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修学旅行 二日目④

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私を囲っていた輪はもう無くなり、今まで通り人が多く、歩きにくい感じに戻っていった。

「藤原!何度言ったら分かるんだ!もうダメだ。お前は今から俺ら担任と夜までいろ」
「嫌です!昨日も言ったはず!大事な日だって!」
「うるさい!ここで終わりにして、帰さないだけありがたく思え!」
「嫌だ!絶対嫌だー!…っく、うっ…、うぅ…」
「はぁ…」

担任と藤原さんのやり取りを私達は横で見てた。
あれだけ嫌な想いをさせられた事もあったが、
泣く藤原さんに同情する気持ちも少しはあった。
最終日に告白する!って決めていたのを知っているからだ。

「鈴木、中村もうお前らは行け」
「でも…」
「いたらまた藤原が何かするかわから…」

「わぁあ~~~」

大声を上げ、私に向かってくる藤原さん。

体が動かなかった。人は急な事やビックリした事が起こったら動けないと言うのは本当みたいで…。
思いっきりタックルみたいに突っ込み、倒れた私を叩いた。

「馬鹿やろう!」

すぐに担任に引き剥がされたが、フーフー…と興奮している。
「あんたなんか死んじゃえばいいんだ!学校に戻ったら追い込んでやる~!」
と、大声で脅迫してきた…。

近くに来ていたもう一人の担任とで、藤原さんは私達から離され、人がいない場所に強引に連れて行かれた。
その間もずっと私の事を大声で罵っていた…。

「中村さん、大丈夫?」
「ちょっと痛いけど、なんとか…」
翔太君に起こされ、コレで、といいハンカチを差し出してくれた。

「最低だな、あれ…」とボソっと呟いたのが私には聞こえた。

「痛っ」と思い、頭をさすると血が出ていた。
しかも、少しじゃなく、結構…。
そのまま私は気を失った。


目を覚ますと、白い部屋にいた。
目をキョロキョロ動かすと器具とかがあり、ホテルではないのがわかった。
体を起こそうにも頭が痛くて断念した。

「気づいたか?中村」
「良かった、気づいて…」

「病院、ですか?」

「そうだ、頭から血が出ていたからすぐ救急車を呼んだ。鈴木がテキパキと動いたからまだ軽症で済んだみたいだ、良かったな」

「そっか…ありがとう、翔太君」

担任達は私が目を覚ましたのに安堵はしたが、言わなければ…って顔をしている。
「中村…悪いが修学旅行はここまでだ。いいな?」
「はい…」

本当は嫌だ。でもこんな状態で嫌だなんて言えるわけ無い。言ったらただの我儘だ。

「あの…藤原さんは?」

その質問がくるのは当然だなと言う顔になるが、担任と翔太君は私に目を合わそうとしない。
「言ってください。お願いします」

「もう修学旅行から帰した」と。




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