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白木は武藤の背後から、武藤を背中から抱きしめていた。
白木に対して、武藤は安心した。
人のぬくもりが武藤の体を緊張から解ける。
人に化けているが、白木は化け物である。
化け物に安心するなんておかしいと武藤は思っていた。その声は心の小さな声だった。
武藤は知らないふりをした。
雨の粒がシトシトと落ちる音が聞こえる。
それが屋敷全体に包むように、雨が降る。
白木と武藤しか、いない、存在しない世界と実感できる。
武藤は突然、心に虚しさを覚えていた。
複数の人間がいて、初めて人間は社会に存在すると思う。武藤は自分の気持ちとしては、武藤はこのままでいいのかと自分に問いかけている。
武藤は、化け物ではなく、人と関わらない自分がおかしいと思った。
そう、白木と武藤が二人だけの世界でいいのか。
あまえていいのだろうか、そう考えていた。
白木が「ここにいていい」と言ったが、その言葉に対して、意味をその通りに受け取っていない。
この武藤の思いは、いじめられたからか。それとも武藤の本来のものか、わからない。
武藤は消えたいのかも。
自分の存在を消したい。
それは暴力を受けたものの後遺症のようなものか。
呪いのように「おまえなんかいらない」と悪意のかたまりの言葉が武藤の胸に切り刻んでいる。
消えたほうがいいのかと武藤は毎晩のように思った。毎日、無意識で、苦しめられた。
それを忘れるために本を読んでいた。
ライトノベルにのめり込んだことは、同じいじめられた境遇の人間が輝いていく存在になるからだ。
現実には自分では無理だ。
しかし、本の中なら、夢を見ることができる。
図書館から帰り道。こっそり借りる本を読むことは武藤の癒やしだった。
部屋の中で本を読む武藤に母親は文句を言わなかった。
部屋から出てきて一言も話さない息子を母はうらめしいものを見る目で見てから、恥じるように下向く。
普通の家庭のように気持ちを伝えられなかっただろうなと武藤は今、気がついた。
学校は通った。大学も行った。
たまたま小説で食べられるからよかった。
人と話すことが苦手だったが、たいていの人間がそんな武藤に深く関わらない。
当然だろう。
親しくなることは難しい。
人間か、化け物がどちらか、わからない。
多分、武藤は、おかしい人間だと思われているだろう。
「武藤」
白木がいう。
まるで子どもが泣くような声で。
白木が武藤の考えていることがわかるのか。
武藤は不思議に思う。
武藤は自分でもわからない感情が相手に伝わることに対して、恐怖した。
このままでいいのかさえ、わからない。武藤がおびえている。
誰に対して?
そんな問いかけが武藤の頭に言葉として浮かぶ。
人間に対して、怖いと思う。人間が怖いと武藤は思った。
見えないところで悪口を言い。誰も見えないところでいじめる。
もっとひどい人間は笑いながら、なにかにとりつかれた人間のように理不尽な暴力をする。
大抵、そんな人間は許される。
人間としてクズでも、あいきょうがあると言われて重宝されている。
いじめても世間は受け入れる。
いじめられた人間は部屋のすみで泣いても、世界は無慈悲だ。
誰も助けてくれない。
「助けてと言ったか?」
ふいに白木が言った。
「俺は言わなかった」
助けてと言っていいのかさえ、武藤は、わからない。
助けてくれる人間に対して心をとざした。
人間がすべて敵に見えた。
人が信用できなかった。
母親でさえ、父親さえ、武藤を責めると思っていた。それは武藤自身さえも。
結局、白木が見える武藤を白い目で見てくる。
助けてと言っても頭のおかしい人間の話なんて聞かない。
受け流されるか、話を聞いても、聞いた相手が心を消耗する。
無害な生き物でいたかった。
自分がなにも影響しない人間でいたかった。
それは無理なんだと大人になって気がついた。
武藤は生きている限り、人間は雨粒で池の波紋を作るように、歩くたび、土に振動を作るように、人と人は影響を与える。
武藤はそれを否定する。
人は影響を受ける。悪い方向でも、いい方向でも、どちらにしても、グレーでもあっても。
影響を受けつづける。それができずにいる人もいるが。それでも、心のどこかで影響を受ける。
人間として生きている限り、人は影響を受ける。
愛玩になってもそうだった。
武藤と白木はお互いに影響を受けている。
「白木、俺はおまえのなんだ?」
「好きな人」
武藤は黙った。白木の言葉を信用していいのだろうか。
武藤自身、白木がウソをついているとは思えない。
でも、武藤は自分すら信用できない。
怖いのだ。
誰かを信じることが。
また暴力を受けないか。理不尽なことをされないか。怖かった。
「武藤はこわいか?」
「なにが?」
「自分が」
自分が怖いと言われた。武藤は白木の言葉がわからない。
白木が怖いのか。
武藤自身が怖いのか。
聞こえてくる音は雨が落ちる。
「わからない」
今はわからなくていいと武藤は思った。
このままでいいのか、わからない。
武藤は自分がわからないと気がついた。
消えている自分に気がついた。
武藤が思っていたものとは違って、本当の自分の声が聞こえなかった。
心の声が。
初めて武藤は自分に問いかけをした。
「どんな気持ち?」と。
わからなかった。
不安になった。怖かった。
一人で不安になった。
真っ暗な世界だ。
武藤の腰に回した白木の腕が強くなる。
大切な友達が消えてしまわないような、不安がる子どものように。
「ありがとう」
武藤は言ってみた。武藤は孤独だ。
でも、本当に孤独だったのか?
本を読むことによって悲しい気持ちから逃げていたと思った。
そうではない。
重ねることで、幸せになりたいと願ったのだ。
それが心の延命治療のように、心を明日に向かわせた。
痛みをまひさせて、歩いた。生きた。そうしないと生きることをやめてしまう。それでも生きている。
武藤は生きている。
武藤は、ぼんやりする。
武藤は虚しさを覚えていた。
なぜ、俺は生きているのだろう。
目的は祐樹を生きかせるためだと。
しかし、契約した。愛玩になった。
それで祐樹は救われた。そうして、白木にだまされた武藤だけがいる。
武藤は自由なのだろうか。
武藤は不自由だ、消えたい。
生きることに疲れた。
死ぬことは白木が許さない。このままずっと寝ていたい。
白木の冷たい鼻が武藤の首筋に当たる。
武藤はしばらく受け入れていた。そうしないと体が動けない。
ようやく、武藤は目をつぶる。眠くて、スポンジが水を含むように、武藤は虚しさを感じた。
疲れたと武藤はつぶやいた。
一人になりたいと思った。
気がつけば朝だ。武藤はうなされた。夢を久しぶりに見た。ここに来たときはあまり見なかった夢だ。
武藤はまぶたを開いたが、目をつぶった。疲れたのだ。動けなかった。動きたくなかった。
惰眠をむさぼりたかった。
朝日が顔に当たる。武藤は眠りたい気持ちで、布団の中でいた。
白木が現れない。
それをいいことに武藤は布団の中で眠ろうとした。
こんなことをしたことは学生以来だ。それともあの夏以来。
武藤は目を開けた。天井を見た。
白い壁だ。
ぼんやりと見つめる。
白木がいない。
それでホッとしていた。
武藤は自分が疲れたと気がついた。
眠ろうと武藤は思う。眠っていたい。
目をつぶる。
ドクドクと心臓が血液を送る。それが怖かった。
ふいに、白木に心臓をつぶされるのではないか。そんな恐怖が武藤はあった。
自分が幸せなところにいることに慣れなかった。
怖かったのだ。
生きている。それが不思議だ。ふいに消されないか。
白木に体を踏みつぶされないか、不安になった。
武藤は怖かった。
恐怖の思い出、それがよみがえる。
あいつに笑いながらつぶされる。あいつがムカつくからと武藤は言われて、殴られる。その恐怖、言葉の刃が思い出す。
暗い、ノロマ、バカ、こんなやつ、消えていいんだ。
おまえを見ているとムカつく。
だから、俺が正しいんだ。
「そいつを殺す?」
白木が目の前にいた。
白木の目があやしく光っているように武藤は見えた。怒りが。自分の中には生まれていない。
武藤の手先が冷える。
「いい。やめとく。聞いた話によると、死ぬときに悪いことをした人間には地獄の苦しみを味わうらしい。したことを振り返って、良心に虐まれる」
「そんなことがあるか」
「聞いた話だ」
武藤の言葉に白木が理解できずに苦しそうな顔をしている。
「悔やむことがなかったら?」
「それはわからない」
縁は切れたからだ。
知りたくないと思う。
幸せだったら、苦しめたいと武藤は思う。
恐怖でしか、つながれなかったことに相手は忘れている。
一時的な怒り、不満、不安を相手に発散した相手はスッキリして立ち去る。
そんなシステムなんだ。
学校は。
だから、武藤の心を守るために、武藤は心を閉ざしただろう。
白木がいたとしても、いないとしても、心を閉ざしただろう。
そうしなければ守れなかった。白木がいたから寂しかったのだと気がついた。
白木が武藤がいて苦しいとは言わなかった。
武藤はそれに安心した。
この生き物が武藤を必要にしてくれている。それだけでいいのだ。
武藤は生きている。
ポチがいなくなって、悲しかった。
その感情を差し出せば、消えていく。
空虚だが、それは武藤は安心した。
「武藤、おまえが苦しいなら、そばにいる」
だから、消えないでくれと言われた。
白木は涙が目にためた。
始めて見る白木の目に武藤はぼんやりと眺めていた。
今はひたすら、眠い。
武藤はうっすらと思う。
こいつが泣いているときもあるのか。
感慨深い。
そんな気持ちになった。
白木に対して、武藤は安心した。
人のぬくもりが武藤の体を緊張から解ける。
人に化けているが、白木は化け物である。
化け物に安心するなんておかしいと武藤は思っていた。その声は心の小さな声だった。
武藤は知らないふりをした。
雨の粒がシトシトと落ちる音が聞こえる。
それが屋敷全体に包むように、雨が降る。
白木と武藤しか、いない、存在しない世界と実感できる。
武藤は突然、心に虚しさを覚えていた。
複数の人間がいて、初めて人間は社会に存在すると思う。武藤は自分の気持ちとしては、武藤はこのままでいいのかと自分に問いかけている。
武藤は、化け物ではなく、人と関わらない自分がおかしいと思った。
そう、白木と武藤が二人だけの世界でいいのか。
あまえていいのだろうか、そう考えていた。
白木が「ここにいていい」と言ったが、その言葉に対して、意味をその通りに受け取っていない。
この武藤の思いは、いじめられたからか。それとも武藤の本来のものか、わからない。
武藤は消えたいのかも。
自分の存在を消したい。
それは暴力を受けたものの後遺症のようなものか。
呪いのように「おまえなんかいらない」と悪意のかたまりの言葉が武藤の胸に切り刻んでいる。
消えたほうがいいのかと武藤は毎晩のように思った。毎日、無意識で、苦しめられた。
それを忘れるために本を読んでいた。
ライトノベルにのめり込んだことは、同じいじめられた境遇の人間が輝いていく存在になるからだ。
現実には自分では無理だ。
しかし、本の中なら、夢を見ることができる。
図書館から帰り道。こっそり借りる本を読むことは武藤の癒やしだった。
部屋の中で本を読む武藤に母親は文句を言わなかった。
部屋から出てきて一言も話さない息子を母はうらめしいものを見る目で見てから、恥じるように下向く。
普通の家庭のように気持ちを伝えられなかっただろうなと武藤は今、気がついた。
学校は通った。大学も行った。
たまたま小説で食べられるからよかった。
人と話すことが苦手だったが、たいていの人間がそんな武藤に深く関わらない。
当然だろう。
親しくなることは難しい。
人間か、化け物がどちらか、わからない。
多分、武藤は、おかしい人間だと思われているだろう。
「武藤」
白木がいう。
まるで子どもが泣くような声で。
白木が武藤の考えていることがわかるのか。
武藤は不思議に思う。
武藤は自分でもわからない感情が相手に伝わることに対して、恐怖した。
このままでいいのかさえ、わからない。武藤がおびえている。
誰に対して?
そんな問いかけが武藤の頭に言葉として浮かぶ。
人間に対して、怖いと思う。人間が怖いと武藤は思った。
見えないところで悪口を言い。誰も見えないところでいじめる。
もっとひどい人間は笑いながら、なにかにとりつかれた人間のように理不尽な暴力をする。
大抵、そんな人間は許される。
人間としてクズでも、あいきょうがあると言われて重宝されている。
いじめても世間は受け入れる。
いじめられた人間は部屋のすみで泣いても、世界は無慈悲だ。
誰も助けてくれない。
「助けてと言ったか?」
ふいに白木が言った。
「俺は言わなかった」
助けてと言っていいのかさえ、武藤は、わからない。
助けてくれる人間に対して心をとざした。
人間がすべて敵に見えた。
人が信用できなかった。
母親でさえ、父親さえ、武藤を責めると思っていた。それは武藤自身さえも。
結局、白木が見える武藤を白い目で見てくる。
助けてと言っても頭のおかしい人間の話なんて聞かない。
受け流されるか、話を聞いても、聞いた相手が心を消耗する。
無害な生き物でいたかった。
自分がなにも影響しない人間でいたかった。
それは無理なんだと大人になって気がついた。
武藤は生きている限り、人間は雨粒で池の波紋を作るように、歩くたび、土に振動を作るように、人と人は影響を与える。
武藤はそれを否定する。
人は影響を受ける。悪い方向でも、いい方向でも、どちらにしても、グレーでもあっても。
影響を受けつづける。それができずにいる人もいるが。それでも、心のどこかで影響を受ける。
人間として生きている限り、人は影響を受ける。
愛玩になってもそうだった。
武藤と白木はお互いに影響を受けている。
「白木、俺はおまえのなんだ?」
「好きな人」
武藤は黙った。白木の言葉を信用していいのだろうか。
武藤自身、白木がウソをついているとは思えない。
でも、武藤は自分すら信用できない。
怖いのだ。
誰かを信じることが。
また暴力を受けないか。理不尽なことをされないか。怖かった。
「武藤はこわいか?」
「なにが?」
「自分が」
自分が怖いと言われた。武藤は白木の言葉がわからない。
白木が怖いのか。
武藤自身が怖いのか。
聞こえてくる音は雨が落ちる。
「わからない」
今はわからなくていいと武藤は思った。
このままでいいのか、わからない。
武藤は自分がわからないと気がついた。
消えている自分に気がついた。
武藤が思っていたものとは違って、本当の自分の声が聞こえなかった。
心の声が。
初めて武藤は自分に問いかけをした。
「どんな気持ち?」と。
わからなかった。
不安になった。怖かった。
一人で不安になった。
真っ暗な世界だ。
武藤の腰に回した白木の腕が強くなる。
大切な友達が消えてしまわないような、不安がる子どものように。
「ありがとう」
武藤は言ってみた。武藤は孤独だ。
でも、本当に孤独だったのか?
本を読むことによって悲しい気持ちから逃げていたと思った。
そうではない。
重ねることで、幸せになりたいと願ったのだ。
それが心の延命治療のように、心を明日に向かわせた。
痛みをまひさせて、歩いた。生きた。そうしないと生きることをやめてしまう。それでも生きている。
武藤は生きている。
武藤は、ぼんやりする。
武藤は虚しさを覚えていた。
なぜ、俺は生きているのだろう。
目的は祐樹を生きかせるためだと。
しかし、契約した。愛玩になった。
それで祐樹は救われた。そうして、白木にだまされた武藤だけがいる。
武藤は自由なのだろうか。
武藤は不自由だ、消えたい。
生きることに疲れた。
死ぬことは白木が許さない。このままずっと寝ていたい。
白木の冷たい鼻が武藤の首筋に当たる。
武藤はしばらく受け入れていた。そうしないと体が動けない。
ようやく、武藤は目をつぶる。眠くて、スポンジが水を含むように、武藤は虚しさを感じた。
疲れたと武藤はつぶやいた。
一人になりたいと思った。
気がつけば朝だ。武藤はうなされた。夢を久しぶりに見た。ここに来たときはあまり見なかった夢だ。
武藤はまぶたを開いたが、目をつぶった。疲れたのだ。動けなかった。動きたくなかった。
惰眠をむさぼりたかった。
朝日が顔に当たる。武藤は眠りたい気持ちで、布団の中でいた。
白木が現れない。
それをいいことに武藤は布団の中で眠ろうとした。
こんなことをしたことは学生以来だ。それともあの夏以来。
武藤は目を開けた。天井を見た。
白い壁だ。
ぼんやりと見つめる。
白木がいない。
それでホッとしていた。
武藤は自分が疲れたと気がついた。
眠ろうと武藤は思う。眠っていたい。
目をつぶる。
ドクドクと心臓が血液を送る。それが怖かった。
ふいに、白木に心臓をつぶされるのではないか。そんな恐怖が武藤はあった。
自分が幸せなところにいることに慣れなかった。
怖かったのだ。
生きている。それが不思議だ。ふいに消されないか。
白木に体を踏みつぶされないか、不安になった。
武藤は怖かった。
恐怖の思い出、それがよみがえる。
あいつに笑いながらつぶされる。あいつがムカつくからと武藤は言われて、殴られる。その恐怖、言葉の刃が思い出す。
暗い、ノロマ、バカ、こんなやつ、消えていいんだ。
おまえを見ているとムカつく。
だから、俺が正しいんだ。
「そいつを殺す?」
白木が目の前にいた。
白木の目があやしく光っているように武藤は見えた。怒りが。自分の中には生まれていない。
武藤の手先が冷える。
「いい。やめとく。聞いた話によると、死ぬときに悪いことをした人間には地獄の苦しみを味わうらしい。したことを振り返って、良心に虐まれる」
「そんなことがあるか」
「聞いた話だ」
武藤の言葉に白木が理解できずに苦しそうな顔をしている。
「悔やむことがなかったら?」
「それはわからない」
縁は切れたからだ。
知りたくないと思う。
幸せだったら、苦しめたいと武藤は思う。
恐怖でしか、つながれなかったことに相手は忘れている。
一時的な怒り、不満、不安を相手に発散した相手はスッキリして立ち去る。
そんなシステムなんだ。
学校は。
だから、武藤の心を守るために、武藤は心を閉ざしただろう。
白木がいたとしても、いないとしても、心を閉ざしただろう。
そうしなければ守れなかった。白木がいたから寂しかったのだと気がついた。
白木が武藤がいて苦しいとは言わなかった。
武藤はそれに安心した。
この生き物が武藤を必要にしてくれている。それだけでいいのだ。
武藤は生きている。
ポチがいなくなって、悲しかった。
その感情を差し出せば、消えていく。
空虚だが、それは武藤は安心した。
「武藤、おまえが苦しいなら、そばにいる」
だから、消えないでくれと言われた。
白木は涙が目にためた。
始めて見る白木の目に武藤はぼんやりと眺めていた。
今はひたすら、眠い。
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