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デートのお誘い
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美咲が家に着いたのは23時を少し過ぎた頃だった。
「ただいま・・・。」
そう声を掛けてもなんの返事もない。
「・・・。誰も居る訳ない・・か。」
電気を付けて荷物を置くとベッドに横になった。
目を瞑ると、久堂の言葉を思い出す。
『長嶺さんと付き合うの?』
「私なんかと、、、まさかね?」
ベッドの上でぼんやりしていると段々と微睡んでくる。あと少しで眠りに落ちようとした時にけたたましく携帯が鳴る。
ハッとして急いでバッグから携帯を取り出し着信画面をみると長嶺からだった。
「もしもし?」
『あっ、美咲ちゃん?こんな時間にごめんね?今大丈夫かな?』
電話の向こうから甘い声が聞こえる。
「はい。大丈夫ですよ?どうされましたか?」
『明日の月曜日そっちも休みだよね?何か用事とかある?』
「取り急ぎの用事は無いですよ?」
『じゃあ、明日俺とデートしない?』
「えっ?・・・でも・・。」
『やっぱり何かあった?』
「いえ、そういう訳では無いんですけど・・・。その・・。えっと・・。」
美咲は口籠ると考え込んでしまう。
『うん?何?何でも言ってくれて大丈夫だよ?』
「あの・・。私、デートとかしたことないし。それにお洒落な洋服とかも持ってないし、、、、。」
『あはははっ!そんな事気にしてたの?大丈夫俺はどんな美咲ちゃんも好きだし、そんな事気にしないから!!』
「いや、でもホントに・・・。」
「美咲ちゃん?俺は外見ばかりを気にする人間じゃないよ?だから安心して?」
「・・・。」
『ダメ・・かな?』
「・・駄目じゃ・・ないです。」
『本当に!?良かったー。断られたらマジて凹むからさ。ありがとう美咲ちゃんっ!』
待ち合わせを決めて電話を切った。長嶺はため息を1つついた。
「良かった・・・。」
携帯をテーブルに置くとワインを一口飲んだ。
「・・・。」
何故か長嶺は美咲にとても惹かれた。
久堂の言う『女癖が悪い』というのも嘘ではなかった。大人の女性との駆け引きの恋をしている方が楽だったからだ。
でも、美咲を見ているうちに不思議と興味を惹かれる。
妙に大人びて見えたかと思えば少女の様に笑ったり。支えてあげなければ倒れてしまうんじゃないかと思うほど儚く見えたかと思えばどんな事にも真摯に立ち向かう姿は誰よりも力強く感じた。
そんな二面性のある人間は周りには居なかった。裏表のある人間は嫌というほど見てきた。人間として女性としてどんどんと美咲の事を知りたくなった。
「どうしたんだ、俺は一体・・。」
何時もと全く違う自分に美咲にこんなにも惹かれる自分に戸惑っていた。
「ただいま・・・。」
そう声を掛けてもなんの返事もない。
「・・・。誰も居る訳ない・・か。」
電気を付けて荷物を置くとベッドに横になった。
目を瞑ると、久堂の言葉を思い出す。
『長嶺さんと付き合うの?』
「私なんかと、、、まさかね?」
ベッドの上でぼんやりしていると段々と微睡んでくる。あと少しで眠りに落ちようとした時にけたたましく携帯が鳴る。
ハッとして急いでバッグから携帯を取り出し着信画面をみると長嶺からだった。
「もしもし?」
『あっ、美咲ちゃん?こんな時間にごめんね?今大丈夫かな?』
電話の向こうから甘い声が聞こえる。
「はい。大丈夫ですよ?どうされましたか?」
『明日の月曜日そっちも休みだよね?何か用事とかある?』
「取り急ぎの用事は無いですよ?」
『じゃあ、明日俺とデートしない?』
「えっ?・・・でも・・。」
『やっぱり何かあった?』
「いえ、そういう訳では無いんですけど・・・。その・・。えっと・・。」
美咲は口籠ると考え込んでしまう。
『うん?何?何でも言ってくれて大丈夫だよ?』
「あの・・。私、デートとかしたことないし。それにお洒落な洋服とかも持ってないし、、、、。」
『あはははっ!そんな事気にしてたの?大丈夫俺はどんな美咲ちゃんも好きだし、そんな事気にしないから!!』
「いや、でもホントに・・・。」
「美咲ちゃん?俺は外見ばかりを気にする人間じゃないよ?だから安心して?」
「・・・。」
『ダメ・・かな?』
「・・駄目じゃ・・ないです。」
『本当に!?良かったー。断られたらマジて凹むからさ。ありがとう美咲ちゃんっ!』
待ち合わせを決めて電話を切った。長嶺はため息を1つついた。
「良かった・・・。」
携帯をテーブルに置くとワインを一口飲んだ。
「・・・。」
何故か長嶺は美咲にとても惹かれた。
久堂の言う『女癖が悪い』というのも嘘ではなかった。大人の女性との駆け引きの恋をしている方が楽だったからだ。
でも、美咲を見ているうちに不思議と興味を惹かれる。
妙に大人びて見えたかと思えば少女の様に笑ったり。支えてあげなければ倒れてしまうんじゃないかと思うほど儚く見えたかと思えばどんな事にも真摯に立ち向かう姿は誰よりも力強く感じた。
そんな二面性のある人間は周りには居なかった。裏表のある人間は嫌というほど見てきた。人間として女性としてどんどんと美咲の事を知りたくなった。
「どうしたんだ、俺は一体・・。」
何時もと全く違う自分に美咲にこんなにも惹かれる自分に戸惑っていた。
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