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壊された日々 (その後 ① )
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私とマリーはある場所に向かった。
そこは…。
「あら、リーネ。今日は仕事じゃないでしょ?
それとも、また食べにきてくれたのかい?」
ここは私とマリーが二人で暮らす様になってから最初に訪れた食堂。
そして、いま声を掛けてくれたのが、レニーさん。
少しふくよかな体型をしており、白い割烹着がよく似合う、いかにも街の食堂にいる人って感じだ。
私達の住む場所から程近くにあるため度々店を訪れるようになった。
それに、私は今、ここで働かせてもらっている。
ブライス達の件が終わり、少し経ったある日、お腹が空いた私達はふらりと立ち寄った場所がここだった。
沈んだ顔を見せながら入る私を見て、声を掛けてきたのもレニーさんだ。
空腹と終わった気持ちでポッカリと空いた心を温めてくれたのがこの食堂での食事だった。
食べながら涙を流す私をほっとけなかったレニーさんは私と色々話をしてくれ、そしてここで働かせて貰える様になった。
「で、今日は何を?」
「わたし、酢豚が良い!」
いの一番に答えるマリー。
ここに来て最初に食べたのも確かそれだった。
「本当に好きね、マリーは。で、リーネはどうするの?」
「私は…」
「どうせ、いつものだろ?好きな物食べた方が元気になれるんだ。そうだろ?」
私が答えるより先に声が飛ぶ。
この人はレニーさんの夫でカイルさん。
レニーさんに比べて細っそりした体型をしているが、ここでの料理はほとんどこの人が作っている。
ずっと火の前にいるからだろうか、顔は日焼けをしたかの様に赤く、両手に多少の火傷の跡も見える。
「じ、じゃあ…」
押し切られるように『いつもの』を頼む事にした。
「…だいぶ顔色良くなったね、あんた。
最初の頃なんか今にも何処かに飛び込むんじゃないかってくらいだったし。
まぁ、マリーがいるのがあんたの支えなんだろうね」
レニーさんに言われ、私は厨房の方を見ているマリーに目を移した。
「そうですね、マリーが居なかったら私はもうとっくに…」
あれから私はブライス達のことを考えない様にしていた。
いまさらブライスとユーリ、そしてラークさん達がどうなろうと関係ない。
考えるだけで軽く頭痛が起こってしまう…。
「ほら、これでも食って暗い顔なんか吹き飛ばせ」
コト…っと目の前に置かれたのは何処にでもあるチャーハンだった。
ハムやピーマンなどコレ!と言った食材を使った物ではなく至って普通の…。
「ありがとうございます…」
出された食事を口にする。
この食堂を訪れるのはいつも良く見る顔ばかり。
常連が集まる店であり、あまり知らない顔を見ることは無かった。
「ご馳走様でした」
私達は食べ終わるとレニーさんにお金を払おうとするが、私からのお金は受け取る事はなかった。
働いてる者から取る気は無い、だそうだ。
「明日は頼むよ、リーネ」
「はい」
食堂を後にする私は店を出てから店に対しお辞儀をした。
(本当…良い所に出会えてよかった…)
この場所とマリー、それが今の私の全てだ。
でも、そんな平穏に過ごしていた日々が突如壊されていく…。
翌日、私はマリーを連れ、食堂に行く。
私が働いている間は食堂の二階にマリーを預かって貰えるからだ。
それに、ずっと一人と言う訳でなくレニーさんがマリーの相手をしてくれるので安心して働くことが出来るのもありがたい。
カラン…と扉を開ける音がした後、店に入ってくる人。
でも、いつも見慣れた顔の人ではなく…。
「へぇー、本当にこんなとこにいたんだ、やっぱりブライスは凄いなぁ」
「ら、ラーク…さん…」
いきなり現れた元凶。
その姿を見るなり私の体は硬直し、持っていたお盆を床に落とすと、ガラーン…っと音を立てた。
そこは…。
「あら、リーネ。今日は仕事じゃないでしょ?
それとも、また食べにきてくれたのかい?」
ここは私とマリーが二人で暮らす様になってから最初に訪れた食堂。
そして、いま声を掛けてくれたのが、レニーさん。
少しふくよかな体型をしており、白い割烹着がよく似合う、いかにも街の食堂にいる人って感じだ。
私達の住む場所から程近くにあるため度々店を訪れるようになった。
それに、私は今、ここで働かせてもらっている。
ブライス達の件が終わり、少し経ったある日、お腹が空いた私達はふらりと立ち寄った場所がここだった。
沈んだ顔を見せながら入る私を見て、声を掛けてきたのもレニーさんだ。
空腹と終わった気持ちでポッカリと空いた心を温めてくれたのがこの食堂での食事だった。
食べながら涙を流す私をほっとけなかったレニーさんは私と色々話をしてくれ、そしてここで働かせて貰える様になった。
「で、今日は何を?」
「わたし、酢豚が良い!」
いの一番に答えるマリー。
ここに来て最初に食べたのも確かそれだった。
「本当に好きね、マリーは。で、リーネはどうするの?」
「私は…」
「どうせ、いつものだろ?好きな物食べた方が元気になれるんだ。そうだろ?」
私が答えるより先に声が飛ぶ。
この人はレニーさんの夫でカイルさん。
レニーさんに比べて細っそりした体型をしているが、ここでの料理はほとんどこの人が作っている。
ずっと火の前にいるからだろうか、顔は日焼けをしたかの様に赤く、両手に多少の火傷の跡も見える。
「じ、じゃあ…」
押し切られるように『いつもの』を頼む事にした。
「…だいぶ顔色良くなったね、あんた。
最初の頃なんか今にも何処かに飛び込むんじゃないかってくらいだったし。
まぁ、マリーがいるのがあんたの支えなんだろうね」
レニーさんに言われ、私は厨房の方を見ているマリーに目を移した。
「そうですね、マリーが居なかったら私はもうとっくに…」
あれから私はブライス達のことを考えない様にしていた。
いまさらブライスとユーリ、そしてラークさん達がどうなろうと関係ない。
考えるだけで軽く頭痛が起こってしまう…。
「ほら、これでも食って暗い顔なんか吹き飛ばせ」
コト…っと目の前に置かれたのは何処にでもあるチャーハンだった。
ハムやピーマンなどコレ!と言った食材を使った物ではなく至って普通の…。
「ありがとうございます…」
出された食事を口にする。
この食堂を訪れるのはいつも良く見る顔ばかり。
常連が集まる店であり、あまり知らない顔を見ることは無かった。
「ご馳走様でした」
私達は食べ終わるとレニーさんにお金を払おうとするが、私からのお金は受け取る事はなかった。
働いてる者から取る気は無い、だそうだ。
「明日は頼むよ、リーネ」
「はい」
食堂を後にする私は店を出てから店に対しお辞儀をした。
(本当…良い所に出会えてよかった…)
この場所とマリー、それが今の私の全てだ。
でも、そんな平穏に過ごしていた日々が突如壊されていく…。
翌日、私はマリーを連れ、食堂に行く。
私が働いている間は食堂の二階にマリーを預かって貰えるからだ。
それに、ずっと一人と言う訳でなくレニーさんがマリーの相手をしてくれるので安心して働くことが出来るのもありがたい。
カラン…と扉を開ける音がした後、店に入ってくる人。
でも、いつも見慣れた顔の人ではなく…。
「へぇー、本当にこんなとこにいたんだ、やっぱりブライスは凄いなぁ」
「ら、ラーク…さん…」
いきなり現れた元凶。
その姿を見るなり私の体は硬直し、持っていたお盆を床に落とすと、ガラーン…っと音を立てた。
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