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おわかれ

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ぼくたちは家に帰って来た。
ママは、動かなくなったぼくの身体を優しくずっと撫でてた。

「ぷりん。ごめんね。苦しかったよね?怖かったよね?気付いてあげられなくてごめんね。」

ママはずっと泣いてた。

「ママ、もう泣かないで・・・。」

夜もママはぼくの側から離れなかった。
一晩中、ぼくの身体を撫でてた。

次の日には、お友達がぼくに会いに来てくれた。
皆泣いてた。

その次の日、ママもパパもお仕事を休んでぼくのお葬式をしてくれる所に行ったんだ。

お花が沢山飾ってある祭壇があって
ぼくの身体はその前に置かれた。
ママとパパはぼくに手紙を書いてくれた。
それと、ぼくがちゃんと天国に行ける様にってお守りを持たせてくれた。
それから、祭壇のお花をぼくの柩の中に沢山入れてくれた。

「あ、これ。ママの好きなお花だよね?」

白くて小さなキレイなお花なんだ。
ぼくの身体の回りはお花でいっぱいになった。

いよいよ、お別れの時。
ママはぼくの身体に抱きついて泣いてた。
いつもみたいに優しく優しく撫でてくれた。

「ぷりん。今までありがとう。私達の子供になってくれてありがとう。」

ぼくの身体は無くなっちゃった。
小さな小さな箱の中に入ってしまった。

「ぷりん、こんなにちっちゃくなっちゃったね。」

ママはまた泣いた。
小さくなったぼくを大事そうに抱えて優しく撫でた。



その時、ぼくの前に天使様が現れた。

「迎えに来たよ。」

「うん。」

「お別れは出来た?」

「うん。でも、まだママが心配なんだ。ずっと泣いてるから・・。」

天使様はママを見た。

「大丈夫だよ。キミのママなら。きっと乗り越えられる。」

「ほんとう?」

「うん。」

「天使様が言うなら大丈夫だね!」

「それじゃあ、行こうか?」

「うん。」

もう一度、ママとパパを見たとき一瞬ママと目が合った気がした。

「ママ。パパ。本当にお別れだね。ぼくは幸せだったよ。いっぱいいっぱい愛情をくれてありがとう。もう行かないといけないんだ。だから、ぼくはもう行くね!!バイバイ。元気でね!」
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