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3. 混ざってみることにする。

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***


…という記憶が蘇った。

マジか…。

とても生々しい映像というか、実体験のような、ついさっき、ここにいるクラスのみんなと異世界転移したという記憶が。

つまり、ハイエルフのカレム・クラヴィンクラフトの千年の記憶に、逢坂律という人間の記憶が上書きされたのだ。


***


とは言え、僕は僕だ。

どうやら僕は、たった今、異世界から転移されたらしいけれど、しかしハイエルフのカレム・クラヴィンクラフトは、今から約1000年前にエルフの森の奥深く、ハイエルフの里で産まれたのだ。

当然、産まれてから今までの記憶もある。

例えて言うならば逢坂律の高校生までの人生という映画を観た感じ。

てことは、僕だけ異世界転生ってことになるのか?

え、でも僕が400年前に気まぐれに造った人造魔石に僕の魔力を充填して成功させた転移だよね。

これってあれか、卵が先かニワトリが先かってやつか。

うん。あまり深く考えない方がいいやつだな。

目の前には呆然として座り込んでいるクラスメイト。

僕がここに存在するから、このことは必然なのかもしれないけれど、僕のせいとも言えなくもないから見守るくらいはしたほうがいい気がする。

だってほら、カラオケ行く約束してたし。

何より1000年も生きていると、物事にそれほど興味が湧かなくなるし、面倒くさくなるのも嫌で、なかなかこういった刺激的な展開が目の前に存在することも稀で。

この国がクソなことは有名なんだけど、拉致られたこいつらはわかんないだろうし。

認識阻害の魔法かけてるから、魔族ハーフの友人以外には認識されてないし、今はエルフだけど、たぶん元の逢坂律の外見とそんなに変わってないと思う。

髪と目の色以外は。

あの転移陣の上に移動して、徐々に認識阻害の魔法を解けば自然に混ざることが出来る筈。




それから、力を得て異世界デビューしちゃって調子に乗ってマウント取ってきたクラスメイトをちょっとだけざまぁしてり、王国の闇を暴いてみたりしたりしなかったりするんだけど、それはまた別の話ってことで。


とりあえずおわり( ´∀`)

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