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宝物
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「お、お帰りなさいませ…」
私達を扉の前で出迎えるロータスさんは出ていく時のような威勢の良さは完全に失くし、こちらに対し低い態度を取っている。
無理も無い、あれだけ啖呵を切ったのにアリスの元に行かれたらもう…。
「…ブライス様にはもうバレてますので」
ユーリが一言だけ言うと、ガクっと肩を落とし項垂れていた。
「…もう終わりだ」
「でしょうね、退いてもらえますか?入れないので」
素直に扉を開け私達を通すロータスさんはユーリを見る事はなく私の方を見てきた。
「なんでそんなスッキリした顔されてるんですか、リーネ様。
あなたはもうブライス様と一緒にいるのは無理なはず。
なのにその顔はおかしい」
声をかけてくるロータスさんを横目でみる私だったが特に答えようとせずその場を後にしようとした。
でもそれが余計にロータスさんを刺激したみたいで私を肩を掴み引き止め始めた。
「離してくれませんか、ロータスさん?私は疲れているので」
「疲れている…?そんな顔ではありませんよね。
何があったか言ってください!
アリス様のとこで何が!?」
「あなたに言う義務はありません。ただ…」
「ただ…なんですか!?」
「リーネ、言う必要なんてない。
もうこの人はすぐにこの屋敷を追い出されるんだから」
「黙れ!?…リーネ様早く仰ってください!」
掴んだ肩に力を入れる様は、言うまではここから離れる事はさせないと示しているようだった。
その力は少しずつ強くなるが私は一向に話す事はしなかった。
その時、ユーリが近づき私を掴む手を叩き落としロータスさんに言い放った。
「あなたが掴んでいるのはこの家の主の妻。
そんな人に手を上げてただで済むと思っているの?
それも先程に続いて今回も…」
そう言うユーリの顔はかなり険しく、キッと睨むその目に圧倒されロータスさんは私とユーリの元を後退りしながら離れていった。
「リーネ、早くマリーのとこ行こう」
「うん」
私達が部屋の近くにいくとマリーが部屋の前をウロウロしていた。
そしてこちらに気づくと急いでこちらに駆け寄り私の足元にしがみ付いてきた。
しがみつくマリーを見た私はすぐに目に涙が溜まり、
そしてその涙は頬を伝わりマリーの頭の上に落ちていく。
それに気づくマリーが顔を上げるとそこに涙が落ちてしまい、目に入ったみたいだった。
「…っ」
すぐに顔を背け目を擦り終えると私の顔を見て言う。
「なんで泣いてるの、お母様?」
(私のマリー…)
涙でぼやけるマリーを私は膝まつき、ギュッと抱きしめた。
「ずっといるからね、マリー」
「…変なお母様」
マリーからしたら同然だと思う。
いきなりそんなことを言う母親だから。
でも私は…。
「さぁ、中に入って、二人とも。今日はもう遅いから」
ユーリに促されるように部屋に入るとそのままマリーと眠りについた。
私達を扉の前で出迎えるロータスさんは出ていく時のような威勢の良さは完全に失くし、こちらに対し低い態度を取っている。
無理も無い、あれだけ啖呵を切ったのにアリスの元に行かれたらもう…。
「…ブライス様にはもうバレてますので」
ユーリが一言だけ言うと、ガクっと肩を落とし項垂れていた。
「…もう終わりだ」
「でしょうね、退いてもらえますか?入れないので」
素直に扉を開け私達を通すロータスさんはユーリを見る事はなく私の方を見てきた。
「なんでそんなスッキリした顔されてるんですか、リーネ様。
あなたはもうブライス様と一緒にいるのは無理なはず。
なのにその顔はおかしい」
声をかけてくるロータスさんを横目でみる私だったが特に答えようとせずその場を後にしようとした。
でもそれが余計にロータスさんを刺激したみたいで私を肩を掴み引き止め始めた。
「離してくれませんか、ロータスさん?私は疲れているので」
「疲れている…?そんな顔ではありませんよね。
何があったか言ってください!
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「あなたに言う義務はありません。ただ…」
「ただ…なんですか!?」
「リーネ、言う必要なんてない。
もうこの人はすぐにこの屋敷を追い出されるんだから」
「黙れ!?…リーネ様早く仰ってください!」
掴んだ肩に力を入れる様は、言うまではここから離れる事はさせないと示しているようだった。
その力は少しずつ強くなるが私は一向に話す事はしなかった。
その時、ユーリが近づき私を掴む手を叩き落としロータスさんに言い放った。
「あなたが掴んでいるのはこの家の主の妻。
そんな人に手を上げてただで済むと思っているの?
それも先程に続いて今回も…」
そう言うユーリの顔はかなり険しく、キッと睨むその目に圧倒されロータスさんは私とユーリの元を後退りしながら離れていった。
「リーネ、早くマリーのとこ行こう」
「うん」
私達が部屋の近くにいくとマリーが部屋の前をウロウロしていた。
そしてこちらに気づくと急いでこちらに駆け寄り私の足元にしがみ付いてきた。
しがみつくマリーを見た私はすぐに目に涙が溜まり、
そしてその涙は頬を伝わりマリーの頭の上に落ちていく。
それに気づくマリーが顔を上げるとそこに涙が落ちてしまい、目に入ったみたいだった。
「…っ」
すぐに顔を背け目を擦り終えると私の顔を見て言う。
「なんで泣いてるの、お母様?」
(私のマリー…)
涙でぼやけるマリーを私は膝まつき、ギュッと抱きしめた。
「ずっといるからね、マリー」
「…変なお母様」
マリーからしたら同然だと思う。
いきなりそんなことを言う母親だから。
でも私は…。
「さぁ、中に入って、二人とも。今日はもう遅いから」
ユーリに促されるように部屋に入るとそのままマリーと眠りについた。
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