15 / 20
リリーの献身
しおりを挟む
広間では、ウィリスと魔女が険しい表情で対峙していた。
「おかしいと思って見に来てみれば、まさかまだ死んでいなかったとはね…。あなたが死んだら、その魂を捕まえて、一生あたくしの眷属にしてあげるつもりよ」
「そう簡単に死んでたまるか。お前の眷属になどならん」
武装した多くの兵が魔女を囲むが、魔女は全く怯む様子もない。
王宮仕えの魔術師たちも勢ぞろいしていたが、みな、魔女の魔力には勝てない。
彼女の持つ杖には、魔女の魔力を何倍にも増幅する力があるのだ。
そこへ、リリーが飛び込んで来た。
「ウィリス様…っ!」
「リリー?!ここへ来てはいけないと言っただろう!」
ウィリスはとっさにリリーを隠そうとするが、間に合わなかった。
魔女が大きな口をニヤリと歪める。
「あら、そういうこと。珍しい中和魔法の持ち主がいたから、あたくしの呪いも中和していたというわけね」
魔女が杖を構える。
「不眠の呪いなんてまどろっこしいことしないで、すぐに魂を抜いてやればよかった。さあ、今すぐ死んでしまいなさい!」
魔女の杖からおびただしい量の光が溢れ出た。
それは一直線にウィリスに向かい、
「ウィリス様っ!!!」
「リリー?!」
考える前に体が出ていた。
リリーは反射的にウィリスの前に飛び出して、その光線を全て体で受け止める。
「リリーッ!!」
耳が潰れるような爆発音が鳴り響き、辺りはまばゆい光に包まれた。
「おかしいと思って見に来てみれば、まさかまだ死んでいなかったとはね…。あなたが死んだら、その魂を捕まえて、一生あたくしの眷属にしてあげるつもりよ」
「そう簡単に死んでたまるか。お前の眷属になどならん」
武装した多くの兵が魔女を囲むが、魔女は全く怯む様子もない。
王宮仕えの魔術師たちも勢ぞろいしていたが、みな、魔女の魔力には勝てない。
彼女の持つ杖には、魔女の魔力を何倍にも増幅する力があるのだ。
そこへ、リリーが飛び込んで来た。
「ウィリス様…っ!」
「リリー?!ここへ来てはいけないと言っただろう!」
ウィリスはとっさにリリーを隠そうとするが、間に合わなかった。
魔女が大きな口をニヤリと歪める。
「あら、そういうこと。珍しい中和魔法の持ち主がいたから、あたくしの呪いも中和していたというわけね」
魔女が杖を構える。
「不眠の呪いなんてまどろっこしいことしないで、すぐに魂を抜いてやればよかった。さあ、今すぐ死んでしまいなさい!」
魔女の杖からおびただしい量の光が溢れ出た。
それは一直線にウィリスに向かい、
「ウィリス様っ!!!」
「リリー?!」
考える前に体が出ていた。
リリーは反射的にウィリスの前に飛び出して、その光線を全て体で受け止める。
「リリーッ!!」
耳が潰れるような爆発音が鳴り響き、辺りはまばゆい光に包まれた。
0
お気に入りに追加
2,010
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が残した破滅の種
八代奏多
恋愛
妹を虐げていると噂されていた公爵令嬢のクラウディア。
そんな彼女が婚約破棄され国外追放になった。
その事実に彼女を疎ましく思っていた周囲の人々は喜んだ。
しかし、その日を境に色々なことが上手く回らなくなる。
断罪した者は次々にこう口にした。
「どうか戻ってきてください」
しかし、クラウディアは既に隣国に心地よい居場所を得ていて、戻る気は全く無かった。
何も知らずに私欲のまま断罪した者達が、破滅へと向かうお話し。
※小説家になろう様でも連載中です。
9/27 HOTランキング1位、日間小説ランキング3位に掲載されました。ありがとうございます。
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
誤解なんですが。~とある婚約破棄の場で~
舘野寧依
恋愛
「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する!」
わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。
ところが、この国の貴族どころか、各国のお偉方が招待された立太式にて、馬鹿四人と見たこともない少女がとんでもないことをやらかしてくれました。
驚きすぎて声も出ないか? はい、本当にびっくりしました。あなた達が馬鹿すぎて。
※話自体は三人称で進みます。
【完結】婚約破棄にて奴隷生活から解放されたので、もう貴方の面倒は見ませんよ?
かのん
恋愛
ℌot ランキング乗ることができました! ありがとうございます!
婚約相手から奴隷のような扱いを受けていた伯爵令嬢のミリー。第二王子の婚約破棄の流れで、大嫌いな婚約者のエレンから婚約破棄を言い渡される。
婚約者という奴隷生活からの解放に、ミリーは歓喜した。その上、憧れの存在であるトーマス公爵に助けられて~。
婚約破棄によって奴隷生活から解放されたミリーはもう、元婚約者の面倒はみません!
4月1日より毎日更新していきます。およそ、十何話で完結予定。内容はないので、それでも良い方は読んでいただけたら嬉しいです。
作者 かのん
婚約破棄されたショックで前世の記憶を取り戻して料理人になったら、王太子殿下に溺愛されました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
シンクレア伯爵家の令嬢ナウシカは両親を失い、伯爵家の相続人となっていた。伯爵家は莫大な資産となる聖銀鉱山を所有していたが、それを狙ってグレイ男爵父娘が罠を仕掛けた。ナウシカの婚約者ソルトーン侯爵家令息エーミールを籠絡して婚約破棄させ、そのショックで死んだように見せかけて領地と鉱山を奪おうとしたのだ。死にかけたナウシカだが奇跡的に助かったうえに、転生前の記憶まで取り戻したのだった。
婚約破棄により婚約者の薬のルートは途絶えました
マルローネ
恋愛
子爵令嬢であり、薬士でもあったエリアスは有名な侯爵家の当主と婚約することになった。
しかし、当主からの身勝手な浮気により婚約破棄を言われてしまう。
エリアスは突然のことに悲しんだが王家の親戚であるブラック公爵家により助けられた。
また、彼女の薬士としての腕前は想像を絶するものであり……
婚約破棄をした侯爵家当主はもろにその影響を被るのだった。
幼馴染の公爵令嬢が、私の婚約者を狙っていたので、流れに身を任せてみる事にした。
完菜
恋愛
公爵令嬢のアンジェラは、自分の婚約者が大嫌いだった。アンジェラの婚約者は、エール王国の第二王子、アレックス・モーリア・エール。彼は、誰からも愛される美貌の持ち主。何度、アンジェラは、婚約を羨ましがられたかわからない。でもアンジェラ自身は、5歳の時に婚約してから一度も嬉しいなんて思った事はない。アンジェラの唯一の幼馴染、公爵令嬢エリーもアンジェラの婚約者を羨ましがったうちの一人。アンジェラが、何度この婚約が良いものではないと説明しても信じて貰えなかった。アンジェラ、エリー、アレックス、この三人が貴族学園に通い始めると同時に、物語は動き出す。
パーティ会場で婚約破棄を言い渡されましたが、その内容を聞き間違えたようです
水上
恋愛
私、侯爵令嬢のシェリル・パーセルです。
根暗な私は社交界を避けていたのですが、ある日、姉の代理という形でパーティに参加することになりました。
そこには、私の婚約者であるアイザック・ライデルもいました。
そして、パーティが始まるとアイザックは、壇上に立って何か言い始めました。
しかし、私は料理を食べるのに夢中で、彼の話をあまり聞いていなかったのです。
……あれ?
気付けば周りの人たちの視線が、いつの間にか私に集まっています。
えっと、彼、何か言っていましたか?
なんか……、こんにゃくを廃棄するとか言っていたような……。
捨てるくらいなら、まぁ、私が食べますけれど……。
※こちらの作品は、旧作を加筆、修正しての再掲載となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる