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12:ペガサスの懇願とツガイとしての求愛と※

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 「アト・・・ラス・・・ハァハァ・・・」

 「お前の男に、ツガイの刻印をつけろ」

 ズルリと抜き出された体感に「アァッ!!」と身悶えた。咄嗟に、いやだ、もういやだと。もっと、して欲しいのに。なんでと。やめないでと。湧き上がった。こんな状態は、もう耐えられない。

 (いやだ・・・欲しい!!)

 と求めると同時に、目の前の首に歯を立てていた。

 グッと肉に食いこむ体感に、ブワッと自分の中から気が流れ出ていく気配に―――ハッと我に返った。

 (あ・・・オレは・・・・・・)

 一体、何をしたのか。窪んだ噛み痕から、滲み出ている相手の赤い体液に。血の気が引いた。噛んだのだ、アトラスを。どういうわけだか、いきなり伸びたこの奥の歯で。

 「テセウス・・・」

 だが、その突如として訪れた肉体の変化としてしまった行為に、おののいている隙もなく。

 「やっと・・・噛んだか・・・やっと・・・」

 感極まった相手から、ブワンッと歓喜が溢れ出た。

 カシャン、カシャン、カシャン・・・とランタンが。その強大な気で左右に揺れ動き、頭上近くの火が一つ、フッと消えて。薄暗くなった獣車の中で―――

 「ようやく、これで・・・」

 とアトラスの声が響き、スォンッという音が聞こえる。

 (えっ・・・)

 一瞬だけ、その背後に黒い翼に似た影が広がったような気がして。目を凝らす。だが、すかさず、ぐいっと両脚を胸につくまで持ち上げられた。

 「あっ・・・」

 腰が高く上がり、露わにさせられた秘部に。ドクドクッと。さらに筋を立てて、異常なまでに長く太く昂ぶった陰茎があてられる。

 「ア、アトラスッ!!」

 本格的に性交の体勢を取った相手の、意図とその大きさに驚き、制止する。だが、ぐちゅっと。挿れられた。
 
 「アァッァァーーッ!!」

 長大な性の突起が、猛烈に侵してくる。

 「アァァッ!! アァァッ!!」

 弧を描くように硬く反り返った先で、ズッ、ズッ、ズッと擦られて。圧迫など、ゆうゆうと超えた快感で、あっという間に視界が染まった。

 「やぁあぁっ!! アァァッ!! アァァッ!!」

 擦られて、擦られて、擦られて。どうしようもないほどに気持ちいい。両手で敷布を掻きむしる。

 「気に入ったか、テセウス・・・お前のツガイとなった男のモノは、どうだ?」

 注挿に励む雄と化したアトラスが酔い痴れたように告げながら、腰を振る。

 「アァッ!! アァッ!! アァンッ!!」

 ギシッ、ギシッ・・・と荷台が軋む中、宙を掻いていた両脚が抱えられた。

 「アァァーーッ!!」

 そのまま抱き合うように身を起こされて、根元まで深く貫かれる。びゅるっと精を放った。けれども――

 ぬちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ・・・

 と引っ切りなしに穿たれる。萎えることの知らない熱いモノに。抉るように擦られて。翻弄させられて。

 「アァーッ!! ンッ!! ンッ!! アァーッ!!」

 激しく上下に揺さぶられている裸体の中心で。すぐさま勃ち上がった芯が、プルンプルンと淫らにまた揺れ始める。

 「アァンッ!! ハアァッ!! アァッ!!」

 ビクビクッと足先を引き攣らせて。もう、なにも考えられない。
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