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最後のしめにキッシュを食べた後、僕らは店を出た。すぐ近くの見慣れた校内に入っていく。校内に植えられた木々の葉が落ちて、寒々とした印象を与えていた。茶色の幹は艶やかな色をしている。構内を歩きながら、ようやく雲から出てきた日が暖かく僕らを包んでいる。僕はレポートのことを考えていた。真澄ちゃんは別のことを考えているようだ。しばらく、僕を見つめていた。
「なに、真澄ちゃん」
「ん。ちょっとね」
苦味を含んだ笑いが真澄ちゃんの顔に現れていた。だから、難しいことを考えているのではないかと僕は考えていた。梨田さんは「モデルになるからって好き勝手に書くなよ」と注意する。
「わかっている」
真澄ちゃんは真顔で言った。僕は夜の顔が浮かんだ。なぜ夜なんだろうと思わないでもない。もしこの空間に夜がいたらどんな言葉を僕にかけてくれるだろうか。そんなことを考えてしまう。
「まあ。ラブはどうなの」
「ラブ?」
梨田さんがああと合点がついたのかつぶやく。ラブねと納得した。
「恋愛脳派じゃない人もいるだろう」
「片思い中なんだって」
「えっ、誰」
「主婦だって」
「違います。不倫なんかしないからな」
あらと真澄ちゃんはつまらないと言わんばかりの態度だ。僕は腹立たしいから真澄ちゃんをにらんだ。
「まあ。言いたくないのね」
「意外とプライド高いんだな」
「プライベートなことですから」
ふうんと梨田さんが言った。プライベートねとつぶやいて、足元を見た。足元には梨田さんの革靴があったくらいだ。コツコツと地面を叩く。それがちょっと子供っぽかった。何か言いたいことがあるんだろうか。それが頭によぎって梨田さんに何か言うべきか迷っていた。
「なんというかさ。プライベートならさ。なんでモデルなんか受けたんだろうなって思って」
痛いところをつかれた。
「それは」
「いいわよ。私は。プライベートというものはこの世に存在する。それに拓磨ちゃんをからかう理由になるから、やっているだけよ」
「ひどっ」
梨田さんと僕は同時に言っていた。梨田さんは、地面を叩くのをやめた。僕はなんとなくだが、ほっとした。真澄ちゃんが詮索好きではなくて良かったと思う。チャイムがなる前に僕達は別れた。
「で、モデルを引き受けるんだ」
戸井田は面白がっているのを隠さずに言った。真澄ちゃんの攻撃はつづくのかと笑っている。真澄ちゃんに対して戸井田は最初出会ったときよりあまり嫌悪感を抱いていなかったようだ。真澄ちゃんはこちらを見ることもなく女子達と話している。
「不思議だ」
「何が?」
「真澄ちゃんはなぜ女子に人気なのか」
「知らねー」
不思議だよなと言う前に真澄ちゃんがこちらを見つめた。その際、ウィンクを飛ばした。おええっと戸井田が言った。僕は慣れているからあまりなんとも思わなかった。感覚が麻痺していることに僕はようやく気がついた。
真澄ちゃんと一緒にいることにより、真澄ちゃんに対する嫌悪感がなくなってきたのだ。そんな僕に戸井田は「付き合えよ。おまえら。噂になっているんだぞ」と言い出す。僕は「噂?」とびっくりした。
「なんという。真澄ちゃんとおまえができているなんて」
「有り得ない」
今度頭を抱える番だとは僕は思わなかった。真澄ちゃんとできているならば、梨田さんだろうと僕は思った。梨田さんは真澄ちゃんにすごく優しい。まるで女子みたいに扱うけど、男子みたいな扱い方もする。それが親密に見える。僕は真澄ちゃんがずかずか入るから受け入れるしかないから受け入れているだけだ。梨田はあくびをしながら「事なかれ主義のおまえがそうなるのはなんとなくわかった」と言った。
「事なかれって、失礼な」
「まあ。気にするな。噂は噂。おまえが真澄ちゃんを抱いていても驚かない」
「驚けよ」
「たださ。何かされたら警察に通報してやるから。襲われたとか。セクハラまがいのこと」
「しない。真澄ちゃんは」
「わかんねえよ。男だもん」
戸井田は冷ややかに真澄ちゃんを見た。僕も見た。本当にそうなのだろうか。僕は疑問に持つ。戸井田は「そんなピュアなことを言っていると尻が危ないことになるぞ」と言われた。真澄ちゃんの考えていることはわからないけど、そんなことをするだろうか。ただ、疑問だった。
「そういえば。真澄ちゃん。好きな相手がいるのかな」
なんとなく真澄ちゃんの話題になってしまう。
「おまえじゃね」
「やめろ。マジで頼む」
洒落にならないんだよと思った。真澄ちゃんは笑っている。なぜ僕と真澄ちゃんが付き合っていることにならないといけないんだ。ただ、真澄ちゃんは僕をモデルにしたいだけなのに。そのモデルにしたいという気持ちには裏があるのか。
「せいぜいだまされるなよ」
「やめろよ」
真澄ちゃんを知らない僕はこれ以上考えたくないから、教授が来る前に考えていた。今日の小テストを。
バイトに向かう。学校帰りですぐに行ける場所にある。寒い時期なのに、人ごみ波があった。それは、おばさんだったり若い人だったりする。商店街が活気に満ちている。もともと学生の町だから、学生を対象にした値段だから主婦には嬉しい値段なんだろう。商店街の旗を見ながら、歩いていく。
「拓磨」
夜の声が聞こえた。振り返ると夜がいた。夜の顔が明るくなる。
「暗いな」
「そんなことはない」
「そう」
「何をしているの」
「買い出し。そっちは」
「バイト」
夜はニッと笑った。
「がんばれよ」
僕は胸がざわついていた。
「この近くに住んでいるの」
「だったらなんだよ」
「僕もそうなんだ」
「あっそう」
「急いでいるのか」
「うん。彼女を待たせている」
「そっか」
じゃあと言ったまま、僕は笑ったまま、立ち去った。考えなかったわけでもない。実際はいるって噂をしていた。わかっていた。頭は何も受けつけないように道を歩いていく。バイトについたとき、一生懸命に働いた。誰も何も言わなかった。忙しいから気がつかない。やけどを負ったのもいつものことだから気にしていなかった。
鈴さんはいきなり「しっかりして集中しなさい」と言われたくらいだった。集中しなきゃと強く感じた。パンだけ考えていた。
室内は冬なのに熱い。だから、外に出たとき気温の差に体をぶるりと震わしていた。しかし、その寒さが気持ちよかった。
自動販売機の缶コーヒーのボタンを押す。ガラコンと重い音をたてて受け取り口に缶が落ちてきた。冷たいコーヒーを冷えた空気の中飲んでいた。星が見えていた。星と思うと、夜の顔が浮かんだ。梨田さんが彼女の話をしたとき夜にだって彼女がいるとわかっていた。だからこんなにも頭が真っ白になるなんて思わなかった。僕は冷たいコーヒーの甘さを受け入れていた。ひどく一人だと意識した。
夜の幸せそうな顔がたまらず、浮かんだ。ノンケに恋したんだと気がついた。絶望的な気分を味わう。
「あ、いたいた」
鈴さんが声をかけてきた。じっと僕を見るなり、怒り始めた。ぼっーとしているなんて危ない。仕事なめんな。いいから、何か話しなさいよ。言い訳くらい聞くからなど。僕は鈴さんを見つめていた。
「そんなに集中できていなかったですか」
「そうじゃないけど。気になってね」
「気になって?」
「拓磨君のことを、弟みたいに思ったから」
はあとつぶやいた。鈴さんらしからぬ言い方だった。ほら、寒いから入ろうと言われた。鈴さんは今日優しいと思ってしまった。その後思いっきり怒鳴られたが。
帰り道、夜のことを考えないようにした。そうして忘れようとした。そうすると余計に夜の顔が浮かぶ。胸がじりじりと痛い。それは僕が夜のことをあきらめて、夜を思い出にすることだ。そうすることは今の僕には苦しい。好きという感情は厄介だ。コントロールできるようでできないときがある。コントロールできたとしても、あとになって制御不能なんてことがある。
だからか、僕はスナック菓子を買っていた。家に帰って、へとへとになりながら階段を上っていく。階段を上がるたびに息切れしていた。気がつけば自分の部屋で泣いていた。
泣いて、パソコンを付けて映画を見ていた。ただの映画を見ながら、ひたすら、ぼんやらしていた。スナック菓子はしまわれ、麦茶を飲む。無料の映画を見ながら、僕はひたすらじっとしていた。そうして映画を途中で切り上げ、シャワーを浴びて眠った。目がさえている。眠りたくても眠れない。
映画のことを考える。幸せそうな二人を予感させていた。それはいいけど最後は別々の道を歩むのだ。それがなんとなく悲しくなる。いいことなのか僕にはわからない。ただ、変えられないものもある。
「夜」
夜の本当に彼女が好き? なんて言えない。きっと不思議な顔をされるか、怒られるか、関係ないと言われるかだ。好きな相手が男だと言われたら失望される。そういうものだ。夜にそっちの気があるならば幸せになれるだろうか。多分僕は幸せだろう。今よりずっと。
「夜、好きだよ」
声が震えていた。こんな言葉を言うのは今しかないからだ。情けなさが身にしみる。キモイと言われるのはわかっていた。拒絶されるかもしれない。それが僕には怖いのだ。
「好き」と言えるだけでも幸せなことかもしれない。それゆえに勇気も必要になっていくが、大切なことかもしれない。
「なに、真澄ちゃん」
「ん。ちょっとね」
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「ひどっ」
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「で、モデルを引き受けるんだ」
戸井田は面白がっているのを隠さずに言った。真澄ちゃんの攻撃はつづくのかと笑っている。真澄ちゃんに対して戸井田は最初出会ったときよりあまり嫌悪感を抱いていなかったようだ。真澄ちゃんはこちらを見ることもなく女子達と話している。
「不思議だ」
「何が?」
「真澄ちゃんはなぜ女子に人気なのか」
「知らねー」
不思議だよなと言う前に真澄ちゃんがこちらを見つめた。その際、ウィンクを飛ばした。おええっと戸井田が言った。僕は慣れているからあまりなんとも思わなかった。感覚が麻痺していることに僕はようやく気がついた。
真澄ちゃんと一緒にいることにより、真澄ちゃんに対する嫌悪感がなくなってきたのだ。そんな僕に戸井田は「付き合えよ。おまえら。噂になっているんだぞ」と言い出す。僕は「噂?」とびっくりした。
「なんという。真澄ちゃんとおまえができているなんて」
「有り得ない」
今度頭を抱える番だとは僕は思わなかった。真澄ちゃんとできているならば、梨田さんだろうと僕は思った。梨田さんは真澄ちゃんにすごく優しい。まるで女子みたいに扱うけど、男子みたいな扱い方もする。それが親密に見える。僕は真澄ちゃんがずかずか入るから受け入れるしかないから受け入れているだけだ。梨田はあくびをしながら「事なかれ主義のおまえがそうなるのはなんとなくわかった」と言った。
「事なかれって、失礼な」
「まあ。気にするな。噂は噂。おまえが真澄ちゃんを抱いていても驚かない」
「驚けよ」
「たださ。何かされたら警察に通報してやるから。襲われたとか。セクハラまがいのこと」
「しない。真澄ちゃんは」
「わかんねえよ。男だもん」
戸井田は冷ややかに真澄ちゃんを見た。僕も見た。本当にそうなのだろうか。僕は疑問に持つ。戸井田は「そんなピュアなことを言っていると尻が危ないことになるぞ」と言われた。真澄ちゃんの考えていることはわからないけど、そんなことをするだろうか。ただ、疑問だった。
「そういえば。真澄ちゃん。好きな相手がいるのかな」
なんとなく真澄ちゃんの話題になってしまう。
「おまえじゃね」
「やめろ。マジで頼む」
洒落にならないんだよと思った。真澄ちゃんは笑っている。なぜ僕と真澄ちゃんが付き合っていることにならないといけないんだ。ただ、真澄ちゃんは僕をモデルにしたいだけなのに。そのモデルにしたいという気持ちには裏があるのか。
「せいぜいだまされるなよ」
「やめろよ」
真澄ちゃんを知らない僕はこれ以上考えたくないから、教授が来る前に考えていた。今日の小テストを。
バイトに向かう。学校帰りですぐに行ける場所にある。寒い時期なのに、人ごみ波があった。それは、おばさんだったり若い人だったりする。商店街が活気に満ちている。もともと学生の町だから、学生を対象にした値段だから主婦には嬉しい値段なんだろう。商店街の旗を見ながら、歩いていく。
「拓磨」
夜の声が聞こえた。振り返ると夜がいた。夜の顔が明るくなる。
「暗いな」
「そんなことはない」
「そう」
「何をしているの」
「買い出し。そっちは」
「バイト」
夜はニッと笑った。
「がんばれよ」
僕は胸がざわついていた。
「この近くに住んでいるの」
「だったらなんだよ」
「僕もそうなんだ」
「あっそう」
「急いでいるのか」
「うん。彼女を待たせている」
「そっか」
じゃあと言ったまま、僕は笑ったまま、立ち去った。考えなかったわけでもない。実際はいるって噂をしていた。わかっていた。頭は何も受けつけないように道を歩いていく。バイトについたとき、一生懸命に働いた。誰も何も言わなかった。忙しいから気がつかない。やけどを負ったのもいつものことだから気にしていなかった。
鈴さんはいきなり「しっかりして集中しなさい」と言われたくらいだった。集中しなきゃと強く感じた。パンだけ考えていた。
室内は冬なのに熱い。だから、外に出たとき気温の差に体をぶるりと震わしていた。しかし、その寒さが気持ちよかった。
自動販売機の缶コーヒーのボタンを押す。ガラコンと重い音をたてて受け取り口に缶が落ちてきた。冷たいコーヒーを冷えた空気の中飲んでいた。星が見えていた。星と思うと、夜の顔が浮かんだ。梨田さんが彼女の話をしたとき夜にだって彼女がいるとわかっていた。だからこんなにも頭が真っ白になるなんて思わなかった。僕は冷たいコーヒーの甘さを受け入れていた。ひどく一人だと意識した。
夜の幸せそうな顔がたまらず、浮かんだ。ノンケに恋したんだと気がついた。絶望的な気分を味わう。
「あ、いたいた」
鈴さんが声をかけてきた。じっと僕を見るなり、怒り始めた。ぼっーとしているなんて危ない。仕事なめんな。いいから、何か話しなさいよ。言い訳くらい聞くからなど。僕は鈴さんを見つめていた。
「そんなに集中できていなかったですか」
「そうじゃないけど。気になってね」
「気になって?」
「拓磨君のことを、弟みたいに思ったから」
はあとつぶやいた。鈴さんらしからぬ言い方だった。ほら、寒いから入ろうと言われた。鈴さんは今日優しいと思ってしまった。その後思いっきり怒鳴られたが。
帰り道、夜のことを考えないようにした。そうして忘れようとした。そうすると余計に夜の顔が浮かぶ。胸がじりじりと痛い。それは僕が夜のことをあきらめて、夜を思い出にすることだ。そうすることは今の僕には苦しい。好きという感情は厄介だ。コントロールできるようでできないときがある。コントロールできたとしても、あとになって制御不能なんてことがある。
だからか、僕はスナック菓子を買っていた。家に帰って、へとへとになりながら階段を上っていく。階段を上がるたびに息切れしていた。気がつけば自分の部屋で泣いていた。
泣いて、パソコンを付けて映画を見ていた。ただの映画を見ながら、ひたすら、ぼんやらしていた。スナック菓子はしまわれ、麦茶を飲む。無料の映画を見ながら、僕はひたすらじっとしていた。そうして映画を途中で切り上げ、シャワーを浴びて眠った。目がさえている。眠りたくても眠れない。
映画のことを考える。幸せそうな二人を予感させていた。それはいいけど最後は別々の道を歩むのだ。それがなんとなく悲しくなる。いいことなのか僕にはわからない。ただ、変えられないものもある。
「夜」
夜の本当に彼女が好き? なんて言えない。きっと不思議な顔をされるか、怒られるか、関係ないと言われるかだ。好きな相手が男だと言われたら失望される。そういうものだ。夜にそっちの気があるならば幸せになれるだろうか。多分僕は幸せだろう。今よりずっと。
「夜、好きだよ」
声が震えていた。こんな言葉を言うのは今しかないからだ。情けなさが身にしみる。キモイと言われるのはわかっていた。拒絶されるかもしれない。それが僕には怖いのだ。
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