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波乱含みの修学旅行⑥

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「そんな言い方なくない?」

「はいはい、悪かったわね」

私は立ち上がり、5人で回る事になった。
でも雰囲気は周りのどの班よりも重く、楽しい!って気持ちは全くなかった…。

あんなこともあったからか、終始無言のまま、ただ、街を歩く。
周りは楽しそうに話したり店を回りながらしているのに…。
「なんかつまらんね…」
「まぁ、な…」
そういうと、藤原さんを見る。
「何よ。私のせいだって言いたいの?」
「…」

「中村さん、ちょっと…」
翔太君が私に話しかけてきた。それを藤原さんは不機嫌そうに見るが、今、邪魔したら気まずいと思ったのか、何も言ってこなかった。

少し皆から離れ
「皆から離れて回らない?」
「えっ…でもそれは…」
「僕に任せて、これ、隠し持ってて」
と紙を渡してきて、中には『同じのを選んで』とある。

こんな時に離れたら今度は何か言ってくるじゃないかと心配したが、翔太君の言葉も信じたいとも思い…。

「ねぇ、今のままだとギスギスするから、何かゲームしない?」
「ゲーム?」
「そう、んー。あの店でお土産買うとして、同じ物を選んだ物同士で、これから回ったりしない?」
「なるほど、でも皆違ったら?」
「その時はまた皆で回ればいいよ、どう?藤原さん」

「じゃあ先に聞くけど、もし一緒ならそれ以降邪魔は無し!
それならいいけど?」

なるほど…ゲームして決める訳ね。
そうなら貰った紙がバレたらマズい…。

「OK、ならそれでいいよ。じゃあ行こうか」

私達は店に入り、どれにしようか迷いながら買っている。
でも私は…迷う事はない。だって正解を知ってるんだから。
だから探すフリをして皆が決めるまでやり過ごしている。
藤原さんは翔太君に近づき、聞いたり、ヒントになるのを探ろうと必死だ。

「中村さんはどれにするの?」
「え、聞いたらゲームにならないじゃないですか?」
「えー…それ言っちゃう?こっそり教えて!」
村瀬君が私に必死にお願いする姿をみて、加藤君も来た。
「おい、抜け駆けするなっていっただろ」

二人で言い合う中を、スーッと私は離れた。
離れた先に翔太君が居た。藤原さんとは少し離れたみたいだ。

あっ。
すれ違い様に小声で「コレだよ」って教えてくれた。

嬉しくて、すぐに教えてくれた物を探しに行った。


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