42 / 65
42 ここからは有料?
しおりを挟む
晩飯か……
材料は各種少しずつ残ってるんだよな……
いや、鳥ササミが消えたか。
塩気のある加工肉も消えたな。
パンもなくなった……と。
仕方ない……
本日2度目の買い出しに出かけるか。
ったく……
こっからは、有料だかんな?
まずは肉屋だな。
キナコは眠気が強いらしく、留守番だ。
リック達もいるから、安心安全のはずだ。
「おう!あんた今朝も来たが、買い忘れかい?」
「いや、遠征帰りの腹減らしがな?」
「あぁ~……いや、よくわかったよ。大変だったな?」
「食い物ってあんなに早く消えるもんなのな……」
「……サービスしとくよ」
「……ありがたいよ」
鳥ササミ、鶏肉、ボア肉、ベーコン、ソーセージ、干し肉を買った。
金貨を残して、そろそろ俺の稼ぎが消える予感がヒシヒシとする。
少しのオマケじゃ、歯止めが利かない程に。
セロリとマッシュルームを買ってオマケにまたレモンとりんごを貰った。
可哀想な目が周辺から俺に刺さって来るのが、なんともかんとも。
ミルクも買い足し、パン屋に寄った。
ここのは、丸くてドッシリしたパンが多いな。
ここら辺のパンは、ライ麦パンが主流らしい。
町の食堂とかでも黒パン見たからな。
あれはきっと長期保存して硬くなったヤツを安く仕入れたんだろうな。
広場で売ってる白パンは値段が高かったから、それなりの人間しか買えないよな。
セレブな人々……稼いでる冒険者か?
ここの店も白パンは少量しか置いてないみたいだし……
値段が黒パンの2倍だ。
ライ麦、いも(じゃがいも)、ソーセージ、ベーコン……
って事は、ここら辺は寒冷地域になるのか?
『※その認識でOKです』
今はわからんが、冬は厳しそうだな。
どこまでの寒さになるかわからんが……
対策は練っておかないとならんな。
ライ麦パンと白パンを買った。
勿論、白パンはキナコ用。
まだ柔らかい食べ物が良い時期だと思うからな。
好みは大人だが心配だからな。
人間側はライ麦パンで充分だ。
だって完全な大人だからな。
ただし、精神的な物は除く。
リックが自称大人になっちまうからな。
一応、薬屋にも寄ってみた。
小麦粉は薬屋で買えるからな。
薬屋って、何でも売ってるよな。
前の世界でも何でも売ってたし。
ハッキリ言って、何でも屋に変えた方がいいんじゃねぇの?
前回来た時に小麦粉を買ってるんだがな?
シチューのことで頭が一杯でな?
値段の差とか考えてなかったんだよ……失敗したぜ。
反省しつつ、再度チェックだ。
小麦粉は、ライ麦の2倍で確定した。
しかも、混ぜもの無しの小麦粉だと4倍らしい。
混ぜもの有りなのか……と思っていたら、1箇所の農家だけじゃなく、他の農家と合わせた小麦粉だって事らしい。
品質にバラつきがあるからだとか。
混ぜもの無しの農家は、国の南側からの輸入品だそうだ。
そうなのか……
ちなみにそばの実と粉もあったので、購入した。
ライ麦とそんなに値段は変わらない感じだ。
使える物は何でも使わせて貰う。
米がない所で、バリエーションが少ないとシンドく感じるからな。
食い物でテンション下がると、生きる力も下がっちまうからな。
そこら辺はキープしてかないと、キナコが可哀想だろ?
広場に寄り、お猫様専用串を10本買う。
いざという時の為だが……
そのうち、キナコに恵んで貰わなければならない日も来るかもしれない……
家に帰るとキナコが出迎えてくれた。
可愛い……ん?
あれ?
なんでキナコ?
ドア締めておいたよな?
「キナコ、ドア空いてたか?」
「くるる」
「まさか、自分で開けたのか?」
「にゃん!」
「キナコ……賢いなぁ」
「にゃん!」
可愛いなぁ……可愛いが、危ないなぁ……
外に出た瞬間に野良猫さんになるぞ?
外は危険が危ないんだ。
「危ない事はしちゃダメだぞ?」
「にゃん!」
「家の外には、1人で出ちゃダメだ」
「にゃん!」
「出るなら、俺と一緒にだ」
「にゃん!」
「可愛いなぁ……」
「にゃん!」
くぅ、可愛い……
わかっている様でわかってない感じがたまらなく可愛い……
いや、賢いキナコはきっとわかっているはず。
わかっていながらも、俺の為に可愛いキナコでいてくれている……はず。
……まぁ、気を付けて見ていこう。
さてと。
晩飯な。
もう一品料理で良さそうな気がするからな。
多くて二品だ。
その代わり、多めで出すか。
まぁ、とりあえず作るか。
干し肉を【強化】をかけた包丁で1センチ程に切る。
鍋に水を入れ、干し肉を入れ火にかける。
玉ねぎ、人参、キャベツにセロリ、ベーコンを1センチ程に刻む。
ガーリックを1片みじん切りにしておく。
鍋が煮えて来たら、トマトを数個投入し、サッと回収。
水でトマトを冷やしながら、手で皮を剥く。
まぁ、湯剥きだな。
皮を剥いたトマトをザクザク切る。
切った物全てを鍋に入れ水を追加し、混ぜ合わせる。
ひと煮立ちした所で塩・胡椒、オレガノ・タイムを投入し、野菜がトロトロになるまで煮込む。
煮込んだら、種があるのはご愛嬌ミネストローネの完成だ。
コンソメ……欲しいよなぁ……な、お味。
干し肉とベーコンが頑張ったよ。
もう一品。サモンを少し使うか。
サモンの切り身に塩・胡椒をふる。
前回シチューの時にも使った小麦粉を切り身にふる。
フライパンに油を敷き、切り身を投入。
裏返した際にバターを追加し焼き?揚げ?していく。
カリッと仕上がったは、くし切りしたレモンを添えて、サモンのムニエルが完成。
簡単だな。
俺はよくバターを焦がすから、後で追加するんだ。
バター炒め系で、上手く出来た試しがないんだよ……
ホント簡単そうで難しいよな。
んで、後はパンが有ればOKだな。
「いい匂いだな……」
「ホントだね……旨そうだよ……」
自然と皆がリビングに集合したので、シーツを敷き、キナコの食事を出す。
「さて。2人共に言って置かねばらならい事がある」
「何だよソブル、改まって」
「実はな?俺の持ち金がピンチになりそうなんで、ここから作り続けるなら食費が欲しいんだ」
「「あっ……」」
「すまん!忘れてた……」
「ついうっかりしてたよ……」
「昼の分は俺の気持ちだからいらねぇんだがよ?これからってなると、流石に俺の稼ぎで3人とキナコ分ってのはキツくてな?早めに言っておこうと思ってよ?」
「確かにな……俺かなり食うし……」
「ああ……あたしもだ……」
「俺もここに世話になってるから、出来る範囲飯やら他の事を手伝っていけるとは思うんだ。んでも材料やらを買い出すには、流石にな?」
一緒に暮らすにしても金の面でギスギスしたくないからな。
始めにしっかり決めて置くのが1番だ。
「それとな?一応、俺とキナコの家賃も決めてくれ。食費を決めるにしても、そこら辺もしっかりしておかないと、気が引けるんだよ」
「そんなん別に……」
「駄目だ、リック。そこはしっかりして置く所だぞ?曖昧にしたら、嫁さんが困るんだからな?」
「なっ?! あ、あたしも別に……」
「タバサも。俺への待遇を見て、他の有象無象が来ても困るだろ?しっかり取るもの取って置かねぇと、後で面倒な事になるぞ?いいな?」
「「わかったよ……」」
「とりあえず、リック。これ借りてた分、銀貨3枚だ。納めてくれ」
これで金貨を残してスッカラカンだ。
「おっ、おう……」
「家賃はどうする?相場はどんな感じなんだ?」
「それは、不動産屋に聞かなきゃわからないねぇ」
「バルサの所は?」
「あたしの所かい?2部屋で月金貨1枚」
「それが安いのか高いのか……サッパリわからないな……」
「だねぇ……」
相場が全然わからないとそんなもんか……
「じゃぁ、後で調べるとして……食費はどれくらいを目安にする?」
「うっ……それもサッパリだ……」
「「リック……」」
普段、何食ってるか思い出せよ……
「まぁ、あれだ。家で食う分だけの話だからな。晩飯だけとか、朝晩とかな?例えばだ。普段、どこで何を食ってるんだ?」
「そうだね。だいたい森やらどこやらに出てるから、朝は屋台、昼は携帯食だね」
「ああ、そっか。夜はギルドの食堂か屋台で済ませてたな」
「それだよ、リック。その時に、どれ位食ってたかってヤツだよ」
子供に聞く並だが仕方ない。
いっぺんに話したこっちも悪いしな。
「そうだな……朝はサラッとだから、ソーセージ挟んだやつ3個位と串焼き2本と汁物だろ?」
「そうだね…それ位だね」
朝からすでに結構食ってるが……?
「昼は携帯食だな。硬いパンと干し肉、水か?」
「チーズやりんごなんか一緒の時もあるよ」
「比較的ゆとりがある時な」
「だね。すぐに動けないと危ないからね」
昼は悲しい程の食事だな……危険が付き物だから、仕方ないっちゃ仕方ないのか。
「夜はギルドの食堂で、とりあえず肉系の皿3枚と何かいも系とか豆系のやつ、汁物とエールだな」
「エールと一緒につまむ物もあったじゃないかい?」
「だな。それ位か?」
「そんなもんだね」
昼の反動がデカい。デカ過ぎる。
「それを金で出していってくれ。ちなみに、朝昼晩どの食事を作って欲しいんだ?」
「朝晩食いたいな!」
「あたしも!」
「ホントは昼も食いたいんだがな………」
「仕方ないさ。あんまり旨い匂いさせてちゃ、襲ってくれってもんじゃないかい?」
「だな」
「んじゃ、朝晩が家で飯だな?量的には、どんだけ食えればいい?」
「昼間食った位の量を夜に食えるか?」
「了解だ。ちなみに今日の晩飯は、これ位だ」
そう言いながら、さっき作っておいたサモンのムニエルと、ミネストローネ、ライ麦パンを出す。
「おかわり分もあるが、足りないか?」
「充分満足だ!」
「ああ。これがおかわり出来るなら、晩飯も大満足だよ!」
「そうか?おかわりがあれば、品数はそんなに要らない感じか?」
「2種類有れば充分だよ!」
「それは助かるな」
「我儘言ってごめんよ?」
「いや、俺も住まわせて貰ってるのに偉そうな事言い出したからな。やってみるさ」
リックの腹が鳴り出したから、ひとまず食事を始める事にした。
ミネストローネもたっぷり作ったからな。
足りるはずだ。多分。
俺は一杯で充分だったが、リックとタバサは3杯食ってたな。
ムニエルもデカいなかと思ってたが、5切れ分。
あと、ライ麦パンのデカい塊をそれぞれ1個分。
ふむ。
早めに金の相談しといて良かった。
善意で食い潰される所だったわ。
「朝は俺も外に出るから、サラッとした物にするぞ?足りなかったら屋台で仕入れて行ってくれ。まぁ試しながらだけどな?」
「そうだな。ソブルも仕事してるもんな」
「おう。稼がないとな」
将来の為にも稼いでおかないと、キナコを抱えて路頭に迷ってしまったら困るんだよ。
「あと、要らない日は直前にわかるか?」
「わかる時もあるが、わからない時もあるな……」
「んじゃ、そん時は【アイテムボックス】に入れて後日消費にしておくか?食事を摂った時に金額発生する様にして、食費から戻せばいいな?」
「それでいいのか?」
「そこは大事だぞ?」
金銭面は、しっかりしとかないとな。
「食費は1か月分かい?」
「いや、金額がデカくなるのが怖いから、1週間分ずつでいいか?一応、余ったら繰り越して使っていくけども」
「面倒じゃないか?」
「リック。大金をホイホイ人に渡すなよ?持ち逃げの危険だってあるんだぞ?それに俺は大金になるだろう食費を管理するのが怖いからな?俺の心臓の為にも、1週間だ」
「そうなのか?なら1週間だな」
「おう。飯の時間は何時くらいだ?」
「朝は6時で、晩は19時がいいねぇ」
「了解だ。んじゃ、明日から開始だな」
「今日からじゃないのか?」
「今日はいいんだよ。2人共に無事だったし。バルサも住むことになったお祝いってやつだ」
「えっ?! あたしっ?! 」
「ん?なんだ?朝晩、飯を食うって事はそういう事だろ?違うのか?」
「……違わなかった、な」
「おう。おめでとう、2人共」
「「……ありがとう」」
「バルサの住んでた所、早めになんとかしとけよ?勿体ないからな?」
「「……」」
2人共、真っ赤だな。
そのつもりの食費だったんじゃないのか?
違うのか?
なんか見つめ合ってるな。
青春か?
新婚気分か?
オッサンには関係ない所だな。
「明日からの食費、忘れるなよ~」
ちなみに朝銀貨2枚、晩銀貨6枚程飲み食いしてた事が判明した2人は、唖然とした表情でしばらく動かないのだった。
1日に食費だけで八千円も食うのは、前の世界でもかなり贅沢だったぞ?
とりあえず、1週間で各自金貨1枚分を回収。
俺の分もそこから出して良い事になった。
最初の1週間は、様子見だな。
足りるといいな……
材料は各種少しずつ残ってるんだよな……
いや、鳥ササミが消えたか。
塩気のある加工肉も消えたな。
パンもなくなった……と。
仕方ない……
本日2度目の買い出しに出かけるか。
ったく……
こっからは、有料だかんな?
まずは肉屋だな。
キナコは眠気が強いらしく、留守番だ。
リック達もいるから、安心安全のはずだ。
「おう!あんた今朝も来たが、買い忘れかい?」
「いや、遠征帰りの腹減らしがな?」
「あぁ~……いや、よくわかったよ。大変だったな?」
「食い物ってあんなに早く消えるもんなのな……」
「……サービスしとくよ」
「……ありがたいよ」
鳥ササミ、鶏肉、ボア肉、ベーコン、ソーセージ、干し肉を買った。
金貨を残して、そろそろ俺の稼ぎが消える予感がヒシヒシとする。
少しのオマケじゃ、歯止めが利かない程に。
セロリとマッシュルームを買ってオマケにまたレモンとりんごを貰った。
可哀想な目が周辺から俺に刺さって来るのが、なんともかんとも。
ミルクも買い足し、パン屋に寄った。
ここのは、丸くてドッシリしたパンが多いな。
ここら辺のパンは、ライ麦パンが主流らしい。
町の食堂とかでも黒パン見たからな。
あれはきっと長期保存して硬くなったヤツを安く仕入れたんだろうな。
広場で売ってる白パンは値段が高かったから、それなりの人間しか買えないよな。
セレブな人々……稼いでる冒険者か?
ここの店も白パンは少量しか置いてないみたいだし……
値段が黒パンの2倍だ。
ライ麦、いも(じゃがいも)、ソーセージ、ベーコン……
って事は、ここら辺は寒冷地域になるのか?
『※その認識でOKです』
今はわからんが、冬は厳しそうだな。
どこまでの寒さになるかわからんが……
対策は練っておかないとならんな。
ライ麦パンと白パンを買った。
勿論、白パンはキナコ用。
まだ柔らかい食べ物が良い時期だと思うからな。
好みは大人だが心配だからな。
人間側はライ麦パンで充分だ。
だって完全な大人だからな。
ただし、精神的な物は除く。
リックが自称大人になっちまうからな。
一応、薬屋にも寄ってみた。
小麦粉は薬屋で買えるからな。
薬屋って、何でも売ってるよな。
前の世界でも何でも売ってたし。
ハッキリ言って、何でも屋に変えた方がいいんじゃねぇの?
前回来た時に小麦粉を買ってるんだがな?
シチューのことで頭が一杯でな?
値段の差とか考えてなかったんだよ……失敗したぜ。
反省しつつ、再度チェックだ。
小麦粉は、ライ麦の2倍で確定した。
しかも、混ぜもの無しの小麦粉だと4倍らしい。
混ぜもの有りなのか……と思っていたら、1箇所の農家だけじゃなく、他の農家と合わせた小麦粉だって事らしい。
品質にバラつきがあるからだとか。
混ぜもの無しの農家は、国の南側からの輸入品だそうだ。
そうなのか……
ちなみにそばの実と粉もあったので、購入した。
ライ麦とそんなに値段は変わらない感じだ。
使える物は何でも使わせて貰う。
米がない所で、バリエーションが少ないとシンドく感じるからな。
食い物でテンション下がると、生きる力も下がっちまうからな。
そこら辺はキープしてかないと、キナコが可哀想だろ?
広場に寄り、お猫様専用串を10本買う。
いざという時の為だが……
そのうち、キナコに恵んで貰わなければならない日も来るかもしれない……
家に帰るとキナコが出迎えてくれた。
可愛い……ん?
あれ?
なんでキナコ?
ドア締めておいたよな?
「キナコ、ドア空いてたか?」
「くるる」
「まさか、自分で開けたのか?」
「にゃん!」
「キナコ……賢いなぁ」
「にゃん!」
可愛いなぁ……可愛いが、危ないなぁ……
外に出た瞬間に野良猫さんになるぞ?
外は危険が危ないんだ。
「危ない事はしちゃダメだぞ?」
「にゃん!」
「家の外には、1人で出ちゃダメだ」
「にゃん!」
「出るなら、俺と一緒にだ」
「にゃん!」
「可愛いなぁ……」
「にゃん!」
くぅ、可愛い……
わかっている様でわかってない感じがたまらなく可愛い……
いや、賢いキナコはきっとわかっているはず。
わかっていながらも、俺の為に可愛いキナコでいてくれている……はず。
……まぁ、気を付けて見ていこう。
さてと。
晩飯な。
もう一品料理で良さそうな気がするからな。
多くて二品だ。
その代わり、多めで出すか。
まぁ、とりあえず作るか。
干し肉を【強化】をかけた包丁で1センチ程に切る。
鍋に水を入れ、干し肉を入れ火にかける。
玉ねぎ、人参、キャベツにセロリ、ベーコンを1センチ程に刻む。
ガーリックを1片みじん切りにしておく。
鍋が煮えて来たら、トマトを数個投入し、サッと回収。
水でトマトを冷やしながら、手で皮を剥く。
まぁ、湯剥きだな。
皮を剥いたトマトをザクザク切る。
切った物全てを鍋に入れ水を追加し、混ぜ合わせる。
ひと煮立ちした所で塩・胡椒、オレガノ・タイムを投入し、野菜がトロトロになるまで煮込む。
煮込んだら、種があるのはご愛嬌ミネストローネの完成だ。
コンソメ……欲しいよなぁ……な、お味。
干し肉とベーコンが頑張ったよ。
もう一品。サモンを少し使うか。
サモンの切り身に塩・胡椒をふる。
前回シチューの時にも使った小麦粉を切り身にふる。
フライパンに油を敷き、切り身を投入。
裏返した際にバターを追加し焼き?揚げ?していく。
カリッと仕上がったは、くし切りしたレモンを添えて、サモンのムニエルが完成。
簡単だな。
俺はよくバターを焦がすから、後で追加するんだ。
バター炒め系で、上手く出来た試しがないんだよ……
ホント簡単そうで難しいよな。
んで、後はパンが有ればOKだな。
「いい匂いだな……」
「ホントだね……旨そうだよ……」
自然と皆がリビングに集合したので、シーツを敷き、キナコの食事を出す。
「さて。2人共に言って置かねばらならい事がある」
「何だよソブル、改まって」
「実はな?俺の持ち金がピンチになりそうなんで、ここから作り続けるなら食費が欲しいんだ」
「「あっ……」」
「すまん!忘れてた……」
「ついうっかりしてたよ……」
「昼の分は俺の気持ちだからいらねぇんだがよ?これからってなると、流石に俺の稼ぎで3人とキナコ分ってのはキツくてな?早めに言っておこうと思ってよ?」
「確かにな……俺かなり食うし……」
「ああ……あたしもだ……」
「俺もここに世話になってるから、出来る範囲飯やら他の事を手伝っていけるとは思うんだ。んでも材料やらを買い出すには、流石にな?」
一緒に暮らすにしても金の面でギスギスしたくないからな。
始めにしっかり決めて置くのが1番だ。
「それとな?一応、俺とキナコの家賃も決めてくれ。食費を決めるにしても、そこら辺もしっかりしておかないと、気が引けるんだよ」
「そんなん別に……」
「駄目だ、リック。そこはしっかりして置く所だぞ?曖昧にしたら、嫁さんが困るんだからな?」
「なっ?! あ、あたしも別に……」
「タバサも。俺への待遇を見て、他の有象無象が来ても困るだろ?しっかり取るもの取って置かねぇと、後で面倒な事になるぞ?いいな?」
「「わかったよ……」」
「とりあえず、リック。これ借りてた分、銀貨3枚だ。納めてくれ」
これで金貨を残してスッカラカンだ。
「おっ、おう……」
「家賃はどうする?相場はどんな感じなんだ?」
「それは、不動産屋に聞かなきゃわからないねぇ」
「バルサの所は?」
「あたしの所かい?2部屋で月金貨1枚」
「それが安いのか高いのか……サッパリわからないな……」
「だねぇ……」
相場が全然わからないとそんなもんか……
「じゃぁ、後で調べるとして……食費はどれくらいを目安にする?」
「うっ……それもサッパリだ……」
「「リック……」」
普段、何食ってるか思い出せよ……
「まぁ、あれだ。家で食う分だけの話だからな。晩飯だけとか、朝晩とかな?例えばだ。普段、どこで何を食ってるんだ?」
「そうだね。だいたい森やらどこやらに出てるから、朝は屋台、昼は携帯食だね」
「ああ、そっか。夜はギルドの食堂か屋台で済ませてたな」
「それだよ、リック。その時に、どれ位食ってたかってヤツだよ」
子供に聞く並だが仕方ない。
いっぺんに話したこっちも悪いしな。
「そうだな……朝はサラッとだから、ソーセージ挟んだやつ3個位と串焼き2本と汁物だろ?」
「そうだね…それ位だね」
朝からすでに結構食ってるが……?
「昼は携帯食だな。硬いパンと干し肉、水か?」
「チーズやりんごなんか一緒の時もあるよ」
「比較的ゆとりがある時な」
「だね。すぐに動けないと危ないからね」
昼は悲しい程の食事だな……危険が付き物だから、仕方ないっちゃ仕方ないのか。
「夜はギルドの食堂で、とりあえず肉系の皿3枚と何かいも系とか豆系のやつ、汁物とエールだな」
「エールと一緒につまむ物もあったじゃないかい?」
「だな。それ位か?」
「そんなもんだね」
昼の反動がデカい。デカ過ぎる。
「それを金で出していってくれ。ちなみに、朝昼晩どの食事を作って欲しいんだ?」
「朝晩食いたいな!」
「あたしも!」
「ホントは昼も食いたいんだがな………」
「仕方ないさ。あんまり旨い匂いさせてちゃ、襲ってくれってもんじゃないかい?」
「だな」
「んじゃ、朝晩が家で飯だな?量的には、どんだけ食えればいい?」
「昼間食った位の量を夜に食えるか?」
「了解だ。ちなみに今日の晩飯は、これ位だ」
そう言いながら、さっき作っておいたサモンのムニエルと、ミネストローネ、ライ麦パンを出す。
「おかわり分もあるが、足りないか?」
「充分満足だ!」
「ああ。これがおかわり出来るなら、晩飯も大満足だよ!」
「そうか?おかわりがあれば、品数はそんなに要らない感じか?」
「2種類有れば充分だよ!」
「それは助かるな」
「我儘言ってごめんよ?」
「いや、俺も住まわせて貰ってるのに偉そうな事言い出したからな。やってみるさ」
リックの腹が鳴り出したから、ひとまず食事を始める事にした。
ミネストローネもたっぷり作ったからな。
足りるはずだ。多分。
俺は一杯で充分だったが、リックとタバサは3杯食ってたな。
ムニエルもデカいなかと思ってたが、5切れ分。
あと、ライ麦パンのデカい塊をそれぞれ1個分。
ふむ。
早めに金の相談しといて良かった。
善意で食い潰される所だったわ。
「朝は俺も外に出るから、サラッとした物にするぞ?足りなかったら屋台で仕入れて行ってくれ。まぁ試しながらだけどな?」
「そうだな。ソブルも仕事してるもんな」
「おう。稼がないとな」
将来の為にも稼いでおかないと、キナコを抱えて路頭に迷ってしまったら困るんだよ。
「あと、要らない日は直前にわかるか?」
「わかる時もあるが、わからない時もあるな……」
「んじゃ、そん時は【アイテムボックス】に入れて後日消費にしておくか?食事を摂った時に金額発生する様にして、食費から戻せばいいな?」
「それでいいのか?」
「そこは大事だぞ?」
金銭面は、しっかりしとかないとな。
「食費は1か月分かい?」
「いや、金額がデカくなるのが怖いから、1週間分ずつでいいか?一応、余ったら繰り越して使っていくけども」
「面倒じゃないか?」
「リック。大金をホイホイ人に渡すなよ?持ち逃げの危険だってあるんだぞ?それに俺は大金になるだろう食費を管理するのが怖いからな?俺の心臓の為にも、1週間だ」
「そうなのか?なら1週間だな」
「おう。飯の時間は何時くらいだ?」
「朝は6時で、晩は19時がいいねぇ」
「了解だ。んじゃ、明日から開始だな」
「今日からじゃないのか?」
「今日はいいんだよ。2人共に無事だったし。バルサも住むことになったお祝いってやつだ」
「えっ?! あたしっ?! 」
「ん?なんだ?朝晩、飯を食うって事はそういう事だろ?違うのか?」
「……違わなかった、な」
「おう。おめでとう、2人共」
「「……ありがとう」」
「バルサの住んでた所、早めになんとかしとけよ?勿体ないからな?」
「「……」」
2人共、真っ赤だな。
そのつもりの食費だったんじゃないのか?
違うのか?
なんか見つめ合ってるな。
青春か?
新婚気分か?
オッサンには関係ない所だな。
「明日からの食費、忘れるなよ~」
ちなみに朝銀貨2枚、晩銀貨6枚程飲み食いしてた事が判明した2人は、唖然とした表情でしばらく動かないのだった。
1日に食費だけで八千円も食うのは、前の世界でもかなり贅沢だったぞ?
とりあえず、1週間で各自金貨1枚分を回収。
俺の分もそこから出して良い事になった。
最初の1週間は、様子見だな。
足りるといいな……
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる