上 下
28 / 76

ミーネとソフィア②

しおりを挟む
「アリス嬢の婚約者、グレイ皇帝陛下のご到着、皆の者、整列ー」

へぇー、やっぱり出迎えるんだね。
高貴な人の相手は大変だなぁ~、あれは隣国タクティスの皇帝かな?
綺麗な人は陛下の母親かなぁ~。

「おい。ちゃんと頭を下げろ。本気で首が飛ぶぞ」

ソフィアに頭を押さえられてお辞儀をする。
乱暴だなぁ、口だけでわかるっての。
隣のミーネはどこか元気がない感じで揉めあった日からずっと見せているからなんだか心配だなぁ。

「久しぶりだな、カーブス。今回はグレイの為にお邪魔して悪いな」
「こちらこそハインリヒ皇帝、とんでもございません。今回、父上が不在の為、私が名代を務めさせて頂きます」

へぇ~、ちゃんとした言葉遣い使うんだ、陛下って。
…当たり前か、私みたいな小者じゃないんだし、皇帝だしね。
で、あれが結婚相手の坊ちゃんかぁ。な~んか生意気そうな…

パカッ

「何回言えばわかる!下げろって」
小声でソフィアは言うが…

「も~!口でいいなよ!手は出さないでよ!」

陛下や皇帝がこちらを見てる。…と言うか皆見てる。

「はは…申し訳あり…」グイッと体を引かれる、ナーシャさんに。
そのまま王宮の一部屋に押し込まれ
「マール!!!今どんな時かわかる??失礼すぎるでしょ!謝っても許してもらえないのを覚悟しなさい!
もう、あなたは厨房にいなさい!」

はいはい…分かりましたよ。その方が気楽ですけど。

奥ではアリス嬢とグレイ陛下の為に催しが開かれており、そろそろ料理の時間なんだろう、給仕達が慌ただしく厨房にやってくる。

「マール…大声はダメだよ…クラークスさんカンカンだよ…。後で謝りに行った方が」
「それはソフィアが!」
「なんだ、私のせいか?忠告を無視するお前が悪いんだろ。せいぜいしっかり誠心誠意謝りにいきな」
「なにを~!!」

「こらっ!はやく準備しなさい!マールは後でクラークスさんのとこに行きます」

うっ…ソフィアめ…

「マール、準備しよ?」ミーネの優しさが嬉しい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

砕けた愛は、戻らない。

豆狸
恋愛
「殿下からお前に伝言がある。もう殿下のことを見るな、とのことだ」 なろう様でも公開中です。

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

浮気くらいで騒ぐなとおっしゃるなら、そのとおり従ってあげましょう。

Hibah
恋愛
私の夫エルキュールは、王位継承権がある王子ではないものの、その勇敢さと知性で知られた高貴な男性でした。貴族社会では珍しいことに、私たちは婚約の段階で互いに恋に落ち、幸せな結婚生活へと進みました。しかし、ある日を境に、夫は私以外の女性を部屋に連れ込むようになります。そして「男なら誰でもやっている」と、浮気を肯定し、開き直ってしまいます。私は夫のその態度に心から苦しみました。夫を愛していないわけではなく、愛し続けているからこそ、辛いのです。しかし、夫は変わってしまいました。もうどうしようもないので、私も変わることにします。

私の恋が消えた春

豆狸
恋愛
「愛しているのは、今も昔も君だけだ……」 ──え? 風が運んできた夫の声が耳朶を打ち、私は凍りつきました。 彼の前にいるのは私ではありません。 なろう様でも公開中です。

処理中です...