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番外編

EX2-1 クルスおじさんの願い事 ※微

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(今回はRシーンが入る前と後で話を分割します。
 後半、♡や濁点の喘ぎ声が出てくる予定です。苦手な方は読み飛ばして下さい。)







 
 
 卒業が間近に迫る、3月某日。

 いつものようにクルスの部屋で食事を摂り、まったりと過ごしていると、奴が突然「実は明日、誕生日なんだよね」と言い出した。
 なぜ前日に言う。寝耳に水だ。
 
「でも……あれ、クルスの誕生日って9月じゃなかったっけ?」
「この体での誕生日はね。『来栖 浬本当の僕』の誕生日は、明日なんだ。
 だから、少しでいいからしげるにお祝いしてほしくて」
「そうか。そういう事ならもちろん、祝わせてくれよ。
 で、明日で何歳になるの?中の人は」
「え……わからない」
「わかんないのかい」

 ちなみに主人公はブルジャイン暦112年の6月生まれという設定だ。元号はよくわからんが、誕生月と日にちはしげると一致していたから、クルスも中の人と誕生日は一緒なんだろうと思っていたが、どうやら違うみたいだった。
 クルスの中の人の生年月日を西暦で訊いたら、俺の8こ上だった。学年だと9こ。

「俺がこっちの世界に来た時に21歳だったから、中の人は今29歳で、明日で30歳か。
 …………おじさんだな」
「僕、日本での記憶が22歳までしかないんだけど……もう30になるのか」

 クルスおじさんがショックを受けていた。

「クルスおじさん」
「おじさんを、付けないでくれ……」

 あまりに意気消沈としているので、さすがの俺もこれ以上おじさん弄りするのをやめた。

「悪かったよ、チョコプリン買ってやるから」
「いらない」
「え、でも誕生日だよ? お前も知ってると思うけど、俺、あんまりお金持ってないしそのくらいしか」
「別に何かを買ってほしいわけじゃないんだ。
 ただ、その日だけでいいからしげるにお願いしたい事があって……当日、聞いてもらえないかな?」
「んー、まあ……俺に出来る事なら」

 俺が戸惑いながら頷くと、クルスがぱあっと顔色を明るくして、俺の両手を握った。

「簡単だけど、しげるにしか出来ない事だ。
 ……明日、また僕の部屋に来て。楽しみにしているよ」

 花が咲いたようなクルスの笑顔(※中身はもうすぐ30のおじさん)に、俺もつられて笑顔になる。
 しかし、その時わずかに感じた嫌な予感が気のせいではなかったと、約24時間後に思い知る事になった。



 
 
 …………そして約24時間後、クルス(の中の人)の誕生日。
 俺はクルスの部屋の浴室から出たところで、思わず叫び声を上げていた。

「うわああああ! なにこの服……ってか、下着⁉︎ なにこれ」
 
 いつもの部屋着がこつぜんと消え、代わりに用意されていたのは、スッケスケな素材で出来た、白地に金色の刺繍がたっぷりと入った、ベビードールというのだろうか……夜用のランジェリーだった。
 胸元には大きなリボンが付いていて、これを結んだり解いたりして着脱するみたいだ。お揃いのやたら面積の少ない紐パンツまで付いている。

「……これ、クルスの趣味?」

 恐る恐る、俺は既にベッドの中でまさしく"全裸待機"しているクルスに訊ねた。
 
「……そうだけど? しげるの為に用意したんだ。いいから早く着ろよ」
「今日はやけに口悪いな、おっさん」

 おっさんというワードに反応したのか、クルスはムッとした表情でベッドから出ると、ずかずかとこちらに近づいてきて、

「んぐッ」
 
 ……長い指を、俺の口に突っ込んだ。

「今日はそのおっさんがお願いしたい事を聞いてくれると言ったのは、?」

 口内をぐちゃぐちゃと弄られ、反対側の手が尻の肉を強い力で握ったかと思うと、ケツの穴の方に指が伸びてきた。

「くる……ッ、や……、ゃめ……、ひうはあ(着るから)‼︎」

 涙声で訴えると、ずるりと口から指が抜かれてようやく俺は解放された。

「けほっ……願い事を聞くとは言ったけど、と言った覚えはないぞ……っ」
「そうだったっけ?」
「……じゃあ聞くのは一個だけな!」

 そう言って俺は、クルスの目の前で手早くランジェリーを着用した。
 全裸はもう何度も見られてるから今更隠さない。むしろこのどスケベランジェリー姿の方が恥ずかしいくらいだ。

「はい着替えた!願い事、叶えた!おしまい‼︎」

 下を向いて乱暴に言い放つと、さっさと脱ごうと胸元のリボンに手を掛けようとした瞬間に、その手を強い力で掴まれた。

「脱いでいいなんて言ってないよね?
 それに、これは僕のお願いしたかった事じゃない」

「………は? 何言って」

 クルスの言ったことの意味がわからず訊き返そうとすると、そのままお姫様抱っこをされて、ベッドの上にぽすり、と落とされた。

「しげる、」

 クルスが俺の動きを封じるかのように馬乗りになった。……まあ、そういう流れになるのはわかってたんだけど、綺麗な顔が目の前に迫ると、毎回心臓がうるさくなって、緊張してしまう。

「……なんだよ」
「しげるが言うように一つだけでいいから、お願い……聞いて?」

 ついばむようなキスを落とされ、「ね?」と言って首をかしげられると、簡単に絆されてしまう。

「……わかったよ。一応聞くけど、俺が無理だと思ったら別のに変えてもらうからな」
「わかった。………じゃあ、これから一つ、しげるに魔法を掛けてもいい?」
「なんだ、そんな事……」
 
 と言い掛けたところで、俺は奴がヘラルドに掛けた幻覚を見せる魔法や、首を締める魔法の存在を思い出して、首を振った。

「……幻覚で俺の意識を歪めたり、痛くしたり、逆に気持ちよくなりすぎたりするのじゃなければ」

 これだけ条件を設けておけば大丈夫だろう。

 クルスは満足げな笑みを浮かべて「わかった」と言い、紐パンツ越しに既にゆるく勃ちあがってしまった俺のチンコの先端に人差し指で触れると

『自白』

 と、唱えた。

 
 
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