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2. 高校の友人
しおりを挟む毎日代わり映えのない日常。
つまらない授業、つまらないクラスメイト、つまらない学校。
あと何日我慢したらここに通わなくて良くなるんだろ。
「律、今日帰りカラオケ行かねぇ?」
「ん、別にいいよ」
「やった。俺練習したい曲あんだけど、ヒトカラって嫌なんだよ」
たいして面白くもないことに笑い、好きでもないものを好きであるように振る舞うことを暗黙の条件としてグループという名の派閥を作り、対人防御力を上げて3年間をやり過ごす。
「え、なに、寺嶋たちカラオケ行くん?俺もいい?」
「むしろウェルカム」
「カラオケ?俺も行くわ」
グループの人数は、多い方が良いけれど、多すぎてもダメだ。
どんなに少人数でも発言力の順位はあるし、人数が多ければその中でハブられる可能性がある。
グループの中に暇とエネルギーを持て余してる奴がいたら、気に入らない奴に、それをぶつけて発散しようとする可能性があるのだ。
いっそプライベートなんて無視して死角がないくらいに監視カメラを設置すれば良いのに。
標的になるより監視される方がよっぽどマシなんじゃないかな。たぶん。
「ん?律、どこ行くん?」
「便所」
「もううんこする時間ねーぞ」
「うんこじゃねーよ」
「はははっ…って、はぁ?!」
なんてことを考えてしまうくらいどうしようもない閉塞感を抱えている。
たぶんみんな。
…だからと言ってこれはないだろう。
教室のドアを開き、片足だけ廊下に出した瞬間、ピカーっと後ろから物凄い光がきて、振り向いたら、クラスのみんなが消えていた。
机とか荷物とかはそのままで、教室から背中を向けたほんの一瞬で、嘘みたいに。
「は?何これ」
誰だってこんなことがいきなり起こったらビックリするだろう。
この時、冷静になってそのまま教室を出て、担任とか他の先生を呼びに行けば良かったのかもしれない。
でもこの時僕は、反射的に廊下に出してた片足を、再び教室に入れた。
たぶん、自分の席に戻ろうとしたんじゃないかな。よく覚えてないけれど。
その瞬間、光に包み込まれた。
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