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その後の日常②
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「大丈夫?えりりん」
「そんな大声出すんだね、えりちゃんって」
周りは私を見ている、だって今この場所は通学路だから…。
ジロジロ見られた後はヒソヒソに変わっていく。
カーッと身体が熱くなり、顔がポッポとする。
こんな大声を出している姿を翔太君に見られたら嫌だなぁって思い、辺りを見渡すが、居なそうで良かったと胸を撫で下ろす。が、そんな様子を2人はじっくり見ており…。
「えりりん、私が背中押してあげよっか。ドーンって」
「何言ってるの?」
「またまた~、にぶちんのえりりんだなぁ。それかそうやって隠そうとしてるかどっちかだけどね~」
「まぁ、えりちゃんのハートを射抜くのは俺だからな!」
「それは無理。鉄壁のガードが近くにいるから!」
「はいはい、押せば壊れそうなガードだけどな」
いつもの日常の風景。こんな日が毎日続くといいなって思う。でも、私は告白をされた…。
ずっと先延ばしは良くないのは分かるけど、すぐには出ない気がする。
通学路でのやり取りをしていると翔太君の姿が見えてきた。
「あ、悪い。先行くわ」
やっぱりまだ昨日の件が尾を引いていて顔を合わせたくないんだなぁって感じる。多分それは翔太君も同じかもしれない。
そんな私も…本当は今は会いたくない…。
どんな顔して、どんな態度で接したら良いか全く分からない。『逃げ』を選択してしまう自分がおり、綾の手を引き、クラスに向かっていった…。
クラスにいても翔太君は私に声をかける事はなく、男子達と話している。そんな私も距離を置いている。
先週までとはガラリと違う。
お互いがお互いを避けている感じで、隣に座りながら授業を受けていても見えない壁が高く聳え立ってるみたいに…。
多分何かきっかけがあれば話すかもしれないけど、それがなかなか見当たらなく、時間だけが過ぎていく。
そんな私達にきっかけとなるイベントがくる。
修学旅行だ。
2学期になれば進学や就職を考えなくてはいけないので、高校生として最後の思い出作りの場が1学期にあり、行き先は定番の京都。
ホームルームの時間を使い、班を組む様に先生は指示をし、各々話し合いを始める。
周りではチラホラと班を組みつつあり、出来たら私は翔太君と組みたいが、なかなか声を掛けれなかった。
翔太君も仲良い男子と話をし、決めつつある時
「翔太君、私と一緒に組まない?」
彼女は、藤原美樹さん。背が低く、物腰が柔らかく、私から見ても守ってあげないといけないなぁって雰囲気を醸し出しており、男子からは人気がありそうで…。
そんな彼女と組みたいのか声をかけられているけど、翔太君に声を掛けてきた。
「えっと…」
彼女の名前が分からないのか困惑している翔太君に「え~、転校してから話したよ、藤原美樹だよ。思い出した?良かったら、どうかな…?」
私はなんて何ていうのか気になり見ていたら、
翔太君と目が合い、気まずくなり逸らすが
「中村さんも一緒でも、いい…?」
翔太君は私を誘ってきてくれた…。
藤原さんは私を見るとニッコリ笑い、「いいよ」と返す。
「中村さんもこっち来て話そうよ」
優しくていい子だなぁって思い、私は話に加わった。
朝から避けてきた翔太君と話す機会が出来たけど、まだ気持ちは複雑だった…。
「そんな大声出すんだね、えりちゃんって」
周りは私を見ている、だって今この場所は通学路だから…。
ジロジロ見られた後はヒソヒソに変わっていく。
カーッと身体が熱くなり、顔がポッポとする。
こんな大声を出している姿を翔太君に見られたら嫌だなぁって思い、辺りを見渡すが、居なそうで良かったと胸を撫で下ろす。が、そんな様子を2人はじっくり見ており…。
「えりりん、私が背中押してあげよっか。ドーンって」
「何言ってるの?」
「またまた~、にぶちんのえりりんだなぁ。それかそうやって隠そうとしてるかどっちかだけどね~」
「まぁ、えりちゃんのハートを射抜くのは俺だからな!」
「それは無理。鉄壁のガードが近くにいるから!」
「はいはい、押せば壊れそうなガードだけどな」
いつもの日常の風景。こんな日が毎日続くといいなって思う。でも、私は告白をされた…。
ずっと先延ばしは良くないのは分かるけど、すぐには出ない気がする。
通学路でのやり取りをしていると翔太君の姿が見えてきた。
「あ、悪い。先行くわ」
やっぱりまだ昨日の件が尾を引いていて顔を合わせたくないんだなぁって感じる。多分それは翔太君も同じかもしれない。
そんな私も…本当は今は会いたくない…。
どんな顔して、どんな態度で接したら良いか全く分からない。『逃げ』を選択してしまう自分がおり、綾の手を引き、クラスに向かっていった…。
クラスにいても翔太君は私に声をかける事はなく、男子達と話している。そんな私も距離を置いている。
先週までとはガラリと違う。
お互いがお互いを避けている感じで、隣に座りながら授業を受けていても見えない壁が高く聳え立ってるみたいに…。
多分何かきっかけがあれば話すかもしれないけど、それがなかなか見当たらなく、時間だけが過ぎていく。
そんな私達にきっかけとなるイベントがくる。
修学旅行だ。
2学期になれば進学や就職を考えなくてはいけないので、高校生として最後の思い出作りの場が1学期にあり、行き先は定番の京都。
ホームルームの時間を使い、班を組む様に先生は指示をし、各々話し合いを始める。
周りではチラホラと班を組みつつあり、出来たら私は翔太君と組みたいが、なかなか声を掛けれなかった。
翔太君も仲良い男子と話をし、決めつつある時
「翔太君、私と一緒に組まない?」
彼女は、藤原美樹さん。背が低く、物腰が柔らかく、私から見ても守ってあげないといけないなぁって雰囲気を醸し出しており、男子からは人気がありそうで…。
そんな彼女と組みたいのか声をかけられているけど、翔太君に声を掛けてきた。
「えっと…」
彼女の名前が分からないのか困惑している翔太君に「え~、転校してから話したよ、藤原美樹だよ。思い出した?良かったら、どうかな…?」
私はなんて何ていうのか気になり見ていたら、
翔太君と目が合い、気まずくなり逸らすが
「中村さんも一緒でも、いい…?」
翔太君は私を誘ってきてくれた…。
藤原さんは私を見るとニッコリ笑い、「いいよ」と返す。
「中村さんもこっち来て話そうよ」
優しくていい子だなぁって思い、私は話に加わった。
朝から避けてきた翔太君と話す機会が出来たけど、まだ気持ちは複雑だった…。
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