読めない彼女の心情

わらび餅

文字の大きさ
上 下
10 / 37

10.不登校 後半

しおりを挟む
着くとそこは、二階建ての一軒家だった

「あら、透のお友達?」

インターホンを押すとお母さんらしき人がでてきた

「はい、クラスメイトの如月 斗真と千東 秋です
テスト結果をもってきたんですが」

会ったこともないのによくも堂々と友達と言えるとかものだ

と秋は、無表情ながらに思った

「あらあら、まあまあ
お友達が来るのなんていつぶりかしら
どうぞあがって」

そう言うとすぐに黒塗りの扉が開く

(プリントだけ渡して帰るつもりだったのですが…)

そのまま、あれよあれよと言う間に二階の透くんの部屋という扉の前まで連れていかれた

「あの子ずっと、ここから出ようとしないの
テストとかがあると仕方がなくって感じで出て来るんだけど
でも、あなた達が呼び掛ければ反応するかもしれないわ
よろしくね」

そう言うとどこかへ行ってしまった

(なにを期待しているのか知りませんが私は、彼をここから出す気などもうとうありません)

そもそも、あかの他人である彼等にそんなことできるはずもなく

「おーい、蔵木
テストの答案もってきたぞ
ここ、開けろー」

(ああ、そうでした
この人は、そういう人でしたね)

どうやら斗真は、彼をここから引きずりだす気らしい

「誰だ、あんたら」

まあ、普通そうなるだろう

唐突に知らない人間が自宅まで押しかけてきているだから

「クラスメイトになった如月 斗真と千東 秋だ
よろしくな」

「なにが、よろしくだ
僕は、ここから出るつもりはない
さっさと帰れ」

ふむ、友好的とは、言えないな
まあ、いきなり家に押しかけたのだから無理はない

「どうせ、お前ら先生に言われてきたんだろ?
それとも母さんか?
本気で話しも聞かないくせに」

どうやら今までにもこんなことがあったらしい

「そう言わずにさ
来てみたら楽しいかもだろ、学校」

まあ、先生に言われてというのは事実なのだが

「そんなわけないだろ!
クラスの奴らだって僕のことなんて望んじゃいない」

「そんなことないって
お前を想っている奴だって」

「お前に、なにがわかる
僕は、誰にも必要とされない
存在すら認識されない」

透が声を張り上げる

「僕のことなんて誰も愛さない!」

…………………

「でしたら、なぜやめないのですか?」

数秒の静寂の後、最初に口を開いた他の誰でもない秋だった


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

おむつオナニーやりかた

rtokpr
エッセイ・ノンフィクション
おむつオナニーのやりかたです

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

処理中です...