上 下
123 / 200

研修9

しおりを挟む
翌朝、朝食会場に行くと昨日の3人組に会った。相手はバツの悪そうな顔をしたが、美咲は気にせず挨拶をした。

「おはようございます。昨夜はごめんなさい。」

美咲の言葉を聞くと3人共安心した様に挨拶を返してくれる。

「おはよう如月さん。こちらこそ昨日はごめんね?ちょっと、軽率すぎたね?」

「いえ、大丈夫です。研修頑張りましょうね?」

「そうだね。」

3人と別れると、バイキングだった朝食から野菜ジュースとオレンジジュース・サラダを取ると空いている席に座る。
暫く経つと、背後から声を掛けられた。

「如月さん?おはよう。ここ、一緒しても良いかな?」

「藤崎さん。おはようございます。もちろんですよ!」

藤崎は美咲の向かいの席に座る。

「如月さんはそれだけなの?」

美咲の前にある、サラダとジュースを見て心配そうに言った。

「はい・・、何時もは朝は食べないんですけど。今日は少しでも食べておこうかと思って。」

「・・そうなんだ?あまり無理しないでね?」

藤崎の言葉を聞くと、美咲は可笑しそうにクスクスと笑った。

「?何かおかしい事言ったかな?」

「ごめんなさい。違うんです。本社の営業さんたちもそうなんですけど・・皆過保護だなって思って。」

「それは、同じ会社だし同じ営業だし・・。皆心配するでしょ?」

「ふふっ、そうですね!?本当の両親は居ないけど、沢山のお父さんお母さん・お兄ちゃんにお姉ちゃんが居て幸せだなと思って。」

「如月さん・・・?」

「あっ、ごめんなさい・・。気にしないで下さい。私は、お先に失礼しますね?また、研修会場で。」

「あ~、うん。また後でね?」

美咲は食器類を片すと会場を後にした。そんな、美咲の背中を切ない視線で追った。




✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻




2日目の午前中は座学で、車の成り立ちや歴史などの講義を受けた。
昼食を挟んで、午後からは研修施設の駐車場に集合だった。
メーカーの担当者にプロのドライバー。車は自社製のものとライバル車(競合車)が並べてあった。
最初はメーカーの人間・次にプロのドライバーからの講義を聞いた。
あらかた、説明が終わると車の性能を実体験するということで何人かが指名された。
その中には、美咲も入っていた。

(嘘でしょ?大丈夫なのかな?)

最初はデモンストレーションでプロのドライバーが車を走らせたその先で急に車体の向きが変わった。
タイヤは鳴き、白い煙が立ち上がった。それでも、車体はバランスを崩す事なく走りきった。
それを見たあとに選ばれた人間が3人車に同乗した。

いよいよ、美咲達の番だった。車に乗込むと、挨拶をした。
実際、車の加速はあっという間に100キロになっていた。
急ハンドルで向きを帰ると身体が大きく動いた。
そのまま加速をした。

デモ車から降りると、美咲はまだフワフワしているように感じて座り込んた。

「如月さん?大丈夫?ごめん、ちょっと調子に乗りすぎたかも・・。これ、タオル濡らしてきたから。」

「すみません。それに、良い体感が出来て良かったです。ありがとうございました。」

そんな事をしているうちに、あっという間に夕方になっていた。
2日目の研修も無事に終わりホッとした。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...