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1 王女殿下の魔猫編
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王女殿下は私たちの視線を敏感に感じ取ると、こちらにむけて、大きく手を振った。
いつの間にやら、魔術師の集団がいる場所に移動していたようだ。隣にはリグヌムがいる。
「あら、第三騎士団はやっと準備が出来たようね!」
「そもそも、王女殿下が邪魔さえしなければ、良かったのです。わたくしがうまくできましたのに」
相変わらずベラベラ喋るダイアナ嬢。
て。もしかしなくても、カス王子が推薦したのってダイアナ嬢だったんだ。
いやーな想像が頭の中をよぎる。うん、想像じゃなくて、きっと現実だな。ダイアナ嬢がカス王子に推薦され代理を務めてみたものの、務まりきらなかったんだわ。
にしてもこの二人。いつもにまして張り合ってる感じで騒々しい。
「うわっ、またケンカしてるの?」
「またって、前もケンカしてたのか?」
クラウドは不思議そうに聞き返した。そういえば、王女殿下のお茶会のとき、そばにいたのは、クラウドじゃなくてカイエン卿だったっけ。
私はクラウドにお茶会での出来事を簡単に説明した。
その間にも、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いは過熱する一方で。少し離れているところにいる私たちにも、しっかりその声が聞こえてくる。
「わたくしの魔猫も封印できない程度の人が、何を言ってるわけ?」
「王女殿下、酷いです。いくら、わたくしの才能が妬ましいからと」
「わたくしが杖なしのあなたを妬む理由なんて、どこにあるの?
杖なしのあなたが、名のある杖持ちのわたくしを妬む理由なら、たっくさんあるでしょうけど」
「王女殿下の方こそ理由だらけでしょう」
「あのねぇ、やたらと絡んで噛みついてくるのはそっち。わたくしはあなたのことなんて、気にもとめてないわ」
「王女殿下に臆せず意見をする私が気に入らないのですよね。
それに、わたくしが杖主候補や王太子妃候補とされているのも、気に入らないのではないですか?」
「だから、あなたなんて、ティースプーン一匙ほども気にとめてないわ。自信過剰なのも、ほどほどにしたらどう?」
「いつも大勢の人前で、そうやって、わたくしを見下しますよね、王女殿下は」
誰か止めなよ。
言い争いの内容も内容だけど、今は言い争いをしている場合ではない。
建物に被害が出ていて、ケガにも出ている。騎士が建物を取り囲み、魔術師が残りわずかな魔力を振り絞って、クズ男の結界から漏れる魔力余波に対抗している。
言い争いをするくらいなら、他のことにその熱量を向ければいいのに。
「これ、いつ終わるの?」
「知るかよ」
クラウドも呆れきっていた。
「ともかく!」
ダイアナ嬢は語気を強めて王女殿下に詰め寄る。なんの権限があって、王族に対しあんなに強気でいられるのかが、理解しがたい。
「王女殿下がわたくしたちに割り込んだせいで、アキュシーザ様があちらに取り込まれることになったんです!」
第三騎士団の魔術師全員がピタッと止まった。それから、ぎこちなく身体や首を動かしお互いを見る。身体が固まりすぎて、ギギギギッと音でもしそうな感じだ。
一息ついて、一斉に話し始めた。
「嘘でしょ? あの杖精、暴走している杖主に加勢してるわけ?」
「アキュシーザ様が筆頭殿に助力してるとは、かなりマズい状況ですよ」
「なるほどな。例年より酷い理由はそれだな。抑えられなかっただけじゃなく、むしろ凶暴にさせたんだな」
「あーあ。おもしろそうなのに。嬉しくない状況なのはダメねー」
「あちらの結界が強くて堅いというのも、アキュシーザ様が原因ですね。これは困りましたね」
クラウドだけ状況が読み取れず、戸惑い気味な顔。私達の会話に入れずにいる、と思ったら突然、姿勢を正した。
「あ、団長」
ヴァンフェルム団長と他の騎士団の団長がいっしょに歩いて、こちらにやってきたのだ。
「近衛のリノケロン団長と第一のヴェルフェルム団長も勢ぞろいしてるわ」
ユリンナ先輩が私の耳元でコソコソとつぶやく。
「それにしても、ヴェルフェルム団長は相変わらずステキねー 強い女性、憧れるわー」
ヴェルフェルムの家名を持つ長身の女性が第一騎士団の団長だった。黒褐色の短い髪に赤茶色の瞳は、カイエン卿を彷彿とさせる。ちょっと、いや、かなり格好いい女性。それがヴェルフェルム団長だった。
クラウドを見ると、憧れの視線をヴェルフェルム団長に注いでいる。
クラウドのお母さんか。
騎士の親子も難しそうだな。私はなんとなくそう思った。
団長三人が登場する中、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いはまだまだ続いている。
「すべては、王女殿下の失態です。それをわたくしのせいにするなんて」
「あなたが続けてたら、もっと酷いことになったでしょう。自分の力を過信するのは止めなさい」
「デルティウン、ダイアナ嬢は私が推薦した素晴らしい魔術師だ。だからこそ、皆、推薦を承諾したのではないか。
ダイアナ嬢の実力を貶す発言は止めたらどうだ?」
「デュオニスお兄さまこそ、ここでは邪魔だから。そちらの素晴らしい実力の魔術師と待避したらどう?」
止せばいいのに、カス王子が王女殿下に余計な口を挟んだ。
カス王子もカス王子で、みんなが推薦を受け入れた理由を曲解している。王族の推薦を嫌って言える人はいないのに。
「あー、カス王子まで参戦してる」
「カス王子って言うな。反省文行きだぞ」
クラウドは私に注意しながら、チラチラと団長たちを窺っていた。
「団長たちに聞こえたら、マズいだろ」
緊張のあまり、私への注意がついつい大声になるクラウド。うん、残念ながら、クラウドのせいで筒抜けだよ。まぁ、カス王子って言ってる私がいけないんだけどね。
しかし、団長たちは私たちのことは気にせず、王女殿下とダイアナ嬢のやり取りを興味深げに眺めている。
じーっと、王女殿下とダイアナ嬢を見守る団長たち。何の表情も浮かべず、何も語らず、ただ静かにたたずむ様がとても怖い。
かたや言い争い、かたや静かな見守り。そんなところにビリリと雷が落ちるような衝撃をともなう声が響く。
「静かに」
大きな声でもないのに、やたら辺りに響く声。
「王太子殿下だ」
「ふーん」
「第三王子殿下もいる」
どうやら王宮からはるばるやってきたようだ。最初から徒歩でってことはないだろうけど。曇天の中、悠々と歩く姿に王族の貫禄を感じる。
王女殿下もカス王子も王族としての威圧感なんて、欠片もなかったから、つい王族の凄さを忘れていた。
クラウドなんて、雷に打たれたような顔で身震いをしている。
「こら。エルシア、頭、下げろ」
「痛っ」
目の前を歩いていく王太子殿下に向け、無理やり頭を下げさせようとして、クラウドは私の頭をボサボサにしたのだった。
王太子殿下はというと、歩みを王女殿下たちのところで止めた。
ダイアナ嬢は王太子殿下を見てぽーっとして顔を赤らめているし、王女殿下はおもしろくもなさそうにムスッとした顔をしている。カス王子に至っては…………まぁ、こいつはどうでもいいや。
王太子殿下がグルッと辺りを見回すと、騎士も魔術師も全員が姿勢を正す。騎士は剣を掲げ、他の人たちは手を胸に当て敬礼を行った。私はやらないけど。
合図があったわけでもないのに、剣を掲げる際に出るガチャッという音がピタリと揃う。
「ここで言い争っていても、事態は収拾しない。各自、思うところはあるだろうが、協力して取り組んでほしい」
王太子殿下の一声で、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いも、近衛と第一、王宮魔術師団と第一の魔術師の睨み合いも、すべてがヒタッと収まった。
一言で収まるんなら、最初からいがみ合わないで欲しいものだわ。
「カリスマあるなぁ」
「ふーん」
ダイアナ嬢と同じく、ぽーっとして王太子殿下を見つめるクラウド。
曇天で、今の季節にしては少し肌寒いくらいなのに、クラウドの顔は火照ったよくに赤かった。
王太子殿下は、建物や騎士の被害状況、魔術師たちの残魔力などの確認をつぶさに行うと、重々しく指示を出す。
「近衛と第一は引き続き包囲、王宮魔術師団は待機して魔力回復に努めよ。
第三は魔術師を先頭にして、筆頭殿を無力化し、確保してくれ」
今にも降ってきそうな分厚い雲の下に、王太子殿下の声が響いた。
「協力をお願いする」
「ハッ」
全員の声が王太子殿下の声に重なって響きわたった。
いつの間にやら、魔術師の集団がいる場所に移動していたようだ。隣にはリグヌムがいる。
「あら、第三騎士団はやっと準備が出来たようね!」
「そもそも、王女殿下が邪魔さえしなければ、良かったのです。わたくしがうまくできましたのに」
相変わらずベラベラ喋るダイアナ嬢。
て。もしかしなくても、カス王子が推薦したのってダイアナ嬢だったんだ。
いやーな想像が頭の中をよぎる。うん、想像じゃなくて、きっと現実だな。ダイアナ嬢がカス王子に推薦され代理を務めてみたものの、務まりきらなかったんだわ。
にしてもこの二人。いつもにまして張り合ってる感じで騒々しい。
「うわっ、またケンカしてるの?」
「またって、前もケンカしてたのか?」
クラウドは不思議そうに聞き返した。そういえば、王女殿下のお茶会のとき、そばにいたのは、クラウドじゃなくてカイエン卿だったっけ。
私はクラウドにお茶会での出来事を簡単に説明した。
その間にも、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いは過熱する一方で。少し離れているところにいる私たちにも、しっかりその声が聞こえてくる。
「わたくしの魔猫も封印できない程度の人が、何を言ってるわけ?」
「王女殿下、酷いです。いくら、わたくしの才能が妬ましいからと」
「わたくしが杖なしのあなたを妬む理由なんて、どこにあるの?
杖なしのあなたが、名のある杖持ちのわたくしを妬む理由なら、たっくさんあるでしょうけど」
「王女殿下の方こそ理由だらけでしょう」
「あのねぇ、やたらと絡んで噛みついてくるのはそっち。わたくしはあなたのことなんて、気にもとめてないわ」
「王女殿下に臆せず意見をする私が気に入らないのですよね。
それに、わたくしが杖主候補や王太子妃候補とされているのも、気に入らないのではないですか?」
「だから、あなたなんて、ティースプーン一匙ほども気にとめてないわ。自信過剰なのも、ほどほどにしたらどう?」
「いつも大勢の人前で、そうやって、わたくしを見下しますよね、王女殿下は」
誰か止めなよ。
言い争いの内容も内容だけど、今は言い争いをしている場合ではない。
建物に被害が出ていて、ケガにも出ている。騎士が建物を取り囲み、魔術師が残りわずかな魔力を振り絞って、クズ男の結界から漏れる魔力余波に対抗している。
言い争いをするくらいなら、他のことにその熱量を向ければいいのに。
「これ、いつ終わるの?」
「知るかよ」
クラウドも呆れきっていた。
「ともかく!」
ダイアナ嬢は語気を強めて王女殿下に詰め寄る。なんの権限があって、王族に対しあんなに強気でいられるのかが、理解しがたい。
「王女殿下がわたくしたちに割り込んだせいで、アキュシーザ様があちらに取り込まれることになったんです!」
第三騎士団の魔術師全員がピタッと止まった。それから、ぎこちなく身体や首を動かしお互いを見る。身体が固まりすぎて、ギギギギッと音でもしそうな感じだ。
一息ついて、一斉に話し始めた。
「嘘でしょ? あの杖精、暴走している杖主に加勢してるわけ?」
「アキュシーザ様が筆頭殿に助力してるとは、かなりマズい状況ですよ」
「なるほどな。例年より酷い理由はそれだな。抑えられなかっただけじゃなく、むしろ凶暴にさせたんだな」
「あーあ。おもしろそうなのに。嬉しくない状況なのはダメねー」
「あちらの結界が強くて堅いというのも、アキュシーザ様が原因ですね。これは困りましたね」
クラウドだけ状況が読み取れず、戸惑い気味な顔。私達の会話に入れずにいる、と思ったら突然、姿勢を正した。
「あ、団長」
ヴァンフェルム団長と他の騎士団の団長がいっしょに歩いて、こちらにやってきたのだ。
「近衛のリノケロン団長と第一のヴェルフェルム団長も勢ぞろいしてるわ」
ユリンナ先輩が私の耳元でコソコソとつぶやく。
「それにしても、ヴェルフェルム団長は相変わらずステキねー 強い女性、憧れるわー」
ヴェルフェルムの家名を持つ長身の女性が第一騎士団の団長だった。黒褐色の短い髪に赤茶色の瞳は、カイエン卿を彷彿とさせる。ちょっと、いや、かなり格好いい女性。それがヴェルフェルム団長だった。
クラウドを見ると、憧れの視線をヴェルフェルム団長に注いでいる。
クラウドのお母さんか。
騎士の親子も難しそうだな。私はなんとなくそう思った。
団長三人が登場する中、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いはまだまだ続いている。
「すべては、王女殿下の失態です。それをわたくしのせいにするなんて」
「あなたが続けてたら、もっと酷いことになったでしょう。自分の力を過信するのは止めなさい」
「デルティウン、ダイアナ嬢は私が推薦した素晴らしい魔術師だ。だからこそ、皆、推薦を承諾したのではないか。
ダイアナ嬢の実力を貶す発言は止めたらどうだ?」
「デュオニスお兄さまこそ、ここでは邪魔だから。そちらの素晴らしい実力の魔術師と待避したらどう?」
止せばいいのに、カス王子が王女殿下に余計な口を挟んだ。
カス王子もカス王子で、みんなが推薦を受け入れた理由を曲解している。王族の推薦を嫌って言える人はいないのに。
「あー、カス王子まで参戦してる」
「カス王子って言うな。反省文行きだぞ」
クラウドは私に注意しながら、チラチラと団長たちを窺っていた。
「団長たちに聞こえたら、マズいだろ」
緊張のあまり、私への注意がついつい大声になるクラウド。うん、残念ながら、クラウドのせいで筒抜けだよ。まぁ、カス王子って言ってる私がいけないんだけどね。
しかし、団長たちは私たちのことは気にせず、王女殿下とダイアナ嬢のやり取りを興味深げに眺めている。
じーっと、王女殿下とダイアナ嬢を見守る団長たち。何の表情も浮かべず、何も語らず、ただ静かにたたずむ様がとても怖い。
かたや言い争い、かたや静かな見守り。そんなところにビリリと雷が落ちるような衝撃をともなう声が響く。
「静かに」
大きな声でもないのに、やたら辺りに響く声。
「王太子殿下だ」
「ふーん」
「第三王子殿下もいる」
どうやら王宮からはるばるやってきたようだ。最初から徒歩でってことはないだろうけど。曇天の中、悠々と歩く姿に王族の貫禄を感じる。
王女殿下もカス王子も王族としての威圧感なんて、欠片もなかったから、つい王族の凄さを忘れていた。
クラウドなんて、雷に打たれたような顔で身震いをしている。
「こら。エルシア、頭、下げろ」
「痛っ」
目の前を歩いていく王太子殿下に向け、無理やり頭を下げさせようとして、クラウドは私の頭をボサボサにしたのだった。
王太子殿下はというと、歩みを王女殿下たちのところで止めた。
ダイアナ嬢は王太子殿下を見てぽーっとして顔を赤らめているし、王女殿下はおもしろくもなさそうにムスッとした顔をしている。カス王子に至っては…………まぁ、こいつはどうでもいいや。
王太子殿下がグルッと辺りを見回すと、騎士も魔術師も全員が姿勢を正す。騎士は剣を掲げ、他の人たちは手を胸に当て敬礼を行った。私はやらないけど。
合図があったわけでもないのに、剣を掲げる際に出るガチャッという音がピタリと揃う。
「ここで言い争っていても、事態は収拾しない。各自、思うところはあるだろうが、協力して取り組んでほしい」
王太子殿下の一声で、王女殿下とダイアナ嬢の言い争いも、近衛と第一、王宮魔術師団と第一の魔術師の睨み合いも、すべてがヒタッと収まった。
一言で収まるんなら、最初からいがみ合わないで欲しいものだわ。
「カリスマあるなぁ」
「ふーん」
ダイアナ嬢と同じく、ぽーっとして王太子殿下を見つめるクラウド。
曇天で、今の季節にしては少し肌寒いくらいなのに、クラウドの顔は火照ったよくに赤かった。
王太子殿下は、建物や騎士の被害状況、魔術師たちの残魔力などの確認をつぶさに行うと、重々しく指示を出す。
「近衛と第一は引き続き包囲、王宮魔術師団は待機して魔力回復に努めよ。
第三は魔術師を先頭にして、筆頭殿を無力化し、確保してくれ」
今にも降ってきそうな分厚い雲の下に、王太子殿下の声が響いた。
「協力をお願いする」
「ハッ」
全員の声が王太子殿下の声に重なって響きわたった。
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