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4 聖魔術師の幻影編
2-0 エルシア、厄介な研修に参加する
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「クラウド、私の護衛をしてくれるって言ってたのにな」
《仕方ないだろ、主。元気、出せよ》
私がつい愚痴をこぼすと、セラフィアスの励ますような声が耳元で聞こえた。
直前で護衛変更を命じられたクラウドは、新しく護衛対象になったフォセル嬢と後ろの車に乗っている。
専属護衛の選考会だなんだと、あれだけ大騒ぎをしておいて、あっさりと変更に同意するクラウドもクラウドだ。
「まぁ、クラウドも後輩といっしょの方が楽しいだろしね」
《それはそうとも限らないけどな》
車の窓から、外を覗く。
クラウドたちが乗った車は、私たちの後ろを走っているので、ここからは影も形も見えない。
見えないものを追い求めても仕方がない。そう思って、私は気持ちを切り替えることにしたはずなのに、悶々としたものが胸の中にわだかまっていた。
言葉の上だけでも元気を出さないと、セラフィアスが心配する。
セラフィアスへの配慮ということではないけど、意外と心配性な杖の気持ちも考えて、私は『別々で良かったこと』を思い浮かべた。
「それに、面倒くさいフェリクス副隊長が護衛じゃなくて良かったよね」
《それはまったくその通りだがな》
うん。これはその通りだ。
フェリクス副隊長、二十四時間、私に張り付くつもりでいたようだし。そんなことされたら、ストレスで死ぬ。
ようやく、ホッとした気分になってきた私に、セラフィアスは不安な言葉を投げかけた。
《それより、自分の心配をした方がいいぞ、主》
セラフィアスの口調はとても真剣なものだった。
そもそも、なんで私の専属護衛が第三騎士団のクラウドとフェリクス副隊長ではなくなったのか。
事の始まりは、私が集合場所へたどり着いたときまで遡る。
「お待たせしました」
私が集合場所にたどり着いたときには、大方のメンバーは集まっていた。
使節団の副団長、グリプス伯に挨拶をして、見知った顔のそばまで行くと、向こうから声をかけられる。
「エルシア、一人で来たのか?」
「え? 普通、官舎から職場までは個人行動だよね?」
「いや、それはそうだけど」
そんなに私の早起きを信用できないなら、クラウドが官舎まで迎えにきてくれれば良かったのに。
私が口を開こうとしたその瞬間、大きなどよめきが起こった。
王族が到着したようだ。
事前情報では、使節団のトップは第三王子殿下で、見送り側のトップは王太子殿下だという話だったので、おそらくこの二人がやってきたのだろう。
私は興味もないので、おとなしく、クラウドの陰に隠れるようにして出発を待つ。
「揃ったようだね」
誰かの声に続き、グリプス伯の声が辺りに響いた。
「大型車二台に分乗していきます。先頭車にはカエルレウス嬢、アクァラ嬢、ルベラス嬢。そして、私とルベラス嬢の専属護衛が乗りますので」
大型車とは、成人男性が十人くらい乗れる仕様の乗り物だ。
ただの馬ではなく、魔獣の血を引く大型の軍馬を使う。
三台用意されてるところを見ると、二台は人用、一台は荷物運搬用か。
「後続車には王子殿下、セイクリウス嬢、フォセル嬢。近衛とフォセル嬢の専属護衛に乗っていただきます」
「じゃあ、私は前か」
「良かった良かった。エルシアといっしょで。ぼっちになったら、どーしようかと思ってたわ。リンクス隊長とは仲良くしたくなかったからー」
おい、と怒鳴る第二騎士団のリンクス隊長の声とげんこつをさっとかわして、私の隣に駆け寄るリュリュ先輩。
「リュリュ先輩、よろしくお願いします」
「エルシア、敬語やめてー 先輩付けもやめてーいらないからー エルシアに敬語使われると寿命が縮むのよー リアルにー」
「それじゃあ、リュリュ先輩、よろしく」
「うん、まぁ、そのくらいなら。寿命縮まないかー」
リュリュ先輩は私が気さくに接しられるよう、いつも、突拍子もない理由を準備してくれていた。
私と会話しただけで寿命なんて縮まるわけないのに。あまりにもおかしな理由にふふっと笑って、今度は別の女性にも挨拶をする。
「ソニアも、よろしく」
「エルシアもリュリュ先輩も、相変わらずですわね」
「ソニアってば相変わらず、イイコブリッコよねー さっさと本性、現せばいいのにー」
「はぁぁあ?」
「それそれー、それがソニアよー」
私の時と同様、リュリュ先輩はソニアからも気さくな態度をあっという間に引き出す。
凄いなリュリュ先輩。
ソニアとリュリュ先輩のやり取りをほのぼのとした気分で眺めながら、私は車へ乗ろうと、段差に足をかけた。
ここで予想外の事態が起きる。
「あ、君たちは後続車にお願いします」
私の後についてきていたクラウドとフェリクス副隊長が、大型車の警備担当に乗車を止められたのだ。
「はい? 俺たちは第三騎士団所属で、ルベラス嬢の専属護衛なんですが」
「あ、それなんですけれどね」
警備の騎士はこのタイミングで予想だにしない話を切り出した。
「君たちには、今回、フォセル嬢の専属護衛をお願いしたいんです」
「なんですか、それ。同じ騎士団から護衛を出すのが慣例ですよね?」
降ってわいた突然の話に食ってかかるクラウド。
でもまぁ、フォセル嬢の護衛ならむしろ嬉しいんじゃないの?
私の心の隅から、もやもやする気持ちが顔を出した。
「フォセル嬢は研修生なので、所属がありません。第三騎士団配属を希望されているので、ちょうどいいかと思いまして」
「ちょっと待ってください。なら、第三騎士団の魔術師、ルベラス嬢の護衛がいなくなるじゃないですか!」
警備の騎士の勝手な理屈に、フェリクス副隊長まで食ってかかり始める。
車の段差に足をかけたまま、乗るに乗れずにいる私。
車から少し離れたところには、リュリュ先輩とソニアがいて、様子を窺っていた。
「エルシア、あいつらよりふつーに強いけどなー あいつらバカじゃないかなー 自分の弱さをもっと自覚しろっつーの」
「激しく同意しますが、専属護衛がいないのはいかがなものでしょう」
二人の会話を耳にしつつ、私は成り行きを見守る。
食ってかかられた騎士の方は特段、慌てもせずに、予想外の言葉を口にした。
「ルベラス嬢なら、別の専属護衛を用意しましたので問題ありませんよ」
別の専属護衛?
「「えっ?!」」
私とクラウドとフェリクス副隊長の口から、同じ言葉が漏れる。
「どうして、エルシアまで知らないのでしょうか?」
ソニアの呆れた声。
いやそれは私が言いたい。どうして、私の専属護衛の話を私が知らないのよ?
「エルシアだからじゃない?」
続いて、リュリュ先輩のあっけらかんとした声。
それ、どういう理由?!
突然の話に、警備の騎士につかみかかろうとするクラウドたちより先に、私は喋った。
「まぁ、上からの指示だっていうなら、仕方ないね」
私の言葉を聞いて、押し止まるクラウドとフェリクス副隊長。今ここで騒ぎを起こしたら、専属護衛交代どころではない。専属護衛を降板させられる。
私の意図が伝わったようで、仕方ないかとおとなしくなる二人。
違う車に乗車となる前に、二人と軽く話をして、いったん分かれることとなった。
はぁ、やれやれ。
出かける前から、聞いてない話続きでは、先が思いやられる。
「エルシア、だいぶ物分かりがよくなりましたわね」
先に車に乗った私に対して、後から乗ってきたソニアが感心したように声をかけてきた。
「気に入らない護衛だったら、殴って、交代させるだけだし」
「エルシア、その辺、ぜんぜん変わってないよねー」
リュリュ先輩も乗ってくる。リンクス隊長も同乗するようで、嫌そうな顔をしてるけど。
最後に、グリプス伯と大柄な騎士二人が乗って乗車完了。
グリプス伯とソニア、リュリュ先輩とリンクス隊長、そして、私と騎士二人が並んで座って出発を待つ。
迷うことなく私の隣に座るところからして、この騎士二人が私の専属護衛なのは間違いなかった。
間違いないどころか、どう間違えても私の専属護衛だ。私はため息をつく。
黒い騎士服には見慣れた家門の紋章。
現れた二人は私の良く知る人物だった。
《仕方ないだろ、主。元気、出せよ》
私がつい愚痴をこぼすと、セラフィアスの励ますような声が耳元で聞こえた。
直前で護衛変更を命じられたクラウドは、新しく護衛対象になったフォセル嬢と後ろの車に乗っている。
専属護衛の選考会だなんだと、あれだけ大騒ぎをしておいて、あっさりと変更に同意するクラウドもクラウドだ。
「まぁ、クラウドも後輩といっしょの方が楽しいだろしね」
《それはそうとも限らないけどな》
車の窓から、外を覗く。
クラウドたちが乗った車は、私たちの後ろを走っているので、ここからは影も形も見えない。
見えないものを追い求めても仕方がない。そう思って、私は気持ちを切り替えることにしたはずなのに、悶々としたものが胸の中にわだかまっていた。
言葉の上だけでも元気を出さないと、セラフィアスが心配する。
セラフィアスへの配慮ということではないけど、意外と心配性な杖の気持ちも考えて、私は『別々で良かったこと』を思い浮かべた。
「それに、面倒くさいフェリクス副隊長が護衛じゃなくて良かったよね」
《それはまったくその通りだがな》
うん。これはその通りだ。
フェリクス副隊長、二十四時間、私に張り付くつもりでいたようだし。そんなことされたら、ストレスで死ぬ。
ようやく、ホッとした気分になってきた私に、セラフィアスは不安な言葉を投げかけた。
《それより、自分の心配をした方がいいぞ、主》
セラフィアスの口調はとても真剣なものだった。
そもそも、なんで私の専属護衛が第三騎士団のクラウドとフェリクス副隊長ではなくなったのか。
事の始まりは、私が集合場所へたどり着いたときまで遡る。
「お待たせしました」
私が集合場所にたどり着いたときには、大方のメンバーは集まっていた。
使節団の副団長、グリプス伯に挨拶をして、見知った顔のそばまで行くと、向こうから声をかけられる。
「エルシア、一人で来たのか?」
「え? 普通、官舎から職場までは個人行動だよね?」
「いや、それはそうだけど」
そんなに私の早起きを信用できないなら、クラウドが官舎まで迎えにきてくれれば良かったのに。
私が口を開こうとしたその瞬間、大きなどよめきが起こった。
王族が到着したようだ。
事前情報では、使節団のトップは第三王子殿下で、見送り側のトップは王太子殿下だという話だったので、おそらくこの二人がやってきたのだろう。
私は興味もないので、おとなしく、クラウドの陰に隠れるようにして出発を待つ。
「揃ったようだね」
誰かの声に続き、グリプス伯の声が辺りに響いた。
「大型車二台に分乗していきます。先頭車にはカエルレウス嬢、アクァラ嬢、ルベラス嬢。そして、私とルベラス嬢の専属護衛が乗りますので」
大型車とは、成人男性が十人くらい乗れる仕様の乗り物だ。
ただの馬ではなく、魔獣の血を引く大型の軍馬を使う。
三台用意されてるところを見ると、二台は人用、一台は荷物運搬用か。
「後続車には王子殿下、セイクリウス嬢、フォセル嬢。近衛とフォセル嬢の専属護衛に乗っていただきます」
「じゃあ、私は前か」
「良かった良かった。エルシアといっしょで。ぼっちになったら、どーしようかと思ってたわ。リンクス隊長とは仲良くしたくなかったからー」
おい、と怒鳴る第二騎士団のリンクス隊長の声とげんこつをさっとかわして、私の隣に駆け寄るリュリュ先輩。
「リュリュ先輩、よろしくお願いします」
「エルシア、敬語やめてー 先輩付けもやめてーいらないからー エルシアに敬語使われると寿命が縮むのよー リアルにー」
「それじゃあ、リュリュ先輩、よろしく」
「うん、まぁ、そのくらいなら。寿命縮まないかー」
リュリュ先輩は私が気さくに接しられるよう、いつも、突拍子もない理由を準備してくれていた。
私と会話しただけで寿命なんて縮まるわけないのに。あまりにもおかしな理由にふふっと笑って、今度は別の女性にも挨拶をする。
「ソニアも、よろしく」
「エルシアもリュリュ先輩も、相変わらずですわね」
「ソニアってば相変わらず、イイコブリッコよねー さっさと本性、現せばいいのにー」
「はぁぁあ?」
「それそれー、それがソニアよー」
私の時と同様、リュリュ先輩はソニアからも気さくな態度をあっという間に引き出す。
凄いなリュリュ先輩。
ソニアとリュリュ先輩のやり取りをほのぼのとした気分で眺めながら、私は車へ乗ろうと、段差に足をかけた。
ここで予想外の事態が起きる。
「あ、君たちは後続車にお願いします」
私の後についてきていたクラウドとフェリクス副隊長が、大型車の警備担当に乗車を止められたのだ。
「はい? 俺たちは第三騎士団所属で、ルベラス嬢の専属護衛なんですが」
「あ、それなんですけれどね」
警備の騎士はこのタイミングで予想だにしない話を切り出した。
「君たちには、今回、フォセル嬢の専属護衛をお願いしたいんです」
「なんですか、それ。同じ騎士団から護衛を出すのが慣例ですよね?」
降ってわいた突然の話に食ってかかるクラウド。
でもまぁ、フォセル嬢の護衛ならむしろ嬉しいんじゃないの?
私の心の隅から、もやもやする気持ちが顔を出した。
「フォセル嬢は研修生なので、所属がありません。第三騎士団配属を希望されているので、ちょうどいいかと思いまして」
「ちょっと待ってください。なら、第三騎士団の魔術師、ルベラス嬢の護衛がいなくなるじゃないですか!」
警備の騎士の勝手な理屈に、フェリクス副隊長まで食ってかかり始める。
車の段差に足をかけたまま、乗るに乗れずにいる私。
車から少し離れたところには、リュリュ先輩とソニアがいて、様子を窺っていた。
「エルシア、あいつらよりふつーに強いけどなー あいつらバカじゃないかなー 自分の弱さをもっと自覚しろっつーの」
「激しく同意しますが、専属護衛がいないのはいかがなものでしょう」
二人の会話を耳にしつつ、私は成り行きを見守る。
食ってかかられた騎士の方は特段、慌てもせずに、予想外の言葉を口にした。
「ルベラス嬢なら、別の専属護衛を用意しましたので問題ありませんよ」
別の専属護衛?
「「えっ?!」」
私とクラウドとフェリクス副隊長の口から、同じ言葉が漏れる。
「どうして、エルシアまで知らないのでしょうか?」
ソニアの呆れた声。
いやそれは私が言いたい。どうして、私の専属護衛の話を私が知らないのよ?
「エルシアだからじゃない?」
続いて、リュリュ先輩のあっけらかんとした声。
それ、どういう理由?!
突然の話に、警備の騎士につかみかかろうとするクラウドたちより先に、私は喋った。
「まぁ、上からの指示だっていうなら、仕方ないね」
私の言葉を聞いて、押し止まるクラウドとフェリクス副隊長。今ここで騒ぎを起こしたら、専属護衛交代どころではない。専属護衛を降板させられる。
私の意図が伝わったようで、仕方ないかとおとなしくなる二人。
違う車に乗車となる前に、二人と軽く話をして、いったん分かれることとなった。
はぁ、やれやれ。
出かける前から、聞いてない話続きでは、先が思いやられる。
「エルシア、だいぶ物分かりがよくなりましたわね」
先に車に乗った私に対して、後から乗ってきたソニアが感心したように声をかけてきた。
「気に入らない護衛だったら、殴って、交代させるだけだし」
「エルシア、その辺、ぜんぜん変わってないよねー」
リュリュ先輩も乗ってくる。リンクス隊長も同乗するようで、嫌そうな顔をしてるけど。
最後に、グリプス伯と大柄な騎士二人が乗って乗車完了。
グリプス伯とソニア、リュリュ先輩とリンクス隊長、そして、私と騎士二人が並んで座って出発を待つ。
迷うことなく私の隣に座るところからして、この騎士二人が私の専属護衛なのは間違いなかった。
間違いないどころか、どう間違えても私の専属護衛だ。私はため息をつく。
黒い騎士服には見慣れた家門の紋章。
現れた二人は私の良く知る人物だった。
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