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第2話 一緒に寝ちゃいけないですか⁈
一緒に寝ちゃいけないですか⁈ ①
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バレンタインデーから三日後。私は早くも次なる行動を取ろうとしていた。それは一緒に眠ることだ。
いやいや。バレンタインデーにチョコを貰えた程度で何調子に乗ってるんだ。そう言われるかもしれない。いや、そう言われるだろう。
確かに段階を飛ばしすぎてるのは否めない。
だが、一緒に寝るということは仲が良くないとできないこと。これができるなら、だいぶ仲が深まるということだ。あと、単純に奏お姉ちゃんの寝顔が見たい。
そんなことを考えながら今日も今日とて琴姉の部屋に転がり込んだ。目的はもちろん、いいアイデアを聞くためである。
以上のことを琴姉に伝えると、琴姉は大きな溜息を吐いた。
「あのなあ……。私を某猫型ロボットかなんかと勘違いしてないか?」
琴姉は呆れ果てた顔をしていた。私は痛いところを突かれた。そんなことは思ってもいないが、こう頼ってばかりではそう思われても仕方がない。
しかし、この相談に乗ってくれる適任者が琴姉しかいない。琴姉に頼れなくなったら私は悩みの持って行き場がない。
「琴姉しか頼れる人がいないんだよぉ。どうにかいいアイデアを……」
琴姉に私は懇願する。チラッと下から椅子に座る琴姉を見上げるが、琴姉は厳しい顔をしたままだ。
「と言われてもなあ……。そもそも誰かと寝るなんて経験が私にはない」
そう言って琴姉は険しい表情をしている。
「こうお泊まり会とかそういう経験もないの?」
「私にそんな友達がいると思うか?」
琴姉はさらに険しい表情になった。どうやら地雷を踏み抜いてしまったらしい。私はただ黙っているしかなかった。
しばらく黙っていると、琴姉はパソコンをカタカタと打ち出した。だが、表情が変わることはなく、溜息を吐くばかりだった。
「調べてみても出てこん。犬や猫と寝る方法くらいしかない。残念だが、今回は力になってやれん。自分で考えだしてくれ」
琴姉はお手上げだと言った表情だ。仕方ない。今回は自分で探そう。私はありがとうとお礼を言って琴姉の部屋を後にした。
それから何も案が出ないまま、翌日の夕方になった。今日は買い出しの日だ。数日分の食料を買いにスーパーへと向かった。
今晩の夕食は何にしようか。奏お姉ちゃんはなんでも食べてくれるが、上二人はかなり好き嫌いが激しい。
ちょっとでも嫌いな材料があると露骨に食事量が落ちる。かと言って好きなもので固めると栄養が偏ってしまう。そうなると冬はやはり鍋が鉄板になってくる。
ちょっと鍋が最近多いが、みんな鍋は好きだから文句はないだろう。自分にそう言い聞かせ、白菜や人参、椎茸、鶏肉などの材料を買い物カゴに詰め込んでいった。
買い物が終わりスーパーを出る。それと同時に風に吹かれる。
そろそろ3月も近いというのに風はまだまだ冷たい。春の訪れはまだまだ先のようだ。そんな季節のことを感じていると、目の前にレンタルビデオショップを見つけた。
レンタルビデオか……。昔はよくアニメとかのDVDを借りていたが、スマホやサブスク全盛期の最近では滅多に寄らなくなったなあ。私は昔を懐かしんだ。
まだ自分が昔見ていたアニメは置いてあるかなあ。
昔はビデオ屋に来る度に借りていたが、最近ではそんなことはしない。小学校3年生くらいの頃までだったから、相当昔の話だ。今も置いてあるのか気になる。
あと、最近はどんなのが人気なんだろうか? ちょっと気になってきた。買い物袋が少し重いが久しぶりに寄ってみよう。私は店に入っていった。
店内に入り、真っ先にアニメのコーナーに向かった。確かこのあたりにあったはず。昔の記憶を頼りに作品を探す。あった! 私はそれを見つけることが出来た。
作品の内容は女子中学生くらいの女の子達が悪の組織と戦うという結構ベタな内容だが、それが面白いのだ。
敵キャラも一筋縄で行かない個性的なキャラが揃っており、敵にも感情移入できる作品だ。
パッケージ一つ一つを見ながら、私は懐かしさを覚えていた。そう言えば昔はこの子達みたいになりたいなんて奏お姉ちゃんと一緒に言ってたなあ……。
そして陳列の下の方を見ると、なんとこの作品の続きが出てきたではないか。それも1シリーズではなく、いくつもある。
気になってスマホで少し調べるとなんと今も主人公が変わりながらも続いているらしい。
そっか。こうやって受け継がれていくんだなあ。私はしみじみ思った。今度放送してる時間を調べて今のシリーズでも観てみようかな? 私はそう考えた。
アニメコーナーを見終わった私は、特集コーナーに向かう。なるほど、今はこんなドラマが流行っているのか。普段ドラマを全く見ない私には新鮮に映った。
コーナーの作品を物色しながら移動する。すると、今までとはまるで違う黒に血の色を模した文字が浮かぶ作品が出てきた。どうやらホラーコーナーに来ていたようだ。
ホラーか……。私は怖くてとてもじゃないが観れない。ホラーを観られる人は凄いと思う。私はビビって早送りを連発しそうだなあ。そんなことを考えていると、ふと思いついた。
そうだ。ホラー映画を一緒に観れば一緒に眠れるかもしれない。作戦はこうだ。
まず一緒にホラー映画を観る。そしたら奏お姉ちゃんはきっと怖がるはずだ。
奏お姉ちゃんと私の好きなものはリンクしている。だったら嫌いなものもきっとリンクしているはずだ。きっとそうに違いない。
それで、怖くなると一人で寝る時に思い出して一人に眠れなくなる。そうすれば、奏お姉ちゃんは一緒に添い寝しようと提案してくるはず。
ちょっと古典的な作戦かもしれないが、これなら自分から寝ようという必要はない。その上涙目で怖がっているかわいい奏お姉ちゃんが見られる! 素晴らしい作戦じゃないか! 私はこの作戦を採用することにした。
そうとなればホラー映画を借りなければいけない。あまり怖くない作品だと怖がらないかもしれない。
私はスマホで怖さに定評のある映画を探す。なるほど、この映画か。パッケージはそこまで怖そうにない。
本当に怖いのかな? 私は半信半疑になったがネットの評価は高く、怖い映画ランキングで1位に輝いている。ならばこの映画で決まりだ。私はパッケージからDVD入れを取り出し、レジへと持っていった。
いやいや。バレンタインデーにチョコを貰えた程度で何調子に乗ってるんだ。そう言われるかもしれない。いや、そう言われるだろう。
確かに段階を飛ばしすぎてるのは否めない。
だが、一緒に寝るということは仲が良くないとできないこと。これができるなら、だいぶ仲が深まるということだ。あと、単純に奏お姉ちゃんの寝顔が見たい。
そんなことを考えながら今日も今日とて琴姉の部屋に転がり込んだ。目的はもちろん、いいアイデアを聞くためである。
以上のことを琴姉に伝えると、琴姉は大きな溜息を吐いた。
「あのなあ……。私を某猫型ロボットかなんかと勘違いしてないか?」
琴姉は呆れ果てた顔をしていた。私は痛いところを突かれた。そんなことは思ってもいないが、こう頼ってばかりではそう思われても仕方がない。
しかし、この相談に乗ってくれる適任者が琴姉しかいない。琴姉に頼れなくなったら私は悩みの持って行き場がない。
「琴姉しか頼れる人がいないんだよぉ。どうにかいいアイデアを……」
琴姉に私は懇願する。チラッと下から椅子に座る琴姉を見上げるが、琴姉は厳しい顔をしたままだ。
「と言われてもなあ……。そもそも誰かと寝るなんて経験が私にはない」
そう言って琴姉は険しい表情をしている。
「こうお泊まり会とかそういう経験もないの?」
「私にそんな友達がいると思うか?」
琴姉はさらに険しい表情になった。どうやら地雷を踏み抜いてしまったらしい。私はただ黙っているしかなかった。
しばらく黙っていると、琴姉はパソコンをカタカタと打ち出した。だが、表情が変わることはなく、溜息を吐くばかりだった。
「調べてみても出てこん。犬や猫と寝る方法くらいしかない。残念だが、今回は力になってやれん。自分で考えだしてくれ」
琴姉はお手上げだと言った表情だ。仕方ない。今回は自分で探そう。私はありがとうとお礼を言って琴姉の部屋を後にした。
それから何も案が出ないまま、翌日の夕方になった。今日は買い出しの日だ。数日分の食料を買いにスーパーへと向かった。
今晩の夕食は何にしようか。奏お姉ちゃんはなんでも食べてくれるが、上二人はかなり好き嫌いが激しい。
ちょっとでも嫌いな材料があると露骨に食事量が落ちる。かと言って好きなもので固めると栄養が偏ってしまう。そうなると冬はやはり鍋が鉄板になってくる。
ちょっと鍋が最近多いが、みんな鍋は好きだから文句はないだろう。自分にそう言い聞かせ、白菜や人参、椎茸、鶏肉などの材料を買い物カゴに詰め込んでいった。
買い物が終わりスーパーを出る。それと同時に風に吹かれる。
そろそろ3月も近いというのに風はまだまだ冷たい。春の訪れはまだまだ先のようだ。そんな季節のことを感じていると、目の前にレンタルビデオショップを見つけた。
レンタルビデオか……。昔はよくアニメとかのDVDを借りていたが、スマホやサブスク全盛期の最近では滅多に寄らなくなったなあ。私は昔を懐かしんだ。
まだ自分が昔見ていたアニメは置いてあるかなあ。
昔はビデオ屋に来る度に借りていたが、最近ではそんなことはしない。小学校3年生くらいの頃までだったから、相当昔の話だ。今も置いてあるのか気になる。
あと、最近はどんなのが人気なんだろうか? ちょっと気になってきた。買い物袋が少し重いが久しぶりに寄ってみよう。私は店に入っていった。
店内に入り、真っ先にアニメのコーナーに向かった。確かこのあたりにあったはず。昔の記憶を頼りに作品を探す。あった! 私はそれを見つけることが出来た。
作品の内容は女子中学生くらいの女の子達が悪の組織と戦うという結構ベタな内容だが、それが面白いのだ。
敵キャラも一筋縄で行かない個性的なキャラが揃っており、敵にも感情移入できる作品だ。
パッケージ一つ一つを見ながら、私は懐かしさを覚えていた。そう言えば昔はこの子達みたいになりたいなんて奏お姉ちゃんと一緒に言ってたなあ……。
そして陳列の下の方を見ると、なんとこの作品の続きが出てきたではないか。それも1シリーズではなく、いくつもある。
気になってスマホで少し調べるとなんと今も主人公が変わりながらも続いているらしい。
そっか。こうやって受け継がれていくんだなあ。私はしみじみ思った。今度放送してる時間を調べて今のシリーズでも観てみようかな? 私はそう考えた。
アニメコーナーを見終わった私は、特集コーナーに向かう。なるほど、今はこんなドラマが流行っているのか。普段ドラマを全く見ない私には新鮮に映った。
コーナーの作品を物色しながら移動する。すると、今までとはまるで違う黒に血の色を模した文字が浮かぶ作品が出てきた。どうやらホラーコーナーに来ていたようだ。
ホラーか……。私は怖くてとてもじゃないが観れない。ホラーを観られる人は凄いと思う。私はビビって早送りを連発しそうだなあ。そんなことを考えていると、ふと思いついた。
そうだ。ホラー映画を一緒に観れば一緒に眠れるかもしれない。作戦はこうだ。
まず一緒にホラー映画を観る。そしたら奏お姉ちゃんはきっと怖がるはずだ。
奏お姉ちゃんと私の好きなものはリンクしている。だったら嫌いなものもきっとリンクしているはずだ。きっとそうに違いない。
それで、怖くなると一人で寝る時に思い出して一人に眠れなくなる。そうすれば、奏お姉ちゃんは一緒に添い寝しようと提案してくるはず。
ちょっと古典的な作戦かもしれないが、これなら自分から寝ようという必要はない。その上涙目で怖がっているかわいい奏お姉ちゃんが見られる! 素晴らしい作戦じゃないか! 私はこの作戦を採用することにした。
そうとなればホラー映画を借りなければいけない。あまり怖くない作品だと怖がらないかもしれない。
私はスマホで怖さに定評のある映画を探す。なるほど、この映画か。パッケージはそこまで怖そうにない。
本当に怖いのかな? 私は半信半疑になったがネットの評価は高く、怖い映画ランキングで1位に輝いている。ならばこの映画で決まりだ。私はパッケージからDVD入れを取り出し、レジへと持っていった。
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