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11:メデューサの岩窟とペガサスと
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「・・・・・・テセウスだ」
下手に逆らわない方がいいと判断し、素直に名乗る。ここはアテナを信仰していると伝えて、アトラスが来るまで凌ぐべきかと。咄嗟に考えを巡らした。
「テセウス・・・テセウス・・・いや、どこかで・・・お前は・・・どこかで・・・」
その声の位置や、ジャラジャラと宝飾品が動くような音から。長い胴体を上げては下げて、前に後ろにと身をくねらせている様子がよく感じられる。
「わからぬ・・・思い違いか・・・テセウス、何をしに来た? アルファ神族の連れか?」
「・・・・・・知らない。オレはただ財宝を探しに来た」
「財宝?」
「アテナを信じていれば、襲われないと思って・・・金目になる物を物色しに・・・」
「ふぅん・・・そうか。命知らずの盗賊にしては、やたらと品がいいがな。まぁ、それも嘘か誠か。お前を人質にしてみれば、わかること」
今度は腰を守る防具の板金がガッと掴まれて、ブチブチブチッと剥ぎ取られた。ドサッと床に投げ落とされる。
「顔は隠れてはいるが、きれいな男だ。それに・・・お前は・・・」
スンッ、スンッと匂いを嗅がれた。
「オメガだ、間違いない。フフフ・・・このアルファの雌犬め」
「ッ!!」
長い外套が乱暴に捲られて、グルグルと。抵抗が一切できない身体の、胸部に巻き付けられた。
そのまま片手で易々と抱きかかえられる。や否や、ぬぅうぅぅ・・・と蛇の下半身が縦方向へと伸び上がった。
「うわぁっ!!」
足が宙へと浮かび上がった状態で。
ダンッ!!
と柱の上部に、外套ごと|槍で縫い付けられる。と同時に、
「私の姉妹を殺してくれた憎々しい、連れの男の前で、お前を犯してやる」
とべったりと豊かな乳房で寄り添われ、耳元で囁かれた。ベロリと長く不潔な蛇の舌で耳を舐め上げられる。
「やめろっ!!」
ぞわぞわっと走り抜けた悪寒に。不自由な身体で身を捩って、死に物狂いで抵抗する。そんなことは断じてされたくない。だが――
「フフフ・・・いいのか? 暴れない方がいいぞ。そのオリーブの葉とアテナさまの聖槍の霊気とで支えられてはいるが、この高さから落ちたら・・・そうだな、骨が砕け散るだろうな。あの生意気なイーヌドーグのようにな・・・フフフ」
(ケール!!)
聞かされた真相に。やはり、先ほどの音は・・・と青ざめる。その矢先に、ヒュォンッと空気が動き、バンッ!!と叩くような音がした。
「せっかくだから、今、粉々にしてやった」
(そ、そんな・・・)
追い打ちをかけてきた残酷な言葉に、意識が真っ暗な闇に覆われた。自分の前に立ちはだかってくれたために、石化されただけでなく、たった今、潰されたとでもいうのか。
(うそだろ、ケール・・・)
オリーブの葉の下で、閉じた瞳から涙が溢れ出た。悲しくて、悔しくてたまらない。それなのに――
「どうせ、アルファの男に夜な夜な、腰を振っているのだろう? オメガの淫乱め。どれ、味を確かめてやる」
と下穿きの中に、不浄な手が荒々しく入れられた。
下手に逆らわない方がいいと判断し、素直に名乗る。ここはアテナを信仰していると伝えて、アトラスが来るまで凌ぐべきかと。咄嗟に考えを巡らした。
「テセウス・・・テセウス・・・いや、どこかで・・・お前は・・・どこかで・・・」
その声の位置や、ジャラジャラと宝飾品が動くような音から。長い胴体を上げては下げて、前に後ろにと身をくねらせている様子がよく感じられる。
「わからぬ・・・思い違いか・・・テセウス、何をしに来た? アルファ神族の連れか?」
「・・・・・・知らない。オレはただ財宝を探しに来た」
「財宝?」
「アテナを信じていれば、襲われないと思って・・・金目になる物を物色しに・・・」
「ふぅん・・・そうか。命知らずの盗賊にしては、やたらと品がいいがな。まぁ、それも嘘か誠か。お前を人質にしてみれば、わかること」
今度は腰を守る防具の板金がガッと掴まれて、ブチブチブチッと剥ぎ取られた。ドサッと床に投げ落とされる。
「顔は隠れてはいるが、きれいな男だ。それに・・・お前は・・・」
スンッ、スンッと匂いを嗅がれた。
「オメガだ、間違いない。フフフ・・・このアルファの雌犬め」
「ッ!!」
長い外套が乱暴に捲られて、グルグルと。抵抗が一切できない身体の、胸部に巻き付けられた。
そのまま片手で易々と抱きかかえられる。や否や、ぬぅうぅぅ・・・と蛇の下半身が縦方向へと伸び上がった。
「うわぁっ!!」
足が宙へと浮かび上がった状態で。
ダンッ!!
と柱の上部に、外套ごと|槍で縫い付けられる。と同時に、
「私の姉妹を殺してくれた憎々しい、連れの男の前で、お前を犯してやる」
とべったりと豊かな乳房で寄り添われ、耳元で囁かれた。ベロリと長く不潔な蛇の舌で耳を舐め上げられる。
「やめろっ!!」
ぞわぞわっと走り抜けた悪寒に。不自由な身体で身を捩って、死に物狂いで抵抗する。そんなことは断じてされたくない。だが――
「フフフ・・・いいのか? 暴れない方がいいぞ。そのオリーブの葉とアテナさまの聖槍の霊気とで支えられてはいるが、この高さから落ちたら・・・そうだな、骨が砕け散るだろうな。あの生意気なイーヌドーグのようにな・・・フフフ」
(ケール!!)
聞かされた真相に。やはり、先ほどの音は・・・と青ざめる。その矢先に、ヒュォンッと空気が動き、バンッ!!と叩くような音がした。
「せっかくだから、今、粉々にしてやった」
(そ、そんな・・・)
追い打ちをかけてきた残酷な言葉に、意識が真っ暗な闇に覆われた。自分の前に立ちはだかってくれたために、石化されただけでなく、たった今、潰されたとでもいうのか。
(うそだろ、ケール・・・)
オリーブの葉の下で、閉じた瞳から涙が溢れ出た。悲しくて、悔しくてたまらない。それなのに――
「どうせ、アルファの男に夜な夜な、腰を振っているのだろう? オメガの淫乱め。どれ、味を確かめてやる」
と下穿きの中に、不浄な手が荒々しく入れられた。
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