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7:続く謎の夢と情交後の避妊行為と

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 (えっ・・・)

 その青紫色の瞳は。なぜ、そんな色合いをしているのか。どう捉えていいのかわからない感情を漂わせている。驚いているのか、悲しいのか。信じがたいと疑っているのか。

 それに、そんなことは許せないとすぐに憤った自分とは違って。なんだか、とても静かだ。

 「そうだけど・・・アトラス? どうかしたか?」

 「いや・・・」

 アトラスがゆっくりと立ち上がった。

 「あっ・・・」

 近づいてくると両腕を取られて、強く抱きしめられる。

 「ちょっ・・・アトラス」

 「テセウス・・・ここでもう、やめないか」

 (えっ・・・)

 突然、抱擁されて驚いただけでなく。離れようとした途端に、思いも寄らない言葉を告げられて。その腕の中で目を見開いた。

 「ハデスにはオレから言う」

 「な、なにを言ってるんだ。それでは・・・王妃はどうなるんだ」

 相手の胸に両手を付いて、顔を凝視する。一体、何を言い始めたのか。真意は何なのか。探るように見つめた。

 「代わりの者を手配してもらえばいい。お前がやる必要はない」

 「そ、そんな・・・」

 「お前をこれ以上、危険な目に遭わせたくない」

 「アトラス・・・」

 まさか自分の身を案じてだとは。その熱い言葉に、ドクンと胸が高鳴った。ほわんっと左胸が熱くなって、嬉しく感じた。

 (だけど・・・)

 同時に、それではあまりにも無責任にではないかとも。それだと。霊託で内容を聞いておいて、相手が怪物だから、手に負えないから投げる・・・そう取られないだろうか。

 「確かに・・・オレなんかよりももっと強い、力のある戦士が奪還しに行った方がいいかもしれない。

 だけど・・・手配の時間だって余計にかかるわけだし、今、こうしている間にも王妃が危険に晒されているわけなのだから。とにかく助けに行かないと・・・」

 スフィンクスに棺が奪われてしまったら、それこそ強姦されてしまうのだ。今すぐにでも行動に移す必要がある。

 「テセウス・・・」

 戒めるように口を開きかけた相手に。遮るようにしてすぐさま言葉を続けた。

 「それに、アトラス・・・ここで放棄したら・・・オレの・・・今後だって・・・どうなるんだ?」

 ハデスの要望に応えて。王妃を無事に届けてこそ、身分も住まいも与えられ、自分の人生が新しく始まる。そう認識してきたのだ。

 それなのに。急にアトラスからやめることを提案されても戸惑いしかない。

 「取り返したいのか、取り返したくないのか・・・正直言うと、今もまだわからないけど・・・オレの過去だって・・・ここで辞退したら、それこそ取り戻す機会も失ってしまう・・・そうだろ?」

 断ってしまったら、後々、記憶を取り戻したいと望んだとしても、もう終わりなのだ。全ての可能性が白紙になる。

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