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57 報告会①
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「ぶはっ!ぶはははははっ!」
今、俺はリックに大爆笑されている。
「くくっ……納得だよっ」
今、俺はタバサに納得されている。
「「そりゃ、ソブルが悪いっ!」」
ハモった上に大爆笑だ。
しかも収まらず、ヒィーヒィー言い始めてる……
キナコはそんな俺達を無視して、あちらを向いたまま箱座り。
耳も動かしてくれない……
その後ろで俺は体育座りのまま項垂れるしかないだろ?
それを見てリック達が腹を押さえて笑い転げる状態。
いとシュール……
「キナコだって、嫌な時は嫌だろうにっブフッ」
まだ笑いてぇなら喋るなよ……
「ソブルの気持ちも、わからないでもない、がっ」
タバサ、笑いを堪え切れてないぞ……
帰宅後、キナコを発見した安心感からなでまくってたら、盛大にウザがられての今だ。
いや、時々猫吸いをしてたのも悪かったのか?
串焼き食べる時も無言で……
俺のライフは0だ。
そんな話を帰宅したリック達にしたら、この状況。
俺のライフはマイナスだ。
「……好きに笑えよ」
さらなる大爆笑に凹む俺。
平和って素晴らしいな……
十分後。
笑いが収まってから本日の報告会だ。
キナコはまだ箱座りであちら向き。
だが、耳はこちらを向いているのでホッコリだ。
まずはリック達の報告。
リック達は、あの『死の揺り籠』があった付近の調査を3組のパーティーと合同で行ったそうだ。
調査の結果は、不審点しかなかったらしい。
あの状況になる為には、森の中から持ち出さなければならない。
が、付近に月追い草が群生している場所は無く。
単体で発生している所もなし。
倒れていた魔物の状態から、魔物が運んだとも考えられず、不審である。
白骨した魔物がいたが、臭いや他の魔物の状態、生存していた物もいたので、あの場所に『死の揺り籠』が発現したのは、わりと最近だと考えられる。
下手をしたら数日前と言う事もあるが……
かなり不審である。と。
坊っちゃんの話もギルド長から極秘で伝えられたそうだ。
坊っちゃんは、あの場所に向かってなかったそうだ。
向かったのは、前回参加した森方面。
『死の揺り籠』と真逆になる方向だ。
森に踏み入れる直前に、甘い靄に包まれて。
気付いたら俺達の言い合いの真っ只中にいたそうだ。
「……怖っ」
完全に事件じゃないか。
「だな。何者かに命を狙われたとしか思えないな」
「始末の仕方がえげつないな……」
「わざわざ面倒な方法を取ってはいるけどもねぇ」
確かに。
「だよな……わざわざそんな距離移動させてるのも変な話だな」
「目撃者を増やす危険の方が大きくないか?」
「しかも完全に息がある状態で放置するかい?」
謎しか生まれん。
「他の目的があった……のか?」
「わかんないねぇ」
「今の段階では、何もわからないって事だな」
これ以上何も出て来ないので、リック達の話は終了。
次いで俺の報告になった。
「ぶはっ!ほ、本質乙女ってっ!」
「くくくっ……結構ソブルは有名になってるよ?」
「何故そこで笑いが生まれるんだよ……俺は必死で働いてたんだぞ?」
笑わそうと思って話して無いのですが?
「ゴフッ?! 開けたのかっ?! ぶははははっ!」
「普通そんな状況で蓋開けようとは思わないぞ?」
「だってよ……少年心をくすぐられたんだぞ?」
「わかるが、わかるけどよっ?! ぶははははは!」
リックは笑い転げ、タバサは両腕をさすり俺の報告を楽しんでいる様子。
なんか切ない。
「んじゃ、後は1部屋残ってるだけかい?」
「それと屋上の櫓部分だな……そっちの方がヤバそうだな」
「ヤバいのかよ……」
ゲッソリするわ。
「それに聞こえた声、死霊系の声。間違いないか?」
「あぁ……間違いないはずだ」
OKさんから聞いたから間違いない。
「怪しいね……」
「しっかり聞いたぞ?」
「ソブルがじゃなくてさ。なんだかきな臭いんだよ」
「んにゃっ?!」
「「「っっ?!」」」
今まで静かに聞いていたキナコが突然鳴いて、尻尾ピンピンでこちらを睨んでいる。
「いや、キナコが臭いじゃないぞっ?!」
「そ、そうだよ!怪しい話だって事をっ」
「キナコがっ、ぶふっ、勘違い、ぶふっ、だぞ?」
キッとリックを睨んだキナコが、猛烈猫パンチをお見舞いしている。
可愛い。
キナコの勘違い、可愛い。
「ちょっ?! ソブル、タバサ!助けてっ!」
「んにゃっ!にゃにゃにゃにゃ!ぐるるっ!」
キナコのキャットファイトっぷりに俺とタバサは癒されるのであった……
「おいっ!ちょっ!ソブルっ!あたたたたっ!」
「ぐるるっ!ぐるるっ!」
今、俺はリックに大爆笑されている。
「くくっ……納得だよっ」
今、俺はタバサに納得されている。
「「そりゃ、ソブルが悪いっ!」」
ハモった上に大爆笑だ。
しかも収まらず、ヒィーヒィー言い始めてる……
キナコはそんな俺達を無視して、あちらを向いたまま箱座り。
耳も動かしてくれない……
その後ろで俺は体育座りのまま項垂れるしかないだろ?
それを見てリック達が腹を押さえて笑い転げる状態。
いとシュール……
「キナコだって、嫌な時は嫌だろうにっブフッ」
まだ笑いてぇなら喋るなよ……
「ソブルの気持ちも、わからないでもない、がっ」
タバサ、笑いを堪え切れてないぞ……
帰宅後、キナコを発見した安心感からなでまくってたら、盛大にウザがられての今だ。
いや、時々猫吸いをしてたのも悪かったのか?
串焼き食べる時も無言で……
俺のライフは0だ。
そんな話を帰宅したリック達にしたら、この状況。
俺のライフはマイナスだ。
「……好きに笑えよ」
さらなる大爆笑に凹む俺。
平和って素晴らしいな……
十分後。
笑いが収まってから本日の報告会だ。
キナコはまだ箱座りであちら向き。
だが、耳はこちらを向いているのでホッコリだ。
まずはリック達の報告。
リック達は、あの『死の揺り籠』があった付近の調査を3組のパーティーと合同で行ったそうだ。
調査の結果は、不審点しかなかったらしい。
あの状況になる為には、森の中から持ち出さなければならない。
が、付近に月追い草が群生している場所は無く。
単体で発生している所もなし。
倒れていた魔物の状態から、魔物が運んだとも考えられず、不審である。
白骨した魔物がいたが、臭いや他の魔物の状態、生存していた物もいたので、あの場所に『死の揺り籠』が発現したのは、わりと最近だと考えられる。
下手をしたら数日前と言う事もあるが……
かなり不審である。と。
坊っちゃんの話もギルド長から極秘で伝えられたそうだ。
坊っちゃんは、あの場所に向かってなかったそうだ。
向かったのは、前回参加した森方面。
『死の揺り籠』と真逆になる方向だ。
森に踏み入れる直前に、甘い靄に包まれて。
気付いたら俺達の言い合いの真っ只中にいたそうだ。
「……怖っ」
完全に事件じゃないか。
「だな。何者かに命を狙われたとしか思えないな」
「始末の仕方がえげつないな……」
「わざわざ面倒な方法を取ってはいるけどもねぇ」
確かに。
「だよな……わざわざそんな距離移動させてるのも変な話だな」
「目撃者を増やす危険の方が大きくないか?」
「しかも完全に息がある状態で放置するかい?」
謎しか生まれん。
「他の目的があった……のか?」
「わかんないねぇ」
「今の段階では、何もわからないって事だな」
これ以上何も出て来ないので、リック達の話は終了。
次いで俺の報告になった。
「ぶはっ!ほ、本質乙女ってっ!」
「くくくっ……結構ソブルは有名になってるよ?」
「何故そこで笑いが生まれるんだよ……俺は必死で働いてたんだぞ?」
笑わそうと思って話して無いのですが?
「ゴフッ?! 開けたのかっ?! ぶははははっ!」
「普通そんな状況で蓋開けようとは思わないぞ?」
「だってよ……少年心をくすぐられたんだぞ?」
「わかるが、わかるけどよっ?! ぶははははは!」
リックは笑い転げ、タバサは両腕をさすり俺の報告を楽しんでいる様子。
なんか切ない。
「んじゃ、後は1部屋残ってるだけかい?」
「それと屋上の櫓部分だな……そっちの方がヤバそうだな」
「ヤバいのかよ……」
ゲッソリするわ。
「それに聞こえた声、死霊系の声。間違いないか?」
「あぁ……間違いないはずだ」
OKさんから聞いたから間違いない。
「怪しいね……」
「しっかり聞いたぞ?」
「ソブルがじゃなくてさ。なんだかきな臭いんだよ」
「んにゃっ?!」
「「「っっ?!」」」
今まで静かに聞いていたキナコが突然鳴いて、尻尾ピンピンでこちらを睨んでいる。
「いや、キナコが臭いじゃないぞっ?!」
「そ、そうだよ!怪しい話だって事をっ」
「キナコがっ、ぶふっ、勘違い、ぶふっ、だぞ?」
キッとリックを睨んだキナコが、猛烈猫パンチをお見舞いしている。
可愛い。
キナコの勘違い、可愛い。
「ちょっ?! ソブル、タバサ!助けてっ!」
「んにゃっ!にゃにゃにゃにゃ!ぐるるっ!」
キナコのキャットファイトっぷりに俺とタバサは癒されるのであった……
「おいっ!ちょっ!ソブルっ!あたたたたっ!」
「ぐるるっ!ぐるるっ!」
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