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3 王子殿下の魔剣編
6-1 その後
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書類整理にも飽きてきたころ、クストス隊長がお茶と茶菓子を準備し始めた。少し休憩を取ろうということだろう。
クストス隊長の茶菓子は相変わらずのフルヌビ。チラッと見えたタルトは、元祖タルトではなく真正タルトの方だった。
「ところで、あの伝説の魔剣てのはなんだったんだ?」
準備しながらクストス隊長は、ボソッとつぶやく。誰ともなしに。
「第二王子殿下をはじめ、貴族令息たちがこぞって探してたって噂ですよね」
クラウドがクストス隊長の話を受けた。私は聞いているだけ。口ではなく手を動かさないと書類が減らない。
「そうそう。俺たちには関係ない話だが、あれ、けっきょくどうなったんだ?」
クストス隊長はお茶を注いだカップを持って、ローテーブルに並べ始めた。
「祝勝パーティーで、第二王子殿下とアルゲン大公子が魔剣持ちになったと公表されたじゃないですか」
そう答えるのはクラウド。
だがしかし。
祝勝パーティーのときに公表された話は、伝説の魔剣の話を誤魔化すため。ついでにカス王子とカス大公子の不祥事を良い方向にまるめようとするためのものだった。事情を分かってる人は分かってる。
「それはそうだが。騒がれていた魔剣を得たなら、『噂になってた魔剣』だとか『伝説の魔剣』だとか、しっかり盛るだろ」
「あ」
クストス隊長、意外と鋭い。クラウドが動きを止める。
「な? なのに普通に『魔剣』だ。アルゲン大公夫妻だって、息子が魔剣持ちになった凄い!しか言わなかっただろ?」
「そういえば、そうですね」
まぁ、あの魔剣の公表自体、少し不自然だったもんね。クストス隊長のように事情をさっぱり分かってない人も、薄々、感づいたことだろう。
だからといって、調べ始められても困るので、当たり障りのない部分を少しだけ話す。
「え? 伝説の魔剣ですか? ちゃんといましたよ?」
「なんだ、ちゃんといたのか」
私の話に少しホッとしたようなクストス隊長。
茶菓子もローテーブルに並べて、休憩の準備が完了した。
「て、待て。伝説の魔剣がいた?!」
ガバッと私を振り向く。
私もクラウドも、お茶の準備が出来たので、ローテーブルの方へ移動していたところ。突然の反応にちょっと驚く。
「エルシア。伝説の魔剣がいたっておかしくないか? 伝説の魔剣があっただろ?」
「待て待て。クラウド、突っ込むのはそこか? エルシア、伝説の魔剣がいたとはどういうことだ? 見つけたのか?」
どうでもいいことを突っ込みあいながら、ソファーに座る二人。私も続いてソファーに座りこんだ。
「えー、剣精の方に会ったんで。私、剣の姿は見てないんです」
「伝説の魔剣に会ったのか」
「まぁ、いちおう」
カップに手を伸ばす。
「それで? 伝説の魔剣はどうなったんだ?」
「まだ王都にいますよ」
タルトにも手を伸ばす。
王都というか、私の官舎にいるんだけどね。保護者が。
保護者がいるから、保護者の剣になったテンペスタスもいるんだけど。うーん。
私は足元を見ながら、ちょっと躊躇する。
「まだ王都にいるんだ」
「なら探せば会えるのか」
私の躊躇にも気づかず、二人は意外と前のめりに聞いてきた。
「え? 会いたいんですか?」
あの保護者に?
「「そりぁ」」
「会わない方がいいと思いますよ」
ピシャリと私は遮った。
クストス隊長もクラウドも、カップを運ぶ手を止める。
「そんなにヤバいヤツなのか?」
「ヤバいというか、クストス隊長では太刀打ち出来ないと思いますが」
私の保護者に。物理的にも魔力的にも。
「まだ主が見つかってなければ、」
すでに私の保護者が主だけど。
「俺たちにもチャンスがありますかね」
ないって。
クラウドの期待するような言葉を私は心の中で否定した。
クラウドに尋ねられたクストス隊長はというと、意外な答えを口にする。
「ないな」
私と同じく否定の言葉。表情からして完全否定だ。
「ないですか」
「チャンスがあるなら、向こうの方から現れてる。お前だって、力のある魔剣の特性は習ってるだろ」
クストス隊長がタルトを一口、パクッと食べて、当たり前のことを当然のように喋った。
魔剣や杖は自ら主を探す。
貴族令息たちも知らないはずはない。
お告げを受けたせいで、もしかして自分が選ばれたと勘違いしてしまったんだろうな。
「まぁ、俺もいちおう、フェルムですからね」
いきなり『フェルム』の名を出すクラウドに、私は何のことかと首を傾げた。
すかさず、クストス隊長がフォローする。
「フェルムの当主には、力のある魔剣が受け継がれてるんだよ」
「へー、そうなんだ」
「だから、ヴァンフェルム団長もヴェルフェルム団長も、その魔剣に認められるよう頑張っているってわけさ」
「へー、なるほど」
実は、私、他人の剣や杖にはあまり興味がない。だって、自分の杖をよく知っていれば良いかと思って。
けれども、最近、というか第三騎士団で働くようになってから、ある程度の知識はあった方がいいかもしれないと思うようになった。
世の中、三聖五強以外にも、たくさんの杖や剣がいるのだから。
もちろん、有名な杖や剣や魔導具については勉強したけど。きっと、それだけではないはずだし。
クストス隊長の話を引き継いで、今度はクラウドが喋りだす。
「なんだ、エルシアは知らないのか? うちだけでなく、家門とか一族で名を持つ魔剣や魔導具を有しているところは他にもあるぞ?」
「有名なのは新リテラ王国の『金冠』だな。あそこの将軍家だか宰相家だかが持ってるんじゃなかったか?」
「へー、そうなんですね。他国情勢、興味ないんで」
リテラ王国の『金冠』の話は確かお母さまから聞いたことがあったけど、私は知らない振りを続ける。
思い出したくもない昔の話だった。
「だろうな。ところで、エルシア」
「なんでしょう?」
クストス隊長がパクパク食べる手を止めて、私を見る。
いや、正確にはクストス隊長の視線は私の隣を見ていた。
「その灰色の犬は、いつまでお前のところにいるんだ?」
「今日一日だけですよ。保護者から頼まれたので」
うん、そう。そうなんだよね。
灰色の犬、のように見えて実は銀狼型の剣精、テンペスタスは私のそばに控えていたのだ。
さきほど私が躊躇したのはこれが理由。
伝説の魔剣、そばにいるし。
私の膝の上ではなく、足元に伏せって控えているのは保護者からの指示だった。
《ここじゃないと主に消されるから。リアルに》
とテンペスタスがぼやいているけど、本当にそういう理由らしい。
それならそばに控えさせなければいいのに、と思うんだけど。フェルムを私に寄せ付けないための護衛なんだそう。
私もフェルムに絡まれるのは嫌なので、テンペスタスが護衛についてくれるのはありがたい話だった。
それから、話の中心はテンペスタスになるのかと思いきや、「確かに許可が出ているんだよな」だけで、テンペスタスのことは終わり次の話題に移る。
「しかし、団長からも規格外とか言われてたけど、エルシアの保護者って何者だよ」
「だから、団長か、アルバヴェスペルのおっさん辺りに聞けば分かりますって」
「そういうクラウドも、聞いてないじゃないか」
「いやまぁ、そうなんですけど」
私はタルトをパクつきながら、二人の話を窺う。
書類は溜まりに溜まっているけど、このまったりとした雰囲気の中での仕事は悪くない。
ある程度、私の事情も分かっていて、気心も知れた仲。美味しいお茶とお菓子にありつける職場。
私はすべてに満足しながら、カップのお茶を啜るのだった。嵐が迫っていることにも気がつかずに。
クストス隊長の茶菓子は相変わらずのフルヌビ。チラッと見えたタルトは、元祖タルトではなく真正タルトの方だった。
「ところで、あの伝説の魔剣てのはなんだったんだ?」
準備しながらクストス隊長は、ボソッとつぶやく。誰ともなしに。
「第二王子殿下をはじめ、貴族令息たちがこぞって探してたって噂ですよね」
クラウドがクストス隊長の話を受けた。私は聞いているだけ。口ではなく手を動かさないと書類が減らない。
「そうそう。俺たちには関係ない話だが、あれ、けっきょくどうなったんだ?」
クストス隊長はお茶を注いだカップを持って、ローテーブルに並べ始めた。
「祝勝パーティーで、第二王子殿下とアルゲン大公子が魔剣持ちになったと公表されたじゃないですか」
そう答えるのはクラウド。
だがしかし。
祝勝パーティーのときに公表された話は、伝説の魔剣の話を誤魔化すため。ついでにカス王子とカス大公子の不祥事を良い方向にまるめようとするためのものだった。事情を分かってる人は分かってる。
「それはそうだが。騒がれていた魔剣を得たなら、『噂になってた魔剣』だとか『伝説の魔剣』だとか、しっかり盛るだろ」
「あ」
クストス隊長、意外と鋭い。クラウドが動きを止める。
「な? なのに普通に『魔剣』だ。アルゲン大公夫妻だって、息子が魔剣持ちになった凄い!しか言わなかっただろ?」
「そういえば、そうですね」
まぁ、あの魔剣の公表自体、少し不自然だったもんね。クストス隊長のように事情をさっぱり分かってない人も、薄々、感づいたことだろう。
だからといって、調べ始められても困るので、当たり障りのない部分を少しだけ話す。
「え? 伝説の魔剣ですか? ちゃんといましたよ?」
「なんだ、ちゃんといたのか」
私の話に少しホッとしたようなクストス隊長。
茶菓子もローテーブルに並べて、休憩の準備が完了した。
「て、待て。伝説の魔剣がいた?!」
ガバッと私を振り向く。
私もクラウドも、お茶の準備が出来たので、ローテーブルの方へ移動していたところ。突然の反応にちょっと驚く。
「エルシア。伝説の魔剣がいたっておかしくないか? 伝説の魔剣があっただろ?」
「待て待て。クラウド、突っ込むのはそこか? エルシア、伝説の魔剣がいたとはどういうことだ? 見つけたのか?」
どうでもいいことを突っ込みあいながら、ソファーに座る二人。私も続いてソファーに座りこんだ。
「えー、剣精の方に会ったんで。私、剣の姿は見てないんです」
「伝説の魔剣に会ったのか」
「まぁ、いちおう」
カップに手を伸ばす。
「それで? 伝説の魔剣はどうなったんだ?」
「まだ王都にいますよ」
タルトにも手を伸ばす。
王都というか、私の官舎にいるんだけどね。保護者が。
保護者がいるから、保護者の剣になったテンペスタスもいるんだけど。うーん。
私は足元を見ながら、ちょっと躊躇する。
「まだ王都にいるんだ」
「なら探せば会えるのか」
私の躊躇にも気づかず、二人は意外と前のめりに聞いてきた。
「え? 会いたいんですか?」
あの保護者に?
「「そりぁ」」
「会わない方がいいと思いますよ」
ピシャリと私は遮った。
クストス隊長もクラウドも、カップを運ぶ手を止める。
「そんなにヤバいヤツなのか?」
「ヤバいというか、クストス隊長では太刀打ち出来ないと思いますが」
私の保護者に。物理的にも魔力的にも。
「まだ主が見つかってなければ、」
すでに私の保護者が主だけど。
「俺たちにもチャンスがありますかね」
ないって。
クラウドの期待するような言葉を私は心の中で否定した。
クラウドに尋ねられたクストス隊長はというと、意外な答えを口にする。
「ないな」
私と同じく否定の言葉。表情からして完全否定だ。
「ないですか」
「チャンスがあるなら、向こうの方から現れてる。お前だって、力のある魔剣の特性は習ってるだろ」
クストス隊長がタルトを一口、パクッと食べて、当たり前のことを当然のように喋った。
魔剣や杖は自ら主を探す。
貴族令息たちも知らないはずはない。
お告げを受けたせいで、もしかして自分が選ばれたと勘違いしてしまったんだろうな。
「まぁ、俺もいちおう、フェルムですからね」
いきなり『フェルム』の名を出すクラウドに、私は何のことかと首を傾げた。
すかさず、クストス隊長がフォローする。
「フェルムの当主には、力のある魔剣が受け継がれてるんだよ」
「へー、そうなんだ」
「だから、ヴァンフェルム団長もヴェルフェルム団長も、その魔剣に認められるよう頑張っているってわけさ」
「へー、なるほど」
実は、私、他人の剣や杖にはあまり興味がない。だって、自分の杖をよく知っていれば良いかと思って。
けれども、最近、というか第三騎士団で働くようになってから、ある程度の知識はあった方がいいかもしれないと思うようになった。
世の中、三聖五強以外にも、たくさんの杖や剣がいるのだから。
もちろん、有名な杖や剣や魔導具については勉強したけど。きっと、それだけではないはずだし。
クストス隊長の話を引き継いで、今度はクラウドが喋りだす。
「なんだ、エルシアは知らないのか? うちだけでなく、家門とか一族で名を持つ魔剣や魔導具を有しているところは他にもあるぞ?」
「有名なのは新リテラ王国の『金冠』だな。あそこの将軍家だか宰相家だかが持ってるんじゃなかったか?」
「へー、そうなんですね。他国情勢、興味ないんで」
リテラ王国の『金冠』の話は確かお母さまから聞いたことがあったけど、私は知らない振りを続ける。
思い出したくもない昔の話だった。
「だろうな。ところで、エルシア」
「なんでしょう?」
クストス隊長がパクパク食べる手を止めて、私を見る。
いや、正確にはクストス隊長の視線は私の隣を見ていた。
「その灰色の犬は、いつまでお前のところにいるんだ?」
「今日一日だけですよ。保護者から頼まれたので」
うん、そう。そうなんだよね。
灰色の犬、のように見えて実は銀狼型の剣精、テンペスタスは私のそばに控えていたのだ。
さきほど私が躊躇したのはこれが理由。
伝説の魔剣、そばにいるし。
私の膝の上ではなく、足元に伏せって控えているのは保護者からの指示だった。
《ここじゃないと主に消されるから。リアルに》
とテンペスタスがぼやいているけど、本当にそういう理由らしい。
それならそばに控えさせなければいいのに、と思うんだけど。フェルムを私に寄せ付けないための護衛なんだそう。
私もフェルムに絡まれるのは嫌なので、テンペスタスが護衛についてくれるのはありがたい話だった。
それから、話の中心はテンペスタスになるのかと思いきや、「確かに許可が出ているんだよな」だけで、テンペスタスのことは終わり次の話題に移る。
「しかし、団長からも規格外とか言われてたけど、エルシアの保護者って何者だよ」
「だから、団長か、アルバヴェスペルのおっさん辺りに聞けば分かりますって」
「そういうクラウドも、聞いてないじゃないか」
「いやまぁ、そうなんですけど」
私はタルトをパクつきながら、二人の話を窺う。
書類は溜まりに溜まっているけど、このまったりとした雰囲気の中での仕事は悪くない。
ある程度、私の事情も分かっていて、気心も知れた仲。美味しいお茶とお菓子にありつける職場。
私はすべてに満足しながら、カップのお茶を啜るのだった。嵐が迫っていることにも気がつかずに。
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