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1 王女殿下の魔猫編
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床が揺れた後、ドーーーーーーンと、どこかで大きな音がした。
そしてまた、大きく揺れる。
フラリとふらつく私の肩を、クラウドが支えて落ち着かせてくれた。
大きな揺れがいったん落ち着くと、今度はゴゴゴゴゴと地鳴りのような音を伴って、小刻みな揺れが私たちを襲う。
そんな状態が十分ほど続いて、突然、静かになった。
「凄い地響き」
「今のはなんだ?」
私とクラウド、その他、今年配属されたばかりの新人たちがザワザワしている。
二年目以降の騎士たちは、何かを悟ったような顔。揺れと地響きの事情を分かっているようだけど、みんな揃って顔色が悪い。
「ついに始まったか」
誰かがポツリとつぶやく声が聞こえた。
「始まった?」
何が始まったっていうのだろう。
クラウドにも誰かのつぶやきが聞こえたようで、首を傾げている。
フェリクス副隊長はクラウドの肩をポンポンと叩いて、短く答えた。
「あれが毎年恒例のアレだ」
「さっきからアレアレって。アレなんて知るかよ」
フェリクス副隊長の短い返答に、クラウドがイラッとしてる。
けっきょく、アレアレ言うだけで、アレが何かが分からない。
どこかで何かが行われていて、その衝撃が第三騎士団の建物の床を大きく揺るがすほどのものなのに、事情を教えてもらえないって、どういうことよ?
と、ここで、フェリクス副隊長が使った『毎年恒例』の言葉にピンときた。
毎年恒例ということは、新人以外は一度は経験している。そのことに、いまさらながら気づく私。
新人以外にはアレで通じるくらい有名なものなのか、はたまた、口に出してはいけないからアレと伏せているのか。
事前に知っておいた方がいいことなら、新人研修の時に教えてほしかったかな。
現状で、親切に教えてくれそうな人は、目の前のフェリクス副隊長だけ。
そしてそのフェリクス副隊長は、クラウドにちょっと厳しい。
ここは私が聞いた方がいい。
私は首を傾げて、フェリクス副隊長に質問をする。
「私も知らないんですけど」
「あ、エルシアは知らないんだな」
反応が早い。
ついでに私の肩からクラウドの手を、ベリベリと引き剥がす。
「おい、態度が違いすぎるだろ!」
ついにクラウドが怒鳴りだした。目が怖い。
私が聞けば教えてくれると思って、声を上げてしまったんだけど。クラウドがこれほど怒るとは思わなかった。
助けを求めて周りを見回すが、ゆっくりくつろいでいるだけ。
「また、いつものか」「フェルムは相変わらずだな」と呆れる声が半分、「エルシア、頑張れよ」と私への声援が半分というところ。
声援いらないから、なんとかして欲しい。
待てよ。声援が来るってことは、私がなんとかしろってこと?!
私は一気にげんなりした。
私が傍らでげんなりしていても、クラウドとフェリクス副隊長は臨戦態勢を崩さない。
「だいだいな、新人はみんな、知らない話なんじゃないか!」
「それが新人の態度かよ!」
うん、態度について言われると、私も耳が痛い。
「クラウド、幼なじみかも知れないけど、ここでは先輩だし上官だよ」
「うっ、エルシアがまともなことを言ってる」
「私の扱いが酷すぎる」
次にフェリクス副隊長の方。
「フェリクス副隊長、きちんと教えてくれると助かるんですが。
アレアレ言われても、さっぱり分からないので、うっかり魔法を暴発させそうです」
ここで、フェリクス副隊長だけでなく、クラウドも周りで見物していた騎士たちも、ピタリと動きを止めた。
みんなが息を飲む。
何これ。今の暴発の話、本気に受け取られてるとか。
「いや、あくまでも可能性の話だけですけどね。うっかりしないかもしれないですし」
慌てて『かもしれない話』にした。
でも、みんなの反応は変わらない。
と思ったら、
「エルシアの威力で魔法が暴発したら大惨事になるぞ」「キレたらやりかねないだろ、エルシアなら」「どうすんだよ、まじでマズいぞ」「おい、フェリクス、エルシアに謝れ」
周りが一斉に喋りだして、フェリクス副隊長もやや怯み気味。
「私の行動予測が酷すぎる」
ともあれ、
「これ以上、反省文を書きたくないんで」
「「だよな!」」
みんなの声が揃い、フェリクス副隊長が完全に怯んだ。
「まぁ、新人が知らないのも仕方ない。アレに対処するのは王宮魔術師団と近衛騎士団、あとは第一騎士団あたりだ。
だから、第三騎士団は新人にアレについて説明してない」
「直接関係ない話だから、説明してないってことか。だから新人は知らないと」
「ふーん」
フェリクス副隊長は新人が知らない理由から説明に入る。回りくどいな。
「それでだ、アレが何なのかについてなんだが……」
フェリクス副隊長が声を潜め、いったん話を止める。
再び、口を開いたその瞬間。
バタン!
大きな音を立てて部屋の扉が開いた。
一斉に扉へと視線が集まる。
説明はこれからだっていうのに、いったい誰が…………
「第三騎士団に出動命令が出たぞ!」
扉を開けたまま大声を出したのは、クストス隊長だった。
「冗談だろ?!」
「ほら、フェリクス。持ち場に帰れ」
「くっ」
「第一隊が出動だろ」
説明が中途半端なまま、クラウドに追い返されるフェリクス副隊長。どうせなら、さっさと説明してくれれば良かったのに。
その二人のやり取りをクストス隊長が押しとどめた。
「いや、今回は全隊出動だ。各隊速やかに王宮魔術管理部に移動しろ」
「「ハッ!」」
騎士たちは短い返事を返すと、バタバタと動き始めた。
「王宮魔術管理部って?」
「王宮魔術師団の本部だよ」
フェリクス副隊長は私の質問に答えると、クストス隊長に近寄る。
「やっぱりアレですよね」
「あぁ、アレだ」
交わされる短い会話。
「クラウド、けっきょく、アレって何だろうね?」
「うーん、行ってみれば分かるんじゃないか?」
私の質問は、クラウドの質問で帰ってきた。やっぱりフェリクス副隊長に最後まで説明してもらうんだった。
そんな私も、クラウドによって引きずられるように、王宮魔術管理部というところに連れて行かれて、とんでもないものを目にすることになる。
そしてまた、大きく揺れる。
フラリとふらつく私の肩を、クラウドが支えて落ち着かせてくれた。
大きな揺れがいったん落ち着くと、今度はゴゴゴゴゴと地鳴りのような音を伴って、小刻みな揺れが私たちを襲う。
そんな状態が十分ほど続いて、突然、静かになった。
「凄い地響き」
「今のはなんだ?」
私とクラウド、その他、今年配属されたばかりの新人たちがザワザワしている。
二年目以降の騎士たちは、何かを悟ったような顔。揺れと地響きの事情を分かっているようだけど、みんな揃って顔色が悪い。
「ついに始まったか」
誰かがポツリとつぶやく声が聞こえた。
「始まった?」
何が始まったっていうのだろう。
クラウドにも誰かのつぶやきが聞こえたようで、首を傾げている。
フェリクス副隊長はクラウドの肩をポンポンと叩いて、短く答えた。
「あれが毎年恒例のアレだ」
「さっきからアレアレって。アレなんて知るかよ」
フェリクス副隊長の短い返答に、クラウドがイラッとしてる。
けっきょく、アレアレ言うだけで、アレが何かが分からない。
どこかで何かが行われていて、その衝撃が第三騎士団の建物の床を大きく揺るがすほどのものなのに、事情を教えてもらえないって、どういうことよ?
と、ここで、フェリクス副隊長が使った『毎年恒例』の言葉にピンときた。
毎年恒例ということは、新人以外は一度は経験している。そのことに、いまさらながら気づく私。
新人以外にはアレで通じるくらい有名なものなのか、はたまた、口に出してはいけないからアレと伏せているのか。
事前に知っておいた方がいいことなら、新人研修の時に教えてほしかったかな。
現状で、親切に教えてくれそうな人は、目の前のフェリクス副隊長だけ。
そしてそのフェリクス副隊長は、クラウドにちょっと厳しい。
ここは私が聞いた方がいい。
私は首を傾げて、フェリクス副隊長に質問をする。
「私も知らないんですけど」
「あ、エルシアは知らないんだな」
反応が早い。
ついでに私の肩からクラウドの手を、ベリベリと引き剥がす。
「おい、態度が違いすぎるだろ!」
ついにクラウドが怒鳴りだした。目が怖い。
私が聞けば教えてくれると思って、声を上げてしまったんだけど。クラウドがこれほど怒るとは思わなかった。
助けを求めて周りを見回すが、ゆっくりくつろいでいるだけ。
「また、いつものか」「フェルムは相変わらずだな」と呆れる声が半分、「エルシア、頑張れよ」と私への声援が半分というところ。
声援いらないから、なんとかして欲しい。
待てよ。声援が来るってことは、私がなんとかしろってこと?!
私は一気にげんなりした。
私が傍らでげんなりしていても、クラウドとフェリクス副隊長は臨戦態勢を崩さない。
「だいだいな、新人はみんな、知らない話なんじゃないか!」
「それが新人の態度かよ!」
うん、態度について言われると、私も耳が痛い。
「クラウド、幼なじみかも知れないけど、ここでは先輩だし上官だよ」
「うっ、エルシアがまともなことを言ってる」
「私の扱いが酷すぎる」
次にフェリクス副隊長の方。
「フェリクス副隊長、きちんと教えてくれると助かるんですが。
アレアレ言われても、さっぱり分からないので、うっかり魔法を暴発させそうです」
ここで、フェリクス副隊長だけでなく、クラウドも周りで見物していた騎士たちも、ピタリと動きを止めた。
みんなが息を飲む。
何これ。今の暴発の話、本気に受け取られてるとか。
「いや、あくまでも可能性の話だけですけどね。うっかりしないかもしれないですし」
慌てて『かもしれない話』にした。
でも、みんなの反応は変わらない。
と思ったら、
「エルシアの威力で魔法が暴発したら大惨事になるぞ」「キレたらやりかねないだろ、エルシアなら」「どうすんだよ、まじでマズいぞ」「おい、フェリクス、エルシアに謝れ」
周りが一斉に喋りだして、フェリクス副隊長もやや怯み気味。
「私の行動予測が酷すぎる」
ともあれ、
「これ以上、反省文を書きたくないんで」
「「だよな!」」
みんなの声が揃い、フェリクス副隊長が完全に怯んだ。
「まぁ、新人が知らないのも仕方ない。アレに対処するのは王宮魔術師団と近衛騎士団、あとは第一騎士団あたりだ。
だから、第三騎士団は新人にアレについて説明してない」
「直接関係ない話だから、説明してないってことか。だから新人は知らないと」
「ふーん」
フェリクス副隊長は新人が知らない理由から説明に入る。回りくどいな。
「それでだ、アレが何なのかについてなんだが……」
フェリクス副隊長が声を潜め、いったん話を止める。
再び、口を開いたその瞬間。
バタン!
大きな音を立てて部屋の扉が開いた。
一斉に扉へと視線が集まる。
説明はこれからだっていうのに、いったい誰が…………
「第三騎士団に出動命令が出たぞ!」
扉を開けたまま大声を出したのは、クストス隊長だった。
「冗談だろ?!」
「ほら、フェリクス。持ち場に帰れ」
「くっ」
「第一隊が出動だろ」
説明が中途半端なまま、クラウドに追い返されるフェリクス副隊長。どうせなら、さっさと説明してくれれば良かったのに。
その二人のやり取りをクストス隊長が押しとどめた。
「いや、今回は全隊出動だ。各隊速やかに王宮魔術管理部に移動しろ」
「「ハッ!」」
騎士たちは短い返事を返すと、バタバタと動き始めた。
「王宮魔術管理部って?」
「王宮魔術師団の本部だよ」
フェリクス副隊長は私の質問に答えると、クストス隊長に近寄る。
「やっぱりアレですよね」
「あぁ、アレだ」
交わされる短い会話。
「クラウド、けっきょく、アレって何だろうね?」
「うーん、行ってみれば分かるんじゃないか?」
私の質問は、クラウドの質問で帰ってきた。やっぱりフェリクス副隊長に最後まで説明してもらうんだった。
そんな私も、クラウドによって引きずられるように、王宮魔術管理部というところに連れて行かれて、とんでもないものを目にすることになる。
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