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2章

14 続・車内

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瑞穂 「・・・また明日」

教子 「はい、また明日」


生徒会のメンバー全員に感じた、人間の存在そのものへの敵意。

いや、恐怖。

ひどい仕打ちを受けたであろう過去。

5頭の獣人もののけをつなげる負の絆。


教子は調教師の能力とか恋愛感情とか関係なく、どうにかしてあげたいと、思った。

本当に心の底から、思った。



ガタン・・・・ゴトン・・・・

ガタ・・・ゴト・・・・

ガタ・・・

おっさん「ぐーーーーー、ぐーーーーー・・・」


電車が停まる。瑞穂としばしの別れ。


教子は、ほんわかした温かな気持ちと、新たに授けられた使命を胸に・・・今日一日だけでも色々あった出来事を振り返りながら、無意識に左手首のクリッカーをさすっていた。

・・・・・・・その時。


ガタンッ、プシュー。

定められた停止位置に止まるためのブレーキが少しキツめにかかって、電車が揺れた。



教子「っ!」



------------カチッ------------



瑞穂 「(ビクンッ!!!♥)」

教子 「・・・・・あ」




電車の揺れで思わずバランスを崩して、教子がクリッカーを少しつまんでしまった。




瑞穂 「(キッ!!)」

瑞穂が紅潮した顔で振り返る。

周りの乗客が、急に激しく振り向いた瑞穂のことを訝しげに見る。


教子 「すっ・・・・(スミマセン・・)」

混んでいる車内のため、教子は声を上げて謝ることができない。

教子 「わっ・・・・(ワザトジャナクテ・・)」


瑞穂 「ゴクッ・・ン・・・(フーーッ・・フーーッ・・)」




瑞穂は、口の中でツバを飲み込みながら、下腹部から徐々に体内に広がってゆくドロドロの官能の波をこらえるように、荒い息をついて「よくもやってくれたわね・・」と言いたげな顔で教子を見据える。

あくまで平静を保つために、手すりを掴む右手には凄まじいちからがかかっているらしく、真っ白だ。

・・・・・というか、なんとなく手すりが歪んでいるようにも見える。

・・・・・こわっ。




・・が、しかし。

顔を赤らめた古風な美女。

いとなまめかし。

ぐふ。


瑞穂の体格は、身長156cmの教子とほとんど変わらない。

でも、なんとなく未だ"こども体型"の教子に比べて、服の上からでもわかるような、とても女性らしい体つきをしている。

トランジスタグラマー、というヤツだろうか。

それに加えて、運動神経の良さを感じさせるキビキビとした動き。

小さくて、よくまとまったスポーツカーを思わせる。

紫苑とはまた違った方向性で、均整のとれたプロポーション。


そして、不思議な色気もある。

雰囲気はもうオトナなのに、体はまさにこれからといった感じで・・・少女と大人の境目にあるような、危うい魅力のバランスだ。


教子のオスの部分は、否が応にも反応してしまう・・・いや、私オスだったんか。








「ううっ‥‥ぐっ‥💗」

ごく軽いクリックでも瑞穂は"しびれて"しまったようだ。

自分の体内に得体のしれないモノがまだ、ゾワゾワと駆け巡っている。

全身がむず痒い。‥特に、なんだか、下の方が。

神経まで浸食されているような危険な感覚だ。

・・・・これは、本当に、スゴい。

本当に、危ない。

瑞穂はそう思った。

こんなのを何回も食らったら、自分自身どうなってしまうか、わからない。

肉体の快楽というものに対しては、自分を厳しく律することができる瑞穂であっても、あと何回かヤられたら、獣の本性を目覚めさせられて、おかしくなってしまうかもしれなかった。

こんなすごいモノ、もしあのこずえ・・・しつけられて、教え込まされたら・・・あっという間に言いなりのお猿さんにされてしまうだろう。

恐ろしい。この新入生は。本当に。






お行儀よくしてなくてはいけない混んだ電車内で、いきなり腰骨が溶けるような一撃を食らって・・・

瑞穂はドア付近の手すりに、すがるようにしがみつき、まるでポールダンサーのように体をくねらせて・・時折ビクビクと痙攣している。

超清楚なポールダンサー・・・・

ねー、せんせー見てみてー!と怪しげに腰をくねらせる優等生ポールダンサー。

エロい。エロカワだ。エロカワすぎる。

正直、たまらん。



教子のオスの部分、というよりモブエロオヤジの部分が肥大化していく。

教子 「(も、もう一回どさくさに紛れてクリックを・・せ、せめてさきっちょだけでも・・)」

いやいやイカンイカン、なに考えとるんだ私は。




さっき瑞穂とあんなに感動的にシリアスに、話したばかりなのに。

これでは、『先輩もののけガール達と新入生教子の青春ゆり物語』ではなく、

獣人もののけをひたすら快楽漬けにしてねじ伏せる『魔王・教子のケダモノ調教日誌~快楽という監獄編~』になってしまう。

もっとさわやかな、人×獣の学園友情モノにしていかなくては。

N●Kでアニメ化されるような。





教子「しっ、しーましぇ~ん・・・・」

瑞穂「ぅっ・・ぅぅっ・・・💗」

・・・瑞穂の体は、まだ言うコトを聞かない。

甘い電気がビリビリと体内に残っているようだ。





瑞穂のプリッと上がったお尻から、ピンク色のかわいらしい下着がチラっと見えた。

瑞穂は意外とミニスカ派だ。

清楚なセーラーの上着とミニスカのアンバランスさがなんだか韓流アイドルっぽい。






長い長い官能の時・・・けれど実際に計ったら、たぶん数秒の時間を瑞穂は耐え抜いて、なんとか平静を取り戻した。


プシューーーー・・・・


構内放送「お待たせしました。冥大前、冥大前に到着です・・伊野頭線にお乗り換えのお客様は・・」


電車が駅に着き、ドアが開く。





やっと身体のコントロールを取り戻した瑞穂が、切り替えるために、ふぅ!と息をついた。

再度、ちょっとキツい目つきで教子を見やる。


瑞穂 「・・・・」

教子 「サーセンした・・・・」


瑞穂の真っ白な肌に赤みがさして、首筋がとてもエロティックな色になっている。

さきほどまでの冷静な表情とうってかわって、今はアゴを突き出して、荒い息をつきながら。

アゴが上がっているため、瑞穂の教子を見る目はやや上から目線の流し目になっていて、まさに見返り美人。

日出ずる国、美しき日本、我らが大和の国ここにあり、といった風情。


・・・・・ごっつぁんです。


不可抗力とはいえ、ややラッキーだな、と教子がゴチソウサマをしようとしたとき。












おっさん「ぐーーー、ぐ・・・・・」


おっさん「・・・・・はっ!」


おっさん「アッ!アッ!おりまーーひゅ!ボク、ここでおりまーーーーーーひゅっ!!!」




教子の前で熟睡していたおっさんが、自身の降車駅に到着したことに慌てて、勢いよく立ち上がる。

・・・目の前の教子に気づかずに。



ドンッ!!!

教子 「きゃあっ!」





-----------------------カチッ------------------------







瑞穂 「ひやあああああああ!!!!!!♥♥♥♥♥♥」


ドカンッ!!!!


瑞穂が1mほどエビのように跳ねて飛び上がり、そのまま空中でガクガク痙攣してから、悶絶して倒れ込んだ。

先ほどとは比べ物にならない、下腹部に巻き起こるどうしようもないほど強烈な桃色大爆発に耐え切れずに。

・・・・・・持ち前の怪力で、周囲の乗客7,8人を吹き飛ばしながら。




瑞穂 「あっ・・・ぐっ・・・あっ・・・♥♥♥♥♥」



・・・・・・電車の床の上で瑞穂は、打ち上げられた魚のように、体を「ノ」の字に反り返らせて硬直し、口をパクパクさせて痙攣している。



周りの乗客は軒並み吹き飛ばされ、瑞穂を中心に爆心地のように広がって円を描いていた。

まるでちょうど、瑞穂がいたところに上から爆弾が降ってきたかのようである。




乗客1 「おわっ!!なんだ!?テロか!?」
乗客2 「ジョー●ーだーー!!助けてくれーーー!!」
乗客3 「女子高生が刺されたぞ!!!」
乗客4 「誰か非常ボタン!!!!」




構内放送 「エー、業務連絡、業務連絡。慶応線の車内にて、ろれつの回らない不審者が女子高生を刃物で襲撃したとのコト。係員は対応してください」




警備員1「全員出動!命を惜しむな!!」
警備員2「くそっ、お客様は俺が守る!!」
警備員3「一人も死なせるんじゃねえぞ!!」
警備員4「御用だ!御用だ!」





呆然と立ち尽くす教子のもとに、刺又さすまたとテーザー銃を構えた警備員の集団が血相を変えて飛び込んでくる。





おっさん「ボッ、ボクは何もひてない!なにもひてないぞ!弁護士べんごひを呼んへくれ!」




警備員1「しらばっくれるな!事務所まで来てもらおうか!!」
警備員2「犯人確保ーーーー!!!」
警備員3「ケガ人の収容を急げ!!」
警備員4「御用だ!御用だ!」








・・・・・・はやくおうちかえりたい。

いろいろあった、いや、ありすぎた今日という日の締めくくりに、教子は素直にそう思った。


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