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04 復讐の凌辱
しおりを挟む「ああ、もう、もうっ!・・・」
「もうイクのか。早すぎる」
「・・・だって、だって、・・・気持ちが、いい。イキそう、イキそう、・・・イッてもいいですか」
「まだだ!」
ストロークは次第に激しくなり、パンパン、と音を立てて尻が揺れ、豊満な乳房が揺れました。
「あぁ~駄目っ! お義父さんっ・・・」
愛する妻、愛していた妻のマユは、激しく汗を飛び散らし、髪を振り乱し、全身を震わせ、逝きました。
そんな妻の痴態を目の当たりにして、激しく勃起して昂奮しているにもかかわらず、もう、立っている気力が萎えてきました。
力を振り絞り、自分のベッドに戻りました。
灯りを消し、タオルケットにくるまって、俺は歯を食いしばって自分のを強く握りしめていました。亀頭が充血しすぎて破裂し血が噴き出してくるんじゃないかと思うほどに。
あんなにマユをイカせたことはありませんでしたし、あんなにマユを狂わせることは出来ませんでした。あんなマユは、知りませんでした。
悔しさで気が狂いそうでした。涙が溢れてきて、体が震えました。あんまりです。嫉妬に狂い、狂い死にしそうでした。
もう、別れるほかありません。
そんなふうに悶々としていると、ガチャと音がして廊下の淡い光が寝室に差し込みました。咄嗟に眠っているフリをしました。
身じろぎもしないと感づかれますから、なるべく自然に見えるように肩をゆっくり上下して、寝返りに見えるようにドアに背を向けました。廊下の灯りが消され、ドアが閉じられ、ひたひたと裸足の足音が近づいてきました。足音はしばらく無言で佇んでいました。ほんの一分程度だったのでしょうが、俺には異常に長い時間に思われました。
俺が熟睡しているのを確認して安心したのでしょうか、一つ大きな溜息をついて、マユは真っ暗闇の中をタンスに向かい引き出しを開けて何かを身に着けました。パチン、とゴムが肌にあたる音でそれが下着だとわかりました。と、いうことは、マユは全裸のままオヤジの部屋から廊下を歩き階段を上ってきたということになります。ほのかなボディーソープとリンスの香りが漂って来ました。風呂場でシャワーを浴びて、オヤジとの情事の痕跡を消してきたのでしょう。そしてまた裸のまま風呂場からここまで来たのです。
でも、奇妙です。
俺に気付かれたくなければ、パジャマを着るなりするでしょう。もし、先ほどのように俺がトイレか何かで起きてきて鉢合わせすることは考えなかったのでしょうか。
大胆というか、バカなのか。そもそも、何で俺が家にいる夜にコトをするのか。昼間、俺の不在時にやればまだ隠せるのに。
いや、違う。
それはもう、さんざんヤッていたのだ。もっと刺激を得たくてスリルを味わいたくてわざわざ俺がいる夜にヤッたのだ。
俺をバカにしているんだ。
オヤジと二人で、俺をあざ笑っているんだ。
稼ぎも少ない、女を悦ばせることも出来ない、哀れな男。そんな風にタカをくくっているから、全く警戒していないんだ。そうでなければ・・・。
マユがパジャマを身に着けているのが気配でわかりました。妻は、妻だった女はベッドに入ってきました。
汚れた女。
夫のいる家で、よりにもよって俺が一番憎んでいる父親と平気で同衾する羞恥心のカケラもない女。
俺を裏切り、嘲笑っていた鬼畜のような女。
女はみんなそうだ。
こいつだけは違うと思い込んでいた俺がバカだった・・・。
オヤジよりもむしろマユの方が、憎い・・・!
俺は両の拳を痛いほど握りしめました。
マユの手が俺の背中に触れました。
肩を何度か擦って、その手が次第に腰のほうに流れ、俺を抱きかかえようというのか、前に回ろうとしました。
一体、何を考えているんだ。
ふつふつと俺の中で、体の奥の方で、何かが湧いてくるのがわかりました。抑えようとすればするほどそれは大きくなり、腹に肩に全身に震えが走りました。
俺は決心しました。
マユに、徹底的に復讐してやる。
オヤジ以上に快感を与え、辱めた上で、ボロ雑巾のように捨ててやる・・・。
そうとでも思わなければ、とても心が耐えられそうにありませんでした。
タオルケットを勢いよく撥ね退け、マユの上に馬乗りになりました。
「きゃっ!」
驚きで声も出せないでいるマユが暗がりでもわかりました。
「お楽しみの後に悪いね。だけど教えてもらえるかな。あれは、何だ。いつからの関係だ」
「ねえ、聞いて。落ち着いて話を聞いてよ」
か細い声で哀願するマユにいっそう怒りを募らせました。あんなに破廉恥にあられも無い声を上げていたくせに・・・!
「今、落ち着けって言ったか。あんなもの見せられて、落ち着けってか。
ワザとだろう。ワザと俺がいるのにヤッただろう。暖房まで入れて。ワザと俺を起こして、見せつけたかったのか、俺に」
怒りにまかせてマユのパジャマの前を引き千切りました。ボタンがはじけ飛び、先刻までオヤジに弄ばせた裸の胸が露わになりました。
この体が毎日オヤジに思うさま蹂躙されていたのか・・・。
怒りの温度がさらに上昇しました。
乱暴に俯せにして脱がし、両手を後ろ手にしてパジャマで千切れそうなくらいにきつく縛りました。パジャマのズボンをパンツごと引き下ろして丸裸にしてから部屋の明かりを点けました。マユはさして抵抗することもなく、されるままになっていました。まるでこういう乱暴をされるのがわかっていたかのようでした。
「ねえ、やめて。恥ずかしいよ」
口ではそういうものの、下を脱がす時に腰を浮かせていました。
「恥ずかしい? じゃあ、さっきまでお前がしていたことは何なんだ。アレは恥ずかしいことじゃないのか。オヤジ相手にするのは恥ずかしくなくて、俺だと恥ずかしいのか。『人倫に悖る』って言葉、知ってるか?」
マユの髪を掴んでベッドから引き摺り下ろして床に座らせ、これまでになく反り返った自分を、見せつけました。それは自分のモノなのですが、信じられないくらいに、過去最大級に勃起して反り返っていたのです。
「ホラ、どうした。咥えろよ。チンコ大好きなんだろ? 俺のはイヤなのか。オヤジのじゃないとダメなのか」
マユの目に涙が光りました。それでも俺は彼女を責めたてました。そんな涙なんて信じられませんでした。
「何で泣くんだよ。泣きたいのは俺の方だぜ。ホラ、早く咥えろよ。オヤジ以上に楽しませてくれよ。俺はお前の夫なんだからさ」
マユは舌を出して俺のものを舐めはじめました。
傾げた頬を涙が流れ落ちてゆきました。その風情にゾクゾクするような快感を覚え、下半身がさらに充血してゆくのを感じました。マユに舐められ、さらに喉の奥まで銜え込まれているのに全く射精感を感じませんでした。気が遠くなるぐらいに強く握りしめていたために感覚がマヒしていたのか、それとも強い怒りのせいなのか。
かなり長い時間口唇性交を続けさせていたにも拘わらず、爆発するどころかさらに怒張を激しくしていました。咥えた口の端から涎が垂れ、息を乱すほど奉仕し続けたマユを引き離し、床に伏せさせ、尻を上げさせました。
目の前のそこは潤み切り、滴らせ、俺の怒張を待っていました。
「いつからなんだ」
マユはただ喘ぐだけで質問に答えません。
「いつから俺を裏切っていたんだ」
無意味な問いでした。自分の目で見、聞いたことが全てなのですから。あのようなまぐわいが今日初めてのことである筈も無く、相当以前から慣れ親しんでいた結果であることは明らかでした。実家に戻って半年という時間は、あの光景を醸成するのに十分すぎるように思われました。それでも俺は訊かずにはいられません。
「いつから俺を裏切っていたと訊いてるんだ!」
「たー君が好き。信じて。あたしが好きなのはたー君だけなの。たー君元気なかったから、元気になって欲しくてしたの」
はあ?!
まったく訳がわかりません。
どの口でそんな言葉を吐くのだろう。
あの光景を見せられ、そんな言葉を信じるヤツがいたら大馬鹿者です。散々オヤジに責め抜かれ、爛れきったマユに押し当てました。
「そんなの、全然理解できない。もう、いいよ。これで終わりにしよう。質問も、結婚も。最後に俺からのプレゼントだ。どうせオヤジのより気持ちよくないんだろうけどさ」
一気に突き入れました。中は温かな愛液が満たされてもうトロトロになっていました。うーっと呻きました。まだそんな力が残っていたのかと思うほど、俺のをグイグイ締め付けてガクガク震えました。信じられないことですが、たった数度の突きで絶頂を迎えたようでした。それまでぞんなに速く絶頂させたことなど一度もありませんでした。
そして、昨日までの俺ならそれで果てていたでしょう。ですが、その夜は自分でも意外なほどガマンができました。というより快感はあるものの、どれほどしてもこみ上げがやってこなかったのです。どうしてなのか自分でもわかりませんでした。
いずれにしても、もう捨ててやる、と決めていた俺にとってはどうでもいいことでした。もし、その場に刃物があったとしたら、俺はマユを殺してしまっていたかもしれません。怒りで自分を見失っていました。もう無我夢中で腰を打ち振い、打ち込んでいました。
数度、マユは絶頂を迎えました。
もうやめて、壊れちゃう、死んじゃう、もうイケない、壊れる、壊れる、死ぬ・・・。
体中から脂汗を流して叫び続けていました。単なる復讐機械と化していた俺は、反応などお構いなしに責め続けました。
もうやめて、狂っちゃう、おかしくなるうっ!
すでに口からヨダレをタレ流してケダモノのように吠えたりしていましたが、構わず腰を振り続けました。
どのくらいそうしていたでしょうか。
やがて頭の後ろと尻の穴と足の裏がジーンと痺れて、やっとこみあげが来ました。それでもまだ我慢が出来そうでしたが、そんなことも、もうどうでもいいことです。
下半身に生暖かいものを浴びたのを汐に、俺はマユの中に放ちました。それも大量に。
それで、あれだけ俺を突き動かした巨大な攻撃衝動は消滅し、漂白されるように俺は我に帰りました。
マユは大きく何度か痙攣し、床に突っ伏してぐったりと動かなくなりました。小便の匂いが漂っていました。失禁していたのです。
「マユ?」
呼びかけても反応がありません。白目を見せたまま、口を半開きにしてピクリとも動かないのです。
え?
慌ててマユの肩を揺すぶってみました。まさか、心臓麻痺か? 殺しちゃった? ヤリ殺しちゃったのか。マユを、俺が。
血の気が引きました。恐るおそる抱き起して胸に耳を当てました。
・・・生きていました!
小さな心臓の鼓動が聞こえました。腰が抜けて床にへたり込みました。
女性が感極まると失神することもあるということを知りませんでした。もちろん、マユに失神までさせたのはそれが初めてでした。
よかったあ・・・。
心の中で叫び、叫ぶと共に気付きました。
殺したいほど憎んでいるのに、情けないほどに妻に、マユに惚れている自分を。
「ちっくしょおおおおおっ・・・」
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