皇帝陛下！私はただの専属給仕です！

宮廷専属給仕⑥

無言のまま私は陛下の後をついていく。
前を歩く陛下からは「怒り」のオーラが纏まとってる様に見えた。

ガチャ

さっさと中に入り、私は後に続いて中に入った。
ドガッと椅子に座り、私を睨む。
…怖い。
「あっ、お茶を…」
「いらん」
「はい…」
無言のままだ、誰か入って来ないかな。空気を変えて欲しい…。

コンコンッ

やった！誰か来てくれた。

「失礼いたします。陛下、リース様がお呼びですが…」
「あぁ、後でいく」

バタン

う～…一瞬だけ。耐えきれない！
「あの、何かいってください、処分なら受けますから…」
「あぁ、なら何故材料を変えた？」
「それは…中身が違ったら陛下はどんな反応するかと思い…」
「お前は俺のなんだ？」
「…専属給仕です」
「だな。なら俺が好きな物や事をする者だよな？」
「…はい」

陛下が立ち、私に近づいて来た。
目の前まで来て…さらに壁際に追い詰める。
そして…
ドンっと壁に手をつき、私に迫り、顎に人差し指を置き、上に向かせる。
「ちょ…何を…」まさか…キスしようとしてる？！
「好きな事するはずだよな？」
「いや…これは、さすがに…」
更に迫り、顔が近い…
これはさすがに妃に悪い。

「ダメです！」
私は陛下の体を押し、拒否した。

「処分とは言え、これはいけない事です！私は陛下の専属給仕ですが、陛下の相手をする人じゃないです！」

そのまま、私は陛下の部屋を飛び出した。