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5:非道な霊託と淫毒を刺された身体と

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  「王妃の・・・行方・・・じゃぁと・・・アレじゃぁ・・・でも、アレはなんじゃぁ?」

 「パンドーラの棺じゃぁ・・・そこに閉じ込められてじゃぁ」

 「ヘパイストス・・・作ったのは奴じゃぁ・・・封印がされてじゃぁ」

 視えている内容が一瞬にして変わった様子に。急いで尋ねる。

 「その棺はどこにある?」

 「あぁ・・・アレは・・・メデューサじゃぁ・・・メデューサの岩窟・・・にあじゃぁ」

 (メデューサ!?)

 聞こえてきた、知らない者などいない恐怖の怪物の名に息をのむ。

 「おや・・・今度はスフィンクスじゃぁ・・・おぉう・・・そういうことじゃぁ」

 「そうじゃぁ、そうじゃぁ・・・そういうことじゃぁ」

 「どういうことだ?」

 一体、何が視えているというのか。またしてもよく知られた人獣の名を聞かされ、おののく。

 「おぉ・・・そうじゃぁ・・・スフィンクスが持ち帰る前にじゃぁ、メデューサの所で取り戻さないとじゃぁ・・・」

 「王妃は・・・孕まされじゃぁ・・・ヒヒヒ・・・」

 「そうじゃぁ・・・これは愉快じゃぁ。無理矢理に孕まされじゃぁ・・・ケケケ・・・」

 その内容に目を見開いた。

  (なんだって・・・)

 ということは、つまり――と湧き上がった疑念を追うようにして、言葉が聞こえてきた。

 「望まぬ妊娠じゃぁ・・・ヒヒヒ・・・」

 「たっぷりと中に出されてじゃぁ・・・ケケケ・・・」

 「注いでぇ~ 早くぅ~ と腰を振ってねだってじゃぁ・・・おやおや、あれあれ、発情ヒートじゃぁ・・・無理矢理に狂わされてじゃぁ、たまらないじゃぁ!!」

 (なんてことだ・・・)

 こみ上げる怒りが声となって出てきそうで、思わず口元を押さえた。望まぬ妊娠とは・・・強姦ではないか。強制的な発情状態ヒートにまでさせられて。誰がそんな下劣な行為を許せるか。

 (スフィンクスの魔の手に渡る前に・・・なんとしてでも救わなければ・・・)

 「おぉぅ、おぉぅ・・・すごい性交じゃぁ・・・ビンビン、くじゃ、くじゃぁ!!」

 「噛まれて、噛んでの・・・まさに獣の交尾じゃぁ・・・おほっ、おほっ、おほっ」

 「フッ、フッ、フッ・・・」

 「やめろ!! もういい!!」

 凝りもせずに自慰を再開した異形たちに一喝する。

 「霊視は終わりにしろ。これ以上はよせ」

 「なんじゃぁ?」

 「終わりじゃぁ?」

 「これで終わりじゃぁ?」

 三つの首がグルンッと同時に向いた。眼球がギラリと光を発した。

 「まだじゃぁ!! まだ達しておらんじゃぁ!!」

 「誰じゃぁ、邪魔する奴は!!」

 「テ~セ~ウ~ス~ 邪魔は許さんじゃぁあぁ~」

 ぶわんっと闇色の怒気が老婆たちの全身から湧き上がった。連動して、ゾワゾワゾワゾワッと。大木の黒い枝が一斉に地面から浮かび上がった。

 「邪魔者は嬲ってやじゃぁあぁーー!!」

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