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皇帝の死と隠された秘密⑤

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「何故…その話を?」
「少し前に聞かされたわ、いわれてからそうなのかもしれないなと考えるようにもなったわ」

今この場には私達しかいないからいいけど、この話を他に聞かれたら…。
ミク専属長はアリス嬢が陛下の子じゃない事実を確認とかは取ったのだろうか?
専属長なら妃にも仕えるのだから…でもそんな重要な事を陛下以外、いや陛下自身が知らなかったくらいだから妃だけが知る事実なんだろう。

それを知らずに過ごし、今まで娘として育てた子が他人の子とは…私だったら怒りで狂いそうになる。
もしかしたら陛下も、同じ様な気持ちでは…。

「陛下がこの事実を知った以上、リース様とアリス様から目を離さない様にしなさい」
「それって…」
「間違いが起こるかも知れないって事です」

間違い…まさか、ね。
自分の大事な人を殺めたりとかは無いと信じたいけど…陛下、大丈夫かな?

「マール、チーズケーキはもういいわ。必ずこの話は黙ってなさい」
「分かりました…」
部屋を後にするミク専属長を見送り、私は床に落ち、ぶち撒けたクリームを片付けた。


何故か、今は陛下に会わないとダメかも、と思い、再び部屋に急いだ。

ガチャ

「なんだ?ノックも無く」
「すみません…でも」
私のいつもには無い雰囲気を察してか陛下はとりあえず座れといい、客人用の椅子に座らせた。
陛下と向かい合い座るのは初めてだ。
何故か緊張してしまう。
「ミクから何か言われたな?」
「はい…」
お見通しだなと思い、変に突っぱねたり、誤魔化したりはしない様にした。そんな事より陛下が変な気を起こさない様に抑えないとって気持ちのが強かったが、
俺は大丈夫だ。リースを殺る気は無いぞ?と私が不安に思ってる気持ちを払拭してくれた。

「もう今日は疲れただろ、休め」
「陛下のが疲れてます、早く休んでください」
仕方ないなと言う顔をし、お互い部屋を出ようとした。
しかし…
「マール」と呼ばれ振り向くと抱きしめられた…。
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