中島と暮らした10日間

だんご

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46 露天風呂

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 酒を飲んだ後は、あまり良くない事だが、せっかく温泉付きなのだからと、入りに来ましたよ。
 屋上の温泉に。
 若干小さめな造りの所だが、お湯が凄くて感動する程温まるんだよ。
 湯冷めしないんだぁ~……いや、汗かき過ぎて冷えた事あったわ。
 けど、普通の所より長持ちな気がする。

 「ふぅ~……」

 露天風呂に出て、ツボ風呂に浸かる。
 ……ちょっとぬるいなぁ。
 けど、寒くはない。
 冷えたら、大風呂に移るよ。
 さっきまで吹雪いていたが、今は雪がちらつく程度。
 クッキリと函館山が見える。
 これはこれで良い景色だな。
 山をゆったりした気持ちで眺めるってさ。
 日常では出来ない事だよなぁ。
 気持ちに余裕がないからだけどさ。
 はぁ~……ぬるい、いや寒いなぁ?
 ツボ風呂。
 少ない量の湯が、寒気にさらされるからか?
 温水プール位にぬるい。
 ちょっと温まる方に行くべきだな。

 ……ヤバい。
 大風呂に移るつもりだったけど、寒くてツボ湯から出れないかも。
 出ようとした瞬間に来る寒気で、ツボ風呂に押し戻される。
 ここから大風呂までの2mちょっとが、想像以上に遠い……
 絶望的な距離とも思える。
 思わず頭を抱えてビックリ。
 ……頭に雪が積もってた。
 いや、頭の上に乗せたタオルの上にだけどもさ。
 コレさ、もっと積もるよね?
 どんどん出れなくなって。
 自分、朝冷たくなってたり……しない?

 ……よし、一気に大風呂まで行ってドボンしよう。
 人もいない事だし。
 少し乱暴に入っても許される、はず。
 覚悟を決めて……『今』!! 

 『(カラカラカラカラ)』

 ツボ風呂から出て数歩で、お客様お一人様追加のお知らせです……

 ……寒いけど。
 ソ~ッと。
 極力ソ~ッと移動。
 マジで泣ける……
 目尻に光る、涙か雪か。
 全神経を集中させて、ソロリと大風呂に沈む。

 あっっつぃっ?!

 ……けど言わないよ?
 迷惑行為、ダメ、絶対。
 目に何か光ってるって?
 汗だよ。汗。
 目から汗が出てるだけだから。

 『ふぃ~……慣れてきたわぁ……』

 海側は暗くて何も見えないな。
 まぁ、ついたてで元々見えないけども。
 少し前までの自分の気持ちも、あんな感じに暗かったな。
 いや、もう少しぼんやりした感じか?
 考えなんて何も浮かばないし。
 解決案なんか出ても、不安感が押し潰してくる。
 あの小人の金縛りが、まんまそれかもしれない。
 ……いやピ○ミンと不安を足したヤツだったけども。

 解決はしなかったけど、希望は見えた。
 なら覚悟は、そっち方面に向けよう。
 時期を見ないと玉砕間違い無しだけど。
 今、自分に出来る事は……あるな。
 1つだけある。
 これを煮詰めて行くか。
 
 『ふはぁ~……結構熱くなってきたなぁ』

 ちょっと考え事に没頭し過ぎたわ。
 こっちの湯はアツアツだ。
 下手したら湯立つよ?
 のぼせるよ?
 けど、雪が積もってたタオルがイイ感じに働いてくれて助かったぁ。

 『そろそろ出るか……』

 咲ちゃんと時間は合わせていない。
 多分、じっくり浸かってくるから、こっちは適度に入って待機している予定。
 その内ホコホコで出てくるさ。
 それまで、棒アイスを食べながら待つよ。
 食べ放題だからね~……
 冷えない程度に、ゆっくり食べてるよ。
 ……まずクリームソーダかな?

 展望スペースで、函館山(シルエット)を見ながら食うアイス……最高です。
 




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