに身を隠す。
「あの子は知り合いなの?」
俺は首を横に大きく振った。
「大丈夫なのかしら…」
無口な俺が少し喋った
「人の心配より自分の心配したら?」
母さんはびっくりしたような顔をした。
俺がこんなに話すのは久しぶりだし
母さんに対してこんなに強く言ったのは初めてだった。
「そうね…明日はお母さん帰れないからお留
守番よろしくねお母さんのご飯はいらない
から」
俺はコクリと一回うなづき部屋に戻った。
そんな時
『コンコン』
扉を叩く音がした。
母さんはその音を聞いて怖がり奥の部屋に身を隠した。
「俺!桜井魁斗!神崎って言うんだなよ よろ
しくな!」
なんでこいつが…逃げ切ったってことか…?
「開けてくれよ」
『キィーーー』
俺はそいつを睨みつけた。邪魔をするな…
「名前は?」
俺はまだ睨んでいた。話の内容など全く聞こえてはいなかった。その時奥の部屋から母さんが出てきた。
「さっきは大丈夫だったの?」
心配そうに見つめる母さん。
自分の事より人のことを優先して行動してしまう母さんの癖だ。
「全然余裕です。いつもの事なんですよ」
そー言いながずっとニコニコと笑っていた。
「俺、桜井魁斗よろしくな!」
自分の部屋に行った。
俺は毎日意味のない暴力を浴びせられていた。それは、とてもとても悔しい日々だった。
ある日、俺の家の壁がペンキで塗られていた。その時、俺の中でなにががはずれた。
俺はどんなことをされても、我慢していた。だが、俺はどうしても親には迷惑をかけたくなかった。
「あいつら…殺す…。」
俺はその日からノートにストレスを書きためることにした。それがいつしかあいつらを殺すための計画書のようなものになっていった…。
数時間後俺は家に戻るとあいつがいた。
「俺に何の用だ…」
魁斗は立ち上がり
「なぁ!あいつら(借金取)の子ども知って
るか?俺たちであいつの子ども殺そう
ぜ?」
コロス…
そんな事…俺はふと考えた…
あのノートなら…確実に殺すことができる…
だが、こいつをどうにかしねえーと…
「お邪魔しまぁーす」
彼奴は俺の部屋に入った
「おいっ勝手に入るな」
あいつは俺の『ノート』を見ていた
「おいっ!やめろっ!」
「なんだこれ…」
もぉ終わりだ…こいつを此処で仕留めるか…それとも…
いや!駄目だこいつなんかと出来るわけが!
「なぁ」
「なんだよ!書いたらいけねぇーのかよ!
俺の親父なんか…莫大な借金この家残して
母さんずっと働いてるんだっ!てめぇに
なにがわかるんだよっ!」
肩を動かし深く呼吸をした。過呼吸になりそうだったからだ。
彼奴はなにも話さなかった。
「何か、はぁっ言えよな」
こいつはゆっくり口を開けて話始めた。
「大変だったな…ごめんな」
彼奴はドアの方へ向かった。
「ま、待てよっ!」
手を掴んだ。
「バァーンっ」
彼奴は俺に拳銃のおもちゃを突き出してきた。なんのつもりだ…
「もし、俺が暗殺者だとしたら?
お前の邪魔をする邪魔者ならば?
俺がお前の助手になると言えば?」
彼奴は冷静な目でこっちを向いた。何気に殺気を感じる…俺と同じようなことが…あったのか?…
「名前は?」
睨みつけるような目で俺を見ていた。ずっと目を外さなかった。
「悟…」
「これは偽物だぜ?そんなびびんなよ笑笑」
彼奴は俺に向けた偽物の拳銃を下ろした。
「一緒にやらしてくれよ」
彼奴の目の色は本物だった。憎しみの目…俺と同じ…
「俺はさ、母さん自殺したんだ。父さんの酒
依存症とかなんとかで殴られてた。そんで
俺と妹を残して死んだ。父さんは俺に暴力
を振るうようになったんだ。俺の妹、芹那
は叔母のところに行った。だが、死んだ。
交通事故だった…。」
こいつの手は怪我が沢山あった。足にも怪我があった。傷だらけの身体だった。何をどうされたのか俺にはわからないっ…。子供の力と比べ物にならないよな。俺はいつも何処の知らねぇガキに殴られるのは本当不愉快だった。そんな俺より…。
「わかった…手伝ってくれ」
彼は満面の笑みで笑っていた。
「よろしくな!悟!」
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俺の心情がとても面白いです!あと、始まり方が個人的に好きです!続き楽しみにしてます!