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村にいたころ、シュイは薬師をしていた老婆を手伝っていた。誰かがけがや病気で苦しむたびに、シュイは自分のこと以上に胸を痛め、相手を癒そうとした。ヒースが知っているシュイは誰よりも心やさしくて、ささいなことでもうれしそうな明るい笑顔をのぞかせる少年だ。あんな何も感じていないような、冷たいシュイの顔は見たことがない。ヒースはまるで見知らぬ他人のような姿に、ショックを隠せない。
シュイ、離れている間、お前に何があった? いったい何がお前を変えた?
ヒースはこぶしを握りしめ、テラス席の少年を見据える。
お前に何があったのかはわからない。だけど石さまでいることがお前にそんな顔をさせるなら、お前がいま幸せでないのなら、俺は何があってもお前を救い出す。
ヒースが幼なじみの少年に固く誓ったそのときだ。
「そーんな物騒な気配を滲ませてると、おっかないお兄さんたちに捕まっちゃうよ」
アルドは笑みを浮かべながら軽い口調で告げると、ヒースの肩に手を乗せた。
「どうせ俺が知る石さまはあんなんじゃないとか、石さまが不幸だったら俺が何としてでも救い出してやるとか、そんなこと考えてんだろ。お前、考えていること何でも顔に出しすぎ。そんなんじゃ救えるものも救えないよ、もっと頭を使って賢くいかなきゃ」
「な……っ」
ヒースはとっさにアルドの手を振り払った。内心驚きを持って、いまもまだ飄々としたようすで佇む男を睨むように見据える。
「お前は何者だ? いったい何を知っている?」
シュイ、離れている間、お前に何があった? いったい何がお前を変えた?
ヒースはこぶしを握りしめ、テラス席の少年を見据える。
お前に何があったのかはわからない。だけど石さまでいることがお前にそんな顔をさせるなら、お前がいま幸せでないのなら、俺は何があってもお前を救い出す。
ヒースが幼なじみの少年に固く誓ったそのときだ。
「そーんな物騒な気配を滲ませてると、おっかないお兄さんたちに捕まっちゃうよ」
アルドは笑みを浮かべながら軽い口調で告げると、ヒースの肩に手を乗せた。
「どうせ俺が知る石さまはあんなんじゃないとか、石さまが不幸だったら俺が何としてでも救い出してやるとか、そんなこと考えてんだろ。お前、考えていること何でも顔に出しすぎ。そんなんじゃ救えるものも救えないよ、もっと頭を使って賢くいかなきゃ」
「な……っ」
ヒースはとっさにアルドの手を振り払った。内心驚きを持って、いまもまだ飄々としたようすで佇む男を睨むように見据える。
「お前は何者だ? いったい何を知っている?」
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