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2 暗黒騎士と鍵穴編
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「という逸話があるそうだ」
私は同僚のクラウドの言葉で、はっと我に返った。
「え? どんな逸話?」
私の名前はエルシア・ルベラス。
王宮魔術師団の筆頭魔術師でクズな父親と公爵令嬢だった母親との間に生まれ、五歳で黒髪金眼となり、七歳でクズな父親から魔塔に捨てられ平民の孤児となり。
それでも、私は図太く生き抜いた。
今、十六歳の私は、グラディア王国王都騎士団の魔術師として働いている。
黒髪は魔術師になれない、黒髪の魔術師は落ちこぼれだ、みたいなことをさんざん言われたわりには、私は立派に魔術師となった。
しかも、学院の魔術師コースでは成績優秀で主席。自分で言うのもなんだけど、魔術師としてはとても優秀だったのだ。
まぁ、座学はクズ男の早期英才教育のおかげ、実技は私の相棒による容赦ない指導と過酷な鍛錬のおかげ。どちらにしろ、私は頑張った。自分に負けることなく。
誰だよ。黒髪の魔術師はダメだって言ったヤツ。
まとめて殴ってやりたい気分だ。実際に殴ったら反省文行きになるので、やらないけど。
そして、私は第三騎士団の第五隊配属の新人魔術師になった。
クラウドは同じく第五隊の新人騎士。
フルネームはクラウド・ヴェルフェルム。騎士家系として有名なフェルム一族出身の騎士だ。
赤みがかった茶髪に赤眼、長身で筋肉質、人当たりもよくて要領もいい。そして顔がいい。
となると女子に人気なんだろう、と思っていたのに。
楽観的で軽そうに見える性格が災いしたのか、お姉さんが二人いる影響でちょっと口うるさいのがダメだったのか、あまり女子受けしない残念なヤツなことが判明。
そして、私とクラウドは新人同士なはずなのに、なぜか、クラウドの方が先輩面をするし、私の世話係や見張り番のようなこともやっている。同期なのに解せぬ。
まぁ、そんな間柄な事もあって、最近の私はクラウドといっしょにお昼を食べている。
今日もいっしょにお昼を食べていて、お互いの直属の上司であるクストス隊長の差し入れのお菓子の話から、お菓子のお店の話になり、お店の魔導オーブンの話にまでなった。
お菓子といえば小さい頃に食べたよな、と昔の記憶を探っていたので、途中のクラウドの話は、ぜんぜん聞いてなかったけど。
一瞬のことだから、どうせ、クラウドも気にしないだろうと思っていたのに、クラウドは意外と心が狭かった。
「お前。肝心なところをよく聞いてないよな」
口まで尖らせている。成人男子が拗ねてもかわいくない。拗ねていいのは十三歳までだ。
「それで、どんな逸話?」
私がクラウドの拗ね顔を無視して強く詰め寄ると、今度はつまらなさそうな顔をする。
「あぁ。筆頭殿が愛する奥さんのために、オーブンを魔導具で作ったって話だよ」
返ってきた答えもつまらないものだった。
だって、その奥さんから直接、話を聞いてるからね、私。
「へー」
思わず、表情が消える。
普段、私はなるべく笑顔を見せず、淡々とした表情になるよう努力しているつもりだった。
ところが意外と表情に出ていたようで、それならと、淡々とした表情を取り繕うのはやめていた。
そんな私だけれど、今回ばかりは顔から感情が消え失せていたと思う。
「筆頭殿の奥さん、ここのタルトが大好きで。でも当時は普通の火のオーブンしかなかったものだから火加減が難しくて、作れる数が少なかったんだと」
私の様子に気づくこともなく、クラウドは喋る。
「そこで筆頭殿は考えたんだよ。オーブンを魔導具にすれば、火加減も調節しやすいんじゃないかと」
「あー、なるほど」
自分でもどこから声が出ているのかが分からないくらい、他人のような声が響いた。
「こうして出来たのが魔導オーブンなんだよ。今では改良も進んでいるけど、フルヌビが第一号の魔導オーブンを提供されたんだそうだ」
「へー。そんな昔からフルヌビのタルトは人気があるんだ」
「王都にしか店舗がないけど、老舗だぞ、ここ。筆頭殿の奥さんも結婚前から、ここのタルトがお気に入りだったんだって。
じゃなくて。今の話を聞いて、凄いと思うのはそこか?」
「そうか。だから、懐かしい味なんだ、ここのタルト」
五歳の私も、その後の私も、何度か食べたタルト。
それが今も食べてるフルヌビのタルトだとは思わなかった。
クストス隊長から差し入れをもらう度に、食べた覚えがある味だなぁと思っていたんだ。
教えてくれて、ありがとう、クラウド。
「お前、いろいろ聞いてないだろ。まぁ、今に始まった話じゃないか。
それより。エルシアは魔術師だから、魔導具の話は学院の講義であっただろ?」
「うーん? あったっけ? クズが出てくる話は耳に入ってこなかったから」
「お前、本当に筆頭殿のこと、嫌ってるよな。
確かに、いろいろとムチャクチャな人だけど、美味しいタルトが食えるのは筆頭殿のおかげなんだから。少しは感謝しろ、感謝」
「はーい。感謝感謝」
まぁ、邪な動機はともかく、魔導オーブンの開発には感謝してあげようじゃないの。
クズだけど魔導師としての実力はそこそこあるからね、あいつ。
「心、こもってないなー」
まぁ、当然。心なんてこもらないよね。
私とは逆に、クラウドは筆頭殿が大好きで、さきほどまでつまらなさそうだったのが楽しそうな表情に変わっている。
筆頭殿とは、王宮魔術師団の筆頭魔術師殿のことで、私の実の父親のクズ男であり、クラウドの大好きな『運命の恋』の主人公。
小説化されている『運命の恋』は、クズ男と私の母親との間にあった実際の出来事を、もの凄く美化して、私みたいな余計なものを切り捨てて作られた、みんなの憧れのお話だ。
うん、興味ない。まったくもって興味ない。
私の興味のなさに呆れたのか、クラウドは私の頭をシャカシャカと撫で回す。
髪は乱れるし、頭を揺らされて気持ちは悪くなるし、これは新手の嫌がらせだな。
「あのね、クラウド。他人の頭を気安く触らないでくれる?」
嫌がらせには断固として抗議すべし。
「と言い返すようにと、他のヤツから言われたんだろ。クストス隊長あたりか?」
ゴホゴホ
「なんで知ってるの?!」
ズバリと当てられてひるむ私に、余裕そうな表情に変わるクラウド。
「エルシアにそういう注意をするヤツって、そう多くはないだろ?」
「え、そうなの?」
そう言われてみれば、第三騎士団で細かく口うるさく注意してくるのは、クストス隊長とクラウドだけだった。
基本、ヴァンフェルム団長はおっとり口調だし、魔術師長のパシアヌスは細かくない。
ユリンナ先輩はどちらかというと煽っておもしろがっているし、関わりのある他の隊長たちも基本、放任主義だ。
「クストス隊長は、意外と細かいところにうるさいからな」
そう言って、クラウドは席を立つ。
「そろそろ動かないと、午後の仕事に遅れるぞ」
「うん、分かった」
私も続いて席を立ち、クラウドの後を追いかけたのだった。
私は同僚のクラウドの言葉で、はっと我に返った。
「え? どんな逸話?」
私の名前はエルシア・ルベラス。
王宮魔術師団の筆頭魔術師でクズな父親と公爵令嬢だった母親との間に生まれ、五歳で黒髪金眼となり、七歳でクズな父親から魔塔に捨てられ平民の孤児となり。
それでも、私は図太く生き抜いた。
今、十六歳の私は、グラディア王国王都騎士団の魔術師として働いている。
黒髪は魔術師になれない、黒髪の魔術師は落ちこぼれだ、みたいなことをさんざん言われたわりには、私は立派に魔術師となった。
しかも、学院の魔術師コースでは成績優秀で主席。自分で言うのもなんだけど、魔術師としてはとても優秀だったのだ。
まぁ、座学はクズ男の早期英才教育のおかげ、実技は私の相棒による容赦ない指導と過酷な鍛錬のおかげ。どちらにしろ、私は頑張った。自分に負けることなく。
誰だよ。黒髪の魔術師はダメだって言ったヤツ。
まとめて殴ってやりたい気分だ。実際に殴ったら反省文行きになるので、やらないけど。
そして、私は第三騎士団の第五隊配属の新人魔術師になった。
クラウドは同じく第五隊の新人騎士。
フルネームはクラウド・ヴェルフェルム。騎士家系として有名なフェルム一族出身の騎士だ。
赤みがかった茶髪に赤眼、長身で筋肉質、人当たりもよくて要領もいい。そして顔がいい。
となると女子に人気なんだろう、と思っていたのに。
楽観的で軽そうに見える性格が災いしたのか、お姉さんが二人いる影響でちょっと口うるさいのがダメだったのか、あまり女子受けしない残念なヤツなことが判明。
そして、私とクラウドは新人同士なはずなのに、なぜか、クラウドの方が先輩面をするし、私の世話係や見張り番のようなこともやっている。同期なのに解せぬ。
まぁ、そんな間柄な事もあって、最近の私はクラウドといっしょにお昼を食べている。
今日もいっしょにお昼を食べていて、お互いの直属の上司であるクストス隊長の差し入れのお菓子の話から、お菓子のお店の話になり、お店の魔導オーブンの話にまでなった。
お菓子といえば小さい頃に食べたよな、と昔の記憶を探っていたので、途中のクラウドの話は、ぜんぜん聞いてなかったけど。
一瞬のことだから、どうせ、クラウドも気にしないだろうと思っていたのに、クラウドは意外と心が狭かった。
「お前。肝心なところをよく聞いてないよな」
口まで尖らせている。成人男子が拗ねてもかわいくない。拗ねていいのは十三歳までだ。
「それで、どんな逸話?」
私がクラウドの拗ね顔を無視して強く詰め寄ると、今度はつまらなさそうな顔をする。
「あぁ。筆頭殿が愛する奥さんのために、オーブンを魔導具で作ったって話だよ」
返ってきた答えもつまらないものだった。
だって、その奥さんから直接、話を聞いてるからね、私。
「へー」
思わず、表情が消える。
普段、私はなるべく笑顔を見せず、淡々とした表情になるよう努力しているつもりだった。
ところが意外と表情に出ていたようで、それならと、淡々とした表情を取り繕うのはやめていた。
そんな私だけれど、今回ばかりは顔から感情が消え失せていたと思う。
「筆頭殿の奥さん、ここのタルトが大好きで。でも当時は普通の火のオーブンしかなかったものだから火加減が難しくて、作れる数が少なかったんだと」
私の様子に気づくこともなく、クラウドは喋る。
「そこで筆頭殿は考えたんだよ。オーブンを魔導具にすれば、火加減も調節しやすいんじゃないかと」
「あー、なるほど」
自分でもどこから声が出ているのかが分からないくらい、他人のような声が響いた。
「こうして出来たのが魔導オーブンなんだよ。今では改良も進んでいるけど、フルヌビが第一号の魔導オーブンを提供されたんだそうだ」
「へー。そんな昔からフルヌビのタルトは人気があるんだ」
「王都にしか店舗がないけど、老舗だぞ、ここ。筆頭殿の奥さんも結婚前から、ここのタルトがお気に入りだったんだって。
じゃなくて。今の話を聞いて、凄いと思うのはそこか?」
「そうか。だから、懐かしい味なんだ、ここのタルト」
五歳の私も、その後の私も、何度か食べたタルト。
それが今も食べてるフルヌビのタルトだとは思わなかった。
クストス隊長から差し入れをもらう度に、食べた覚えがある味だなぁと思っていたんだ。
教えてくれて、ありがとう、クラウド。
「お前、いろいろ聞いてないだろ。まぁ、今に始まった話じゃないか。
それより。エルシアは魔術師だから、魔導具の話は学院の講義であっただろ?」
「うーん? あったっけ? クズが出てくる話は耳に入ってこなかったから」
「お前、本当に筆頭殿のこと、嫌ってるよな。
確かに、いろいろとムチャクチャな人だけど、美味しいタルトが食えるのは筆頭殿のおかげなんだから。少しは感謝しろ、感謝」
「はーい。感謝感謝」
まぁ、邪な動機はともかく、魔導オーブンの開発には感謝してあげようじゃないの。
クズだけど魔導師としての実力はそこそこあるからね、あいつ。
「心、こもってないなー」
まぁ、当然。心なんてこもらないよね。
私とは逆に、クラウドは筆頭殿が大好きで、さきほどまでつまらなさそうだったのが楽しそうな表情に変わっている。
筆頭殿とは、王宮魔術師団の筆頭魔術師殿のことで、私の実の父親のクズ男であり、クラウドの大好きな『運命の恋』の主人公。
小説化されている『運命の恋』は、クズ男と私の母親との間にあった実際の出来事を、もの凄く美化して、私みたいな余計なものを切り捨てて作られた、みんなの憧れのお話だ。
うん、興味ない。まったくもって興味ない。
私の興味のなさに呆れたのか、クラウドは私の頭をシャカシャカと撫で回す。
髪は乱れるし、頭を揺らされて気持ちは悪くなるし、これは新手の嫌がらせだな。
「あのね、クラウド。他人の頭を気安く触らないでくれる?」
嫌がらせには断固として抗議すべし。
「と言い返すようにと、他のヤツから言われたんだろ。クストス隊長あたりか?」
ゴホゴホ
「なんで知ってるの?!」
ズバリと当てられてひるむ私に、余裕そうな表情に変わるクラウド。
「エルシアにそういう注意をするヤツって、そう多くはないだろ?」
「え、そうなの?」
そう言われてみれば、第三騎士団で細かく口うるさく注意してくるのは、クストス隊長とクラウドだけだった。
基本、ヴァンフェルム団長はおっとり口調だし、魔術師長のパシアヌスは細かくない。
ユリンナ先輩はどちらかというと煽っておもしろがっているし、関わりのある他の隊長たちも基本、放任主義だ。
「クストス隊長は、意外と細かいところにうるさいからな」
そう言って、クラウドは席を立つ。
「そろそろ動かないと、午後の仕事に遅れるぞ」
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